通貨プレミアムを計測する新手法
2015年7月30日
今久保圭*1
鎌田康一郎*2
菅和聖*3
全文掲載は、英語のみとなっております。
要旨
本稿は、Clarida(2012,2013)で展開された通貨プレミアム・モデルの拡張を試みる。本稿が紹介する拡張モデルでは、通貨プレミアムは、内外の実質金利の均衡水準からの乖離である金利ギャップと、実質為替レートの均衡水準からの乖離であるミスアライメントという2つの不均衡要因から構成される。本稿では、ドル、ユーロ、円に関するデータを用いてこれらの不均衡要因を計算し、2000年代半ば以降、通貨プレミアムがどのように変化していったかを実証した。分析結果は、2000年代後半にかけて、ユーロがドルに並ぶ国際通貨として成長を遂げていたこと、その後、米欧の金融市場が不安定化する中、円が安全通貨としての役割を担ったことを示している。
JEL分類番号
F31、F37
キーワード
金利平価、購買力平価、通貨プレミアム、ミスアライメント
本稿の作成に当たり、日本銀行のスタッフから有益なコメントを頂いた。記して感謝の意を表したい。ただし、あり得べき誤りは筆者ら個人に属する。本稿の内容と意見は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。
- *1日本銀行企画局 E-mail:kei.imakubo@boj.or.jp
- *2日本銀行企画局(現・金融研究所)E-mail:kouichirou.kamada@boj.or.jp
- *3日本銀行企画局 E-mail:kazutoshi.kan@boj.or.jp
日本銀行から
日本銀行ワーキングペーパーシリーズは、日本銀行員および外部研究者の研究成果をとりまとめたもので、内外の研究機関、研究者等の有識者から幅広くコメントを頂戴することを意図しています。ただし、論文の中で示された内容や意見は、日本銀行の公式見解を示すものではありません。
なお、ワーキングペーパーシリーズに対するご意見・ご質問や、掲載ファイルに関するお問い合わせは、執筆者までお寄せ下さい。
商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行情報サービス局(post.prd8@boj.or.jp)までご相談下さい。転載・複製を行う場合は、出所を明記して下さい。