AI導入が生産性に与える影響:概念整理と国際比較
2025年9月25日
調査統計局 大高一樹*、加藤直也
*現・金融研究所
要旨
近年、生成AIに代表されるAI技術は急速に進歩しており、経済全体の生産性を向上させることへの期待感が高まっている。特にわが国においては、労働力の減少といった構造的な課題に直面するもと、定性的には、AIがこうした課題解決に貢献する強力なツールになり得ると期待されている。もっとも、マクロ経済への定量的なインパクトは、AIによって影響を受けるタスクの範囲やその普及速度に大きく依存しており、現時点では不確実性が高い。今後、わが国でAIが汎用技術として経済成長の原動力になり得るためには、イノベーションを促進する適切な環境整備とスキル習得に向けた利用者側の変革が求められる。
日本銀行から
日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するために、日本銀行が編集・発行しているものです。ただし、レポートで示された意見は執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。
内容に関するご質問等に関しましては、日本銀行調査統計局経済調査課 (代表03-3279-1111)までお知らせ下さい。