外国為替およびデリバティブに関する中央銀行サーベイ(2007年4月中 取引高調査)について:日本分集計結果
2007年9月26日
日本銀行金融市場局
- 本調査のデータを含む全文 (LZH) 102KB
1.本調査の概要
各国中央銀行等では、国際決済銀行(BIS)の取りまとめの下で、3年毎に自国・地域の外国為替(外為)市場および店頭(OTC)デリバティブ市場の取引高等について同時に調査を実施している1。今回の調査結果は2007年4月中の取引高に関するものである2。
このうち、日本分集計結果は、本邦銀行等19行庫、外資系銀行17行、本邦証券会社3社、外資系証券会社6社の計45先を調査対象としている。また、本調査では、外為取引を3種類、デリバティブ取引を5種類に分類し3、それぞれについて、通貨別、取引相手先別、国内外別に集計している。
なお、BISでは、参加各国・地域の調査結果を集計したグローバル・ベースでの外為・デリバティブ取引高統計を公表している(BISのホームページ<http://www.bis.org/triennial.htm(外部サイトへのリンク)>より入手可能)。
- BIS取りまとめによるグローバル・ベースでの調査は、外為取引高については89年から、デリバティブ取引高については95年から開始されている。
- 今回の調査では、日本銀行を含む54か国・地域の中央銀行等により、約1,300の金融機関等を対象に実施された。参加国・地域については別添2を参照。
- (1)外為取引……スポット、フォワード、為替スワップ
(2)デリバティブ取引
・金利関連取引……FRA(金利先渡し取引)、金利スワップ、金利オプション
・外為関連取引……通貨スワップ、通貨オプション
2.BISサーベイ調査結果(別添1)の主な特徴点4
I.外為取引(スポット、フォワード、為替スワップ合計ベース)
- わが国外為市場の1営業日平均総取引高は、2,384億米ドルと前回調査比+19.9%増加した(図表1)。ただし、グローバル・ベースの取引高に占めるシェアは、前回調査時の8.3%から6.0%に低下(別添3)。
- 相手先別では(図表1)、インターバンク取引がやや大きく増加した(前回調査比+27.8%)。
—— 取引形態別では(図表2)、スポット取引が大きく増加(同+90.6%)。 - 金融機関別では(図表3)、外資系金融機関の取引高の伸びが鈍化し、本邦金融機関の取引高シェアが上昇(前回調査28.9%→今回調査32.9%)。
- 通貨別取引高では(図表4)、ドル/円、ユーロ/ドル、ユーロ/円を除いたその他取引のシェアが引続き上昇した(前回調査20.8%→今回調査25.1%)。
—— 香港ドル、ニュージーランド・ドル関連の取引の増加が目立つ。 - 取引高上位10先および同上位20先の取引全体に占めるシェアはともに上昇(図表5)。
- 4過去の調査結果との比較については、集計対象先のカバレッジ、項目の定義の違い、為替相場の変動等からある程度の幅をもってみる必要がある。
II.デリバティブ取引(FRA、金利スワップ、金利オプション、通貨スワップ、通貨オプション合計ベース)
- 金利関連取引と外為関連取引を合計したわが国デリバティブ市場の1営業日平均総取引高は、882億米ドルと、金利関連取引を中心に大幅に増加(前回調査比+124.0%、図表6)。また、グローバル・ベースの取引高に占めるシェアは前回調査時の2.6%から3.5%に上昇(別添3)。
- 金利関連取引では(図表6)、金利スワップが前回調査比+123.1%、金利オプションが同+180.6%と大きく増加した。
- 外資系金融機関の取引が引続き増加し(前回調査比+203.3%)、デリバティブ取引に占めるシェアも引続き上昇した(前回調査50.6%→今回調査68.5%、図表9)。
- 相手先別(図表10)では、海外向け取引が大きく増加(前回調査比+185.0%)
- デリバティブ市場全体における取引の集中度についてみると(図表11)、上位10先、上位20先ともに前回調査比シェアが上昇。
本件に関する照会先
金融市場局
外国為替平衡操作担当 (03-3277-1349、03-3277-2560)
以上
(別添1)
I.外国為替取引高計表(スポット、フォワード、為替スワップ合計ベース)
II.デリバティブ取引高計表(FRA、金利スワップ、金利オプション、通貨スワップ、通貨オプション合計ベース)
(別添2)
(別添3)