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総裁記者会見 2024年10月31日(木)午後3時30分から約65分

2024年11月1日
日本銀行

(問)
本日の金融政策決定会合の内容について、展望レポートの内容を含めて、総裁、ご説明をお願い致します。

(答)
今日の会合ですが、無担保コールレート・オーバーナイト物を0.25%程度で推移するよう促す、という金融市場調節方針を維持することを全員一致で決定致しました。

展望レポートも公表しましたので、最初に経済・物価の現状と先行きについて、展望レポートに沿って簡単に説明します。まず、わが国の景気の現状ですが、一部に弱めの動きもみられますが、緩やかに回復していると判断しました。先行きについては、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられます。次に物価ですが、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、足元は2%台半ばとなっています。先行きは、2024年度に2%台半ばとなった後、25年度および26年度は、概ね2%程度で推移すると予想しています。前回の展望レポートからの比較でみますと、25年度の見通しがいくぶん下振れていますが、これは、このところの原油等、資源価格下落の影響などによるものです。消費者物価の基調的な上昇率は、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想されます。見通し期間後半には、物価安定の目標と概ね整合的な水準で推移すると考えています。次に、リスク要因ですが、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高く、金融・為替市場の動向や、そのわが国経済・物価への影響を十分注視する必要があります。特にこのところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があります。

続いて、今後の金融政策運営です。金融政策運営は、先行きの経済・物価・金融情勢次第ですが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえますと、今回の展望レポートで示した経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになると考えています。そのうえで、米国をはじめとする海外経済の今後の展開や金融資本市場動向を十分注視し、わが国の経済・物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度に及ぼす影響を見極めていく必要があります。日本銀行は、2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく方針です。

なお、今回の会合では、多角的レビューの取りまとめに向けた討議も行いました。次回12月の金融政策決定会合において、引き続き、議論を行ったうえで、内容を取りまとめ、会合後に公表することを考えています。

(問)
一問目が次の利上げについての考え方についてお伺いしたいと思います。次回会合で7月の利上げ決定から5か月ほど経過することになります。次回以降の会合で、経済・物価がオントラックなら、利上げできる環境は十分整うと考えていらっしゃいますか。足元の円安の進行による物価の上振れリスクへの見方も含めてお願い致します。

二問目は米国経済についてお伺いしたいと思います。展望レポートの政策運営のところでも、米国経済に言及しています。米国経済の現状をどう評価し、新大統領の政策が、日本経済、金融政策に及ぼす影響をどのくらいの時間軸で見極めていけるとお考えになりますでしょうか。

(答)
まず当面の政策運営についてですが、先ほどの繰り返しになりますけれども、金融政策運営については、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになると考えています。そのうえで、米国をはじめとする海外経済の今後の展開や金融資本市場の動向を十分注視し、わが国の経済・物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度に及ぼす影響を見極めていく必要があると考えています。見極めに必要な時間や利上げのタイミングについて予断は持っておらず、今後、毎回の決定会合において、その時点で利用可能な各種のデータや情報から、経済・物価の現状評価や見通しをアップデートしながら、政策判断を行っていく方針です。為替相場ですけれども、その水準や評価について具体的なコメントは差し控えたいと思いますが、もちろん経済・物価に大きな影響を与えるものではあります。為替円安の物価への影響を考える際には、先ほど申し上げましたが、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面がある点には、引き続き、留意する必要があると考えております。

米国経済ですけれども、前回会合以降、9月の雇用統計が市場予想を大幅に上回るなど、良好な経済指標がみられています。もっとも、今後の米国経済を巡っては、これまでの利上げが経済・物価に及ぼす影響など、不透明な部分がまだなお大きいと判断しており、その動向を注視していく必要があると考えています。また、アメリカの大統領選挙後の新政権の政策運営、それがわが国に及ぼす影響ですが、これは、他国の政治情勢に関わるものですので、具体的なコメントは差し控えたいと思います。ただ、もとより、先ほど申し上げましたように、米国をはじめとする海外経済の今後の展開や、金融資本市場動向を十分注視し、私どもの経済・物価見通し、リスク、見通し実現の確度に及ぼす影響を見極めていく必要があると考えております。

