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長期データからみるわが国証券ビジネスの動向―事業環境の変化と新たな潮流―

2022年6月8日
金融機構局 小林健太、山本弘樹

要旨

わが国における証券ビジネスの動向を長期的にみると、株式売買の取次ぎや投信販売などの伝統的なフロー型ビジネスによる収益の伸びが限られてきているもと、近年は、フィデューシャリー・デューティーの浸透などに伴う資産管理(ストック)型ビジネスへの転換や、M&Aアドバイザリー業務の拡大といった新たな潮流もみられている。また、米国証券会社との事業環境の比較からは、金融資本市場の規模や資産管理型ビジネスの発展度合いが、収益性の水準や安定性に影響している可能性も示唆される。証券会社の事業環境やビジネスモデル、収益構造や内包するリスクがどのように変容していくか、今後も注目に値する。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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