コンピューター2000年問題に関するわが国金融界の対応状況
2000年問題対応の最終段階を迎えて
1999年 8月27日
日本銀行
日本銀行から
以下には、全文の冒頭部分(はじめに)および目次を掲載しています。全文は、こちら(set9908a.pdf 400KB)から入手できます。
はじめに
わが国の金融機関や各種決済システム運営主体は、「コンピューター西暦2000年問題」への対応を当面の最重要案件のひとつと位置付け、システムの修正やテストの実施、万が一問題が発生した際のコンティンジェンシー・プラン(危機管理計画)の策定など、2000年への円滑な移行に必要な準備作業に鋭意取り組んできた。
この間、日本銀行も、日銀ネットをはじめとした日本銀行自身のシステムや設備の2000年問題対応を図る一方、金融機関に対し、各種ガイドライン・ペーパーの配布やターゲット考査等を通じた対応状況のフォロー・助言を行ってきたほか、決済システム面でも各種決済システムと連携した対外接続テストを昨年12月以降6回実施し、金融界の対応を後押ししてきたところである。
この小冊子は、本年半ばまでにおけるわが国金融界の対応状況について、個別金融機関、決済システム双方のレベルから整理したものである(注)。具体的には、(1)日本銀行が本年7月に金融機関(日本銀行当座預金取引先)を対象に行った2000年問題への対応状況に関するアンケート調査の結果概要、(2)わが国の主要決済システムの対応状況、(3)日本銀行が各種決済システムと共同で実施した対外接続テストの結果、について説明している。
この小冊子にお示ししているように、わが国金融界の2000年問題対応は、総じて順調に進んでいる。2000年まで4ヶ月余りとなり、金融界の対応の焦点は、システムの修正・テスト等のシステム面での対応から、コンティンジェンシー・プランの策定・充実、同プランに基づく模擬訓練の実施、さらには年末年始の対応体制(勤務・待機体制等)や関係者間の情報連絡体制の構築・整備に移ってきている。日本銀行としても、残された時間において、市場参加者や政府・関係省庁、諸団体と密接に連携しながら、2000年への移行に備えた最終的な準備作業に取り組み、2000年問題への対応に万全を期していく所存である。
- (注)日本銀行では、昨年8月にも「コンピューター2000年問題に関するわが国金融界の対応状況」と題する小冊子を公表し、昨年央における金融界の2000年問題対応状況を整理した。日本銀行では、このほかにも、金融界の対応状況や日本銀行の行った2000年問題対策について様々な資料を公表しており、それらについては本ホームページの2000年問題コーナーで入手可能である。
目次
- はじめに
- 1.金融機関の2000年問題対応状況に関するアンケート結果
- (1)総括
- (2)取り組み体制
- (3)システム面の対応
- (4)非システム面の対応
- (5)コンティンジェンシー・プランの策定状況
- (6)アンケート結果から窺われる今後の課題
- 2.わが国主要決済システムの対応状況
- (1)日本銀行のシステム
- (コラム1)わが国決済システムにおける日銀ネットの役割
- (2)民間資金決済システム
- (3)民間証券決済システム
- 3.日銀ネットの対外接続テスト結果
- (1)概要
- (コラム2)わが国金融界のインダストリーワイド・テスト
- (2)テスト実施内容および実施結果
- (コラム3)2000年問題対応に関するグローバル・テスト
- (3)今後のテスト実施予定
- (別添1)金融機関の2000年問題対応状況に関するアンケート結果(計表編)
- (別添2)日本銀行による2000年問題関連主要資料
- (別添3)2000年問題関連主要ホームページアドレス
以上