(問)
二問お伺いします。一点目が現状で追加利上げの判断に時間的余裕があるとお考えかどうか。もし先ほどの回答であえてそう発言されていないのであれば理由も併せてお願いします。

もう一点が政治との関係についてお伺いします。今月上旬に石破首相が追加利上げする環境にないと発言されました。また、衆院選で与党が過半数割れをして政権の枠組みによっては利上げを急ぐべきではないという声が強まる可能性もあると思います。こうした政治側の意向が日銀の政策判断に与える影響について、どのようにお考えか。

(答)
どちらにつきましても私どもの基本的な姿勢は、先ほど申し上げましたように、金融政策運営については、経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて適宜政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくということでございます。これは二問目が先になりますが、特定の政治家のコメントにはコメントしませんけれども、そうしたものがあるとないにかかわらず、今申し上げたようなスタンスで臨みたいというふうに思っております。

そのうえで一番目のご質問ですけれども、こうした判断、基本的な判断については毎回の決定会合で、そこまでに得られたデータ、その他の情報をもとに判断していくということにしたいと思います。

(問)
最近、時間的余裕という言葉を多く使っていらっしゃるように感じるんですけれども、改めて、今どういった理由で時間的余裕がある状況なのかというのと、またその余裕とおっしゃったときに、どのぐらいのスパン、期間で考えていらっしゃるのか、例えば次回の会合までの余裕なのか、それとももっと中長期的なものなのかというのを知りたい方が多いと思いますので教えて頂ければと思います。

また、足元では円安が進んでいまして、輸入物価など「第一の力」による物価上昇というのがまた盛り返してくる可能性があります。円安が物価に及ぼす影響が意識され始めたら、それは追加利上げに動く理由になるということなんでしょうか。

(答)
前半ですけれども、時間的余裕という表現についてですが、やや長くなるかもしれませんが、私どもこの表現を使い始めたのは8月に入って以降だと思います。それで、その理由と致しましては申し上げるまでもないかと思いますが、当時の、特に米国の弱い雇用統計、予想以上に弱かった雇用統計、こうしたものに影響されまして、マーケットが非常に荒い動きになったというようなことを、非常に重要な現象だし今後の日本経済をみる際にも重要なリスクと判断しまして、ある意味他のリスク以上にここについて注意深く検討していかないといけないと、この姿勢を注意深く検討していくという意味で、時間的余裕を持ってみていくという表現で表したところでございます。現状、その以降の動きをみていますと、データが少しずつ改善し、市場も少しずつ安定を取り戻し、更に米国の統計に限りますと、さっき申し上げましたようにここ1か月くらいに出ている統計についてはかなり良いものが続いています。それでもなお、完全に安心できるというところまではいっていないんで、先ほどの展望レポートの最後のところにある文章には、米国経済をはじめとする世界経済の動きという表現を付け加えて、ここのリスクをまだ重視してみてるという姿勢は貫いてはいますけれども、やや行ったり来たりになりますが、リスクの度合いは少しずつ下がってきていますので、もう少しみて今のようないい動きが続けば、普通のリスクと同等のところになる。そういう意味で、このリスクに光を強く当てて、時間的余裕を持ってみていくという表現は不要になるのではないかというふうに考えて、今日も使ってないということでございます。ただ他のリスクは常にあって、それはまた米国について新しいリスクが出てくるかもしれませんし、それについては毎回毎回、普段通り決定会合で判断して、政策判断につなげていくということでございます。

為替レート、円安ですけれども、これの物価等に与える影響については、紋切り型で恐縮ですけれども、円安が起こっている背景にある内外の経済の動きとともに、物価・経済見通しへの影響を精査していきたいというふうに考えております。

(問)
まず一点目ですけれども、9月会合以降の賃金や物価周りのデータについてですけれども、入手したデータでは、この2%の物価目標の持続的・安定的な実現の確度を高めるものが出てきているのかどうか伺えないでしょうか。そういった前提であれば、先ほどお話が出ているように米国経済をはじめ、海外経済にまとわる不確実性、金融市場が安定すれば、次回12月の会合での利上げの可能性も排除されないのかどうか、そこの点を単刀直入に教えてください。

