再投資収益の計上方法の変更に関するお知らせ
2006年 2月20日
財務省
日本銀行
財務省・日本銀行は、わが国の国際収支統計について、2005年1月分より所得収支・再投資収益の受取額(同額を直接投資・資産に計上)の計上方法を変更しております。2006年2月13日に、2005年12月速報が公表されたことに伴い、本変更の概要及び変更後の計上方法による2004年中の計数をお知らせします。
1.変更の概要
再投資収益とは、子会社・関連会社が配当として分配しない収益(決算期末における内部留保残高の増減)のうち直接投資家の取り分(株式による資本参加の比率に対応する分)等を指します。国際収支統計においては、これを、実際に配当を行った後、直接投資家から再投資されたものとみなして、所得収支と直接投資に同額を計上しています。
再投資収益は、企業の決算期末における内部留保残高増減(T0期末残高 − T0−1期末残高)のうち、直接投資家の持分に相当する額を報告書から集計しています。その際、外貨建てで行われた報告に対しては、円への為替換算を行います。従来は、まずT0期の内部留保残高を、T0期末の為替レートを用いて円換算する一方で、T0−1期の内部留保残高を、T0−1期末の為替レートを用いて円換算し、その差額を内部留保残高増減としていました。この方法では、例えば外貨建てベースでは増減がマイナスとなった場合でも、為替変動の影響により、円換算後の増減がプラスとなるような可能性もあり、データ利用にあたり不都合が生じる惧れがありました(図表1)。そこで、2005年1月分より、まず外貨建てベースで内部留保残高の差額を算出したのち、T0期末の為替レートを用いて円換算する方法に変更しました(図表2)。
- (注)再投資収益の支払額(直接投資・負債)については、原資料が全て円建てで報告されるため、上記のような問題は生じません。
- 計上対象となる内部留保は、決算年度を通じて獲得したものであるため、内部留保残高増減の直接投資家の取り分を12等分して12か月に亘って計上する扱いとしています。
2.新しい計上方法による2004年中の推計値
2004年中の再投資収益について、変更後の計上方法を用いて試算した結果、以下の通りとなりました(図表3)。変更前の計上方法による「公表値」と「変更後の計上方法での試算値」との乖離は、「計上方法変更による増加額」に示されています。
以上