ノンバンク部門の国際比較 ―データ面からみた国内金融システムにおけるプレゼンス―
2025年6月27日
金融機構局 江口万里奈*、大久保友博、山本健太、鷲見和昭
*現・企画局
要旨
グローバルにみたノンバンク部門の資産残高は、世界金融危機以降、趨勢的に拡大している。本稿では、日本・米国・ドイツに焦点を当てて、各金融システムにおける内外ノンバンク部門のプレゼンスの大きさや、銀行部門との相互連関性の大きさについて、各国の資金循環統計や国際機関が公表する統計などを用いて、国際比較を行う。金融資産のうちノンバンク部門の保有残高シェアが5割を超える米国と、2~3割に留まる日独など、各国におけるノンバンク部門の相対的な規模は異なる。もっとも、海外ノンバンク部門も勘案すると、いずれの国の金融システムについても、債券・株式市場を中心に、ノンバンク部門による運用残高が相応の規模に達していること、また、銀行部門と海外ノンバンク部門との間の投融資・調達でみた相互連関性が強まっていることが示唆される。
日本銀行から
日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行金融機構局金融システム調査課 (代表03-3279-1111)までお知らせ下さい。