もう一つ金融市場についてはですね、これまで引き続き不安定であるとおっしゃってましたが、徐々に安定はしてきたというような表現をされてましたけれども、円キャリートレードの投機的なポジションも解消されましたが、今後、市場の安定度合いを見極めるうえでは、どの辺を注意してみていくお考えでしょうか。

(答)
まず、賃金と物価ですけれども、ご案内のように賃金は、例えば毎勤統計の一般労働者、所定内賃金の対前年比等でみますと、3%前後ということで、ある種そこだけをみると2%のインフレ目標と整合的な範囲に入ってきているという面があるかと思います。基本的にこれが今後も続いていくかどうか、この[3%]前後の動きが焦点になってくるというふうに思います。それから、物価のところですけれども、私どもが注目していましたのは、例えば賃金が上昇している動きがサービス価格に跳ねてくるかどうかというところですけれども、10月以降の動きについて、先週ですか、[10月の]東京CPIが出て検討したところですけれども、ある程度サービス価格への転嫁の動きが広がっているということは確認できましたが、これが全国でみてもそうか、あるいは今後も一段と広がっていくかというところについては、丁寧にみていきたいと思いますし、ちょっと前になりますが、私どもの支店長会議で支店長からヒアリングしたところでは、中小企業を中心にまだ価格転嫁は容易でないという声も散見されるという状態でしたので、引き続きモニターしていきたいと思います。そういうことを総合して、消費の強弱とか、その他のデータを総合して、毎回の決定会合で政策に関する判断をしていきたいというふうに考えています。

それから、市場の安定性を評価していく際にどういうデータをみていくのかという二番目のご質問ですけれども、これは特定のこのマーケットのこういう指標をみるということを具体的に申し上げるのは適切でないかと思います。つまり、いろいろ不安定な動きになるときにどこが不安定になるかというのは、その時その時で変わり得るものですし、われわれとしては様々な広い指標について、なるべく努力して良い情報を得て、全体をみているというふうに申し上げるしかないかなと思います。

(問)
二点伺います。一点目なんですけれども、現状の利上げの評価、有効性について伺えればと思います。7月末の追加利上げで企業融資ですとか住宅ローン金利への影響の大きい短期プライムレートも上がりました。一方で、預金も金利が段階的に引き上げられまして、地域金融機関では、市場金利を上回る、ちょっと一見すると経済合理性に欠くんではないかという水準でキャンペーン的に集める先も広がってます。資金余剰の金融環境の中で、あとオーバー・バンキングであったり、あと金利形成で最近ネット銀行も全国的に存在感が増してます。今回の利上げ局面でです。金融緩和度合いは、想定通り調整されているのか、今のご認識を伺えればと思います。

もう一点が、冒頭おっしゃられた多角的レビューについてなんですけれども、先日の講演では、レビュー結果に関して政策運営に直ちに影響を与えるものではないとおっしゃられました。一方で、着手を決められた会合後の会見では、ご自身の残りの任期で結果を役立てたいというような問題意識も語られました。改めてですけれども、その多角的レビューの政策運営における位置付けについて伺えればと思います。特に、今出されてる、かなり幅のある中立金利の推計レンジを絞り込んだりですとか、ちょっと踏み込んだ評価のようなものがあるのか、現状の認識を教えて頂ければと思います。

(答)
まず、7月の利上げの影響ですけれども、これは概ね予想通りに近いところの動きになっているかなとみています。市場金利の動き、それから貸出・預金金利がいくぶん上昇しているというようなこと、ただし、もちろんその中に、競争が厳しいところでは、ちょっと動きが大きかったり逆に小さかったり、予想からずれてるところもあるかと思います。それから、そうは言っても、もともとの利上げ幅が15bps程度であったということで、金融機関の貸出態度や企業からみた資金繰り等のところには、強いマイナスの影響が出ているという状態では、全くないかと思います。マインド面にも今のところ大きな影響はみられていないということだと思います。8月の前半にマーケットの混乱はあったわけですが、それがわれわれの金融システムにマイナスの波及効果をもたらしているということも確認できていないというふうにみております。

レビューの方ですけれども、私も申し上げたように、当面の政策運営に直ちに影響を与えるような内容を含んでいるものではございませんけれども、私の在任期間との関連でどうなるか分かりませんけれども、長い目でみて、今後の金融政策のあり方を考えるうえで役に立つ材料は提供できるのかな、というふうに思っております。自然利子率に関する議論ももちろん含まれることになると思いますが、そこに、これまでにお出ししているものに追加的な材料が含まれるかどうかは、ちょっと12月までお待ち頂ければと思います。

