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新興国への資本フローを巡る最近の動向

2023年6月30日

国際局 小嶺成司、田平泰啓、岩井亨、崎山登志之

要旨

新型コロナウイルス感染症の感染拡大や米国金利の上昇など、資本流出圧力が強まる局面がみられているが、これまでのところ、新興国の資本フローは過去の平均的な流入超を維持してきている。このようにグローバルな市場センチメントや先進国の金利動向の影響に対し新興国の資本フローが高い耐性を示してきている点については、多くの新興国において、流動性の高い資産である外貨準備の確保など財務の強化が進んできていることや、マクロ経済政策やマクロプルーデンス政策などの面で資本流出圧力を減じる方向での様々な政策対応が講じられてきたことを指摘できる。今後も新興国の資本フローが資本流出圧力に対し高い耐性を示し続けるかどうかが注目される。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
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