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景気循環と経済成長の連関

2017年12月18日
開発壮平*1
古賀麻衣子*2
坂田智哉*3
原尚子*4

要旨

2000年代後半の世界金融危機後にみられている先進国経済の緩慢な回復あるいは長期的な低迷を受け、これまでマクロ経済分析に大きな影響を及ぼしてきた「景気循環と経済成長の二分法」を超えた議論の必要性が高まっている。こうした問題意識のもと、本稿では、景気循環と経済成長の連関についての論点整理を行う。具体的には、両者の関係性について、考え方の整理と先進国の経済成長率を用いた実証分析を行った後、景気循環と経済成長の連関を示唆する既存研究の論点を整理する。既存研究の論点整理では、まず景気循環が経済成長に影響を与える経路、いわゆる履歴効果について、労働市場、企業行動、財政政策に起因するメカニズムを取りあげる。次に、経済成長、特にそのトレンドを形成する技術進歩や人口動態が景気循環に影響を与えるメカニズムについて考察する。

JEL分類番号:E32, O40

キーワード:景気循環、経済成長、履歴効果

  1. *1日本銀行調査統計局 E-mail : souhei.kaihatsu@boj.or.jp
  2. *2日本銀行調査統計局 E-mail : maiko.koga@boj.or.jp
  3. *3日本銀行調査統計局 E-mail : tomoya.sakata@boj.or.jp
  4. *4日本銀行調査統計局 E-mail : naoko.hara@boj.or.jp

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