(問)
最近の債券相場についてお伺いしたいんですけども、ストック効果とか米国の金利低下に影響されてるのは分かるんですけれども、日銀は今日も言われてましたけど、見通し期間の後半にかけて基調的なインフレ率が2%にいくという見通しを持たれてて、そうなってくると想定される中立金利が大体1%で、生産性の上昇を入れるとそれよりも上で推移するのが普通かと思うんですけども、長期金利がやはり現状1%以下で推移していると。現にいろいろ聞くところによると、やっぱり日銀が言われている景気見通し、物価見通し、正常化のパスに関して市場参加者があまり信じてないような気もするんですけれども、どういう状況になってくれば、市場参加者が日銀の正常化のパスとか、物価の見通しを信じて、それを金利に織り込むようになっていくようなことが考えられるのか、その点をお伺いしたいと思います。

(答)
確かに現状10年金利が1%ないし1%弱というところと、持続的な物価安定が達成されたときのインフレ率は2%というものを比べますと、中立金利の見方次第ですけれども、両者の整合性はどうかという質問はあり得ると思いますが、私どもの見通しにしましても、妙な言い方になりますけれども、中心的な見通しとしてこういうことであるという見通しを24、25、26年度について出しているわけで、例えば24[年度]については、その可能性はかなり高いと思いますけれども、25、26[年度]と先に行くほど100%で当たるというところからは、かなり確度は下になっているということだと思います。マーケットの価格形成はそういうところまでも織り込んでなされていると思いますので、中心的な見通しがどうかという質問だけを投げかければ、そんなに違いはないかもしれないかと、そこも違うかもしれませんが、差はそれほど大きくないかもしれないと思います。しかし、いろいろなリスクシナリオを考えた際に、現状程度の長期金利水準になるということは十分あり得ると思います。両者が収束していくのは、お互いにどちらが先行するか分かりませんが、もう少し先の見通しに関する確度がもう一、二段階上がったときに収束の動きがもう少しみえてくるかなとは思います。

(問)
質問二問あります。やや重なるんですけれども、足元の為替相場、円安にちょっと戻ってきてるっていう部分について、物価上振れリスクの警戒度合いみたいなところはどういうふうにご覧になってるかっていうのが一点です。

もう一点が、個人消費の受け止めなんですけれども、最近は節約志向の強まりも踏まえて、一部の小売企業とかで値下げの動きとかもあろうかと思うんですが、こういったものが経済・物価への影響を考えるうえで気になる動きか否かっていう辺りをお聞かせください。

(答)
円安がもたらす物価上振れリスクについてですけれども、先ほどもちょっとお話ししたんですけれども、問二ですか、幹事社からの。過去と比べますと企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、為替の変動が、この場合円安ですが、物価に及ぼす影響が少し大きくなっているという面には注意しつつ、先ほども別の方の質問でお答えしましたように、円安の背後にある経済の動きと総合して物価への影響をみていくということでございます。

それから消費ですけれども、確かに非耐久財のところをみますと、おっしゃったような理由で、あるいは物価の上昇の影響で弱めの動きが出ていますけれども、それ以外のところは緩やかな増加基調あるいは耐久財については、自動車辺りで下がった後、リバウンドするという動きもみられる中で、全体としては、ごくわずかなプラスの成長率でありますが、緩やかな増加傾向を続けているというふうに現状判断しております。

(問)
総裁、先ほど時間的余裕があるという言葉、リスクが低減することによって必要なくなってきていることをおっしゃっていらっしゃいましたけれども、それに加えて今日の展望レポートでもですね、オントラックという姿がみえてるということは、総裁の中では利上げへの環境は少しずつ、まだ不確実性は高いんですけど整いつつあるというお考えなのか。米国経済についてご覧になっていくということですけれども、大統領選は来週ですが、大統領就任というのは来年1月になると思います。それまで総裁は待たなければいけないというようなお考えを持っているのかどうか、お願い致します。最後にもう一つ、もし仮に12月に利上げをするという判断に至った場合は、総裁最近特にコミュニケーションについておっしゃってると思うんですけれども、通年で言うと、名古屋の金懇であったりですね、12月、年末の講演だったり、総裁あると思うんですけれども、そういった場で発信されていくというお考えはあるんでしょうか。

