「マネーサプライ(M2+CD)増減と信用面の対応」、「マネタリーサーベイ」統計の見直しについて
2003年 5月15日
日本銀行調査統計局
日本銀行では、マネーサプライ統計の関連統計として、毎月、「マネタリーサーベイ」1および「マネーサプライ(M2+CD)増減と信用面の対応」2を作成しています。この度、両統計の見直しを行い、2003年6月計数(8月14日公表予定)以降、新ベースの統計を作成・公表することにしましたので、お知らせします。新ベースへの移行に際しては、1998年4月以降の遡及計数も併せて公表します3。
今回の見直しは、(1)IMFが採用する統計の作成基準の変更4や、(2)近年の金融取引の多様化や企業会計制度の変更などの諸環境の変化に対応し、実態をより適確に反映することを目的としたものです。
主な変更内容は、以下の通りです(公表項目の具体的な変更内容は別添参照)。
- IMFが定めた国際基準に基づき、M2+CDを発行する通貨当局および預金通貨銀行の諸勘定を統合・調整したバランスシート。詳しくは、『「マネタリーサーベイ」、「マネーサプライ(M2+CD)増減と信用面の対応」の解説』(日本銀行調査統計局)をご参照下さい。
- マネタリーサーベイで作成されたバランスシートの枠組に基づいて、その変動を示した統計。詳しくは、脚注1で引用している資料をご覧下さい。
- 今回の改訂は、両統計の「1998年4月以降(新ベース)」のみを対象にしたものです。このため、これらは1999年3月までの「外国銀行在日支店等を含まないベース」計数とは連続しません。
- IMF金融統計マニュアルは、2000年に改訂されました。
1.統計の作成目的および枠組の変更
2.表示方法の変更(マネタリーサーベイ)
従来、資産と負債を相殺していた一部項目(ネットアウト表示)について、資産、負債のそれぞれを表示(グロス表示)するよう変更します。具体的には、以下の通りです。
3.債券現先取引、現金担保付債券貸借取引を資金取引として計上
従来は、債券現先取引および現金担保付債券貸借取引を「債券の売買取引」あるいは「債券の貸し借り」としていましたが、今回の改訂では、これらを「債券を担保とした資金貸借」と扱うことに変更します5。
- 5こうした取り扱いについては、マネーサプライ統計や資金循環統計といった他の金融統計でも既に採用されています。
この結果、買現先取引や現金担保付債券借入は信用供与となり、政府向け信用、民間向け信用といった項目に、計上されることとなります。また、債券現先取引を「債券の売買」とは扱わなくなるため、国債等の項目では、この取引による変動が生じなくなります。
以上
本件に関するお問い合わせ先
日本銀行 調査統計局 経済統計課 金融統計グループ
TEL:03−3277−2116
(別添)