質問日銀ネットとは何ですか?
教えて!にちぎん
日銀ネットは、正式名称を「日本銀行金融ネットワークシステム」といい、日本銀行とその取引先金融機関との間の資金や国債の決済をオンライン処理により効率的かつ安全に行うことを目的として構築された、日本銀行が運営しているネットワークのことです。
日銀ネットでは、日本銀行の電算センターと、日本銀行本支店および日銀ネットに参加する金融機関が通信回線により接続されており、日本銀行本支店や金融機関が入力したデータは電算センターでオンライン処理されています。日銀ネットと金融機関との接続に関しては、端末による接続のほか、参加金融機関のコンピュータとの直接接続も可能となっています。
日銀ネットの機能には、資金決済システムである「日銀ネット当預系」と、国債決済システムである「日銀ネット国債系」があります。このうち、日銀ネット当預系では、金融機関などが日本銀行に開設している日本銀行当座預金の間の資金の振替によって、短期金融市場での取引、国債取引にかかる資金決済や、全国銀行内国為替制度、手形交換制度、外国為替円決済制度といった民間資金決済システムなどにかかわる資金決済が行われています。また、日銀ネット国債系では、売買に伴う国債の決済、国債発行時の入札・発行・払込みなどが処理されています。
決済インフラのネットワーク化や金融取引のグローバル化、さらには金融サービスの内容や様々な取引ニーズの変化など、日銀ネットを巡る環境は大きく変化しています。こうした変化に対し、従来のシステム基盤を維持して対応していくことは、次第に技術面で困難となり、費用も嵩むことになるため、日本銀行では、(1)最新の情報処理技術の採用、(2)変化に対する高い柔軟性、(3)アクセス利便性の向上を基本コンセプトとして新しく日銀ネットを構築し、2014年(平成26年)1月、2015年(平成27年)10月と二段階に分けて稼動しました。
また、2016年(平成28年)2月にはその稼動時間を、これまでの19時から21時までに拡大しました。これにより、アジアや欧州など海外の市場との決済時間帯のオーバーラップも一段と確保され、国境をまたいだ資金や国債の迅速な決済が行われやすくなりました。
日本銀行では、日銀ネットが、金融サービスの高度化や顧客利便性の向上、さらには日本の金融市場の一層の発展につながっていくことを期待しています。また、そうした方向で日銀ネットが最大限有効に活用されていくよう、幅広い関係者の方々と対話を重ねていきます。
関連ページ
日銀ネットに関する日本銀行の各種の公表資料については、「日銀ネットの運営」ページをご覧ください。