(答)
まず、ここのところ、私どもが私どもの見通し実現の確度についてどういうふうに判断しているかというご質問だと思いますけれども、これは政策委員一人一人で違うと思いますけれども、今日はそれを総合した結果、今日のところは現状維持でいいという答えになったということだと思います。やや子細に申し上げれば、国内のデータについては、先ほど申し上げましたような賃金・物価の動きは見通し通りのものが一応続いているということかなと思います。これに対して、米国等海外要因については、下振れリスクを重視してみていたわけですけれども、少しその霧が晴れつつあるかなというところでございます。そのうえで、例えばアメリカの大統領がいずれにせよ変わるわけですけれども、その新しい政策がどういうものか判明するのはだいぶ先になるのではないかと、その点をどう考えるのかということだと思いますけれども、当面時間をかけて見極めたいというふうに申し上げていた米国にまつわるリスクは、少し長く取れば6月のどこかくらいから始まった近い将来の米国経済のダウンサイドリスクについての見方ということであるというふうに私どもとしては認識しています。それが少しずつクリアになりつつあるというのが現状で、たださっきも申し上げましたようにそこが当面米国経済、所得も消費も強いというのが続いたとしても、そのうえで、新しい大統領が打ち出してくる政策次第では新たなリスクが出てくるということは申し上げるまでもないですけれども、そこはまた新たなリスクとして各会合で点検していきたいというふうに考えております。

(問)
賃金のことで伺いたかったんですけども、展望レポートの中での賃金の表現が少し強くなっているのかなというふうに思います。それをみたときに、「第一の力」、「第二の力」で言うとその「第二の力」の部分での物価の上振れリスクというのは高まってきているというふうにお考えなのかというのを伺わせてください。

もう一点がさっきからちょっと出てる時間的余裕の部分なんですけれども、今日はあえて使っていないっていうふうにおっしゃったと思うんですけど、今日はあえて使ってないってことでよろしかったんでしょうか。

(答)
賃金のところですけれども、先ほども申し上げましたが、所定内給与でみて概ね3%の対前年比伸び率という姿になってきていますので、これが続けば、私どもの見通しが実現する確度は少しずつ高まっていくということにつながっていくと思います。

それから、二番目の時間的余裕の話ですけれども、これは直前のご質問でもありましたが、6、7月から9月上旬くらいまでに心配されていた米国経済のダウンサイドリスクにまつわるもの、そこのところを見極めるための時間的余裕という意味で使っていますので、これがなくなるとともにこの表現も使わなくなるというふうに考えています。

(問)
総裁、先ほどひと頃よりも市場が安定を取り戻しているというふうにご発言されました。この点について改めてお伺いしたいんですが、これは端的に前回の決定会合のときよりもですね、利上げに向けた環境は改善したととらえてよろしいのかどうか、これについて教えてください。

それからもう一点ですが、その他のリスクも考慮する必要があるという付言もございましたが、米国経済のこと以外でですね、総裁が特にその他のリスクとして重視されている点について教えて頂けますでしょうか。

(答)
まず夏場にみられたような米国経済のダウンサイドリスクは少しずつ低減してきているということは、繰り返し申し上げている通りです。ただ、そこが仮に大きく大丈夫だということになったとしても、様々な他のリスクがございますし、それから基本的には私どもの中心的なベースラインの見通しに限ったとしても、先ほどやり取りがありましたように、そこについて100%自信を持っているわけではないので、その自信の度合いが上がっていくこと、これを確度が上昇するというふうに常日頃申し上げていますが、それが続いて、初めて次の利上げもみえてくるということだと思います。

それでその他のリスクとしてどういうことをみているかという点については、ちょっと長くなりますので、むしろそれこそ、展望レポートの第三節の(1)が経済のリスク要因、(2)が物価のリスク要因ということで、まとめてございますので、私の認識もここに書いてあるようなものでございます。

