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ノンバンク金融仲介機関の近年の動向と強靭性向上への取組み

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2025年5月15日

金融機構局 大石洋、小林永典*、杉原慶彦
*現・静岡支店

要旨

ノンバンク金融仲介機関(NBFI)は、グローバルな金融資産のおよそ半分を保有しており、金融仲介活動において重要な役割を担っている。内訳をみると、近年は、伝統的なNBFIである保険会社・年金基金ではなく、投資ファンドのプレゼンスが世界的に高まっているほか、主としてクロスボーダー取引拡大を介して、銀行部門とNBFIの相互依存性も高まっているとみられる。このもとで、投資ファンドを中心としたNBFIの経済行動がストレスを増幅するなどして、金融市場の価格変動が高まったとされるケースも増えている。こうしたストレスは、銀行部門を含むグローバルな金融システム全体にも容易に波及しうるため、金融安定理事会(FSB)を中心に、脆弱性の抑制に向けた様々な政策勧告が出されている。本稿では、FSBが定期的に公表している「グローバル・ノンバンク金融仲介モニタリング報告書」や政策勧告などをレビューし、NBFIによる金融仲介の特徴やその強靭化に向けた取組みを紹介するほか、先行きの課題を展望する。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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