LBO ファイナンスの動向とリスク管理
2024年5月30日
金融機構局 金口剛久、稲次春彦、三浦翔
要旨
世界金融危機以降、投資資金の流入や企業業績の回復などを背景に、世界的に企業買収(M&A)が増加し、買収資金の調達手段であるLBO(Leveraged Buyout)ファイナンスの実行額が増加した。わが国金融機関でも、国内外で当該ビジネスを推進するもとで与信残高が増加しており、国内市場の裾野も拡がりつつある。LBO ファイナンスは、収益性が高い一方で、一般的な法人向け融資と比較して高レバレッジ・低格付であるうえ、変動金利かつ高スプレッドが適用されることが多いため、金利変動の影響を受けやすい。わが国金融機関の取り組み状況や、今後、市場が一層拡大していくことを踏まえると、取り扱い規模や取り組み方針に応じて、リスク管理の高度化や体制整備を行う重要性が高まっている。
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