(問)
先ほどの質問の中で7月の利上げの影響の検証について質問ありました。大きなダウンサイドはなかったという認識を総裁示されたと理解しておりますけれども、次回以降の金利の調整についてはある種会合毎に判断されていくということで、次25bps上がるかどうかは別として、次上げてくると、やはり過去30年ほどなかった水準にだんだん近づいてくるかと思います。次の金利を上げるタイミング、調整していくタイミングでのダウンサイドリスクというのが、7月の利上げを検証したことによって、現状違うものが出てくるのかどうかという点について、現状で総裁どのようにお考えでしょうか。

(答)
次に利上げをした場合に、7月と比べてどういう新たなリスク要因を考えないといけないかというご質問だと思いますけれども、現在の時点でこういう新たな動きが出てくる恐れがあるというふうに頭に思い浮かべてることは特にあるわけではございません。ただ、今ご質問の中にもあったかもしれませんが、これまで申し上げてるように、長い間本格的な利上げの局面がなかったという中では、利上げによって、あるいは利上げが続いていくことによって、思ってもいなかったマイナスの効果が出てくるということも十分考えないといけないので、毎回毎回利上げをしてその影響を確かめつつ、次を考えるという動きを続けざるを得ないというふうには思っております。

(問)
二問お願いします。アメリカ経済のリスクは多少後退したようですが、日本の物価を巡るリスクのバランスとしては、現時点でどういうことになっているのか、また、来年の春闘では、どれぐらい賃上げの水準が実現する確度が高まれば、利上げの環境が整ったとみなすことができるのか、物価についてが一点目です。

二点目は、先週ですか、IMFの講演において、総裁がおっしゃってた点で面白いなと思ったのが、不確実性が高いうちは、金融政策の変更は慎重にゆっくり動きたいんですけれども、あまりゆっくりするという印象を与え過ぎると、低金利が長期間続くことによって、そういう市場の期待によって、投機的なポジションが積み上がってしまう可能性もあると、その両方のバランスが大事なのである、というご発言があったと思います。両者のバランスを考えた際、今の日本の経済やマーケットの環境というのは、どちらをより重視して政策運営、コミュニケーションをとるべきなのか、お考えをお願いします。

(答)
現時点での日本の物価についてのリスクに関するご質問ですけれども、先ほど、途中で展望レポートをご覧くださいと申し上げてしまいましたけれども、もう少し中身に入りますと、最初の方でもお答えしましたけれども、企業の賃金・価格設定行動が、前向きの方向に変わりつつあるというところを、ここ2年前後辿ってきているので、それがこの先更に強まるのか、あるいは、いったんこの辺で打ち止めになるのか、というところに一つ不確実性があるかな、と思っております。関連しますけれども、為替レートの変動や国際商品市況の国内物価への波及というところも、物価の上振れ下振れ要因に当然なり得ますし、その程度は、今の一番目のポイントによっても左右されるということだと思います。それから、来年の春闘に関連して、賃金について、というところですけれども、ご質問はどれくらいになりそうかというご質問でしたでしょうか。

(問)
どれぐらい来年の春闘の結果が強ければ、利上げの環境が整ったという判断ができそうなのか、どれぐらいの期待ができるのかっていうところをお願いします。

(答)
現時点では大した情報がございませんので、あまり具体的なことは申し上げにくいですけれども、今年と広い意味で同じ程度の賃上げ率になっていけば、私どもの目標にとっては良い動きかな、というふうには思いますが、それだけで利上げの判断をするということではもちろんないです。

二番目の不確実性が高いときには、確かにいろいろな政策は注意深く進めるということですが、金融政策においては、そういう期待を過度に作り出すと、場合によっては不健全な投機的ポジションの積み上がりになってしまうリスクもあるということで、その辺のバランスをどう考えるのか、というご質問だと思いますが、これは、今どの辺というふうにお答えするのは難しいですけれども、結局は、私どもの経済・物価見通しと、それから今後の金融政策の考え方、戦略を丁寧に繰り返しご説明していくということに尽きるのかな、というふうに思っております。

(問)
総裁、先ほど米国のリスクは少しずつ下がっているけれども、引き続き注視しなきゃいけないっていうご説明がありました。これ今後はアメリカの大統領選を経てですね、米国のリスクというものが更に下がっていけば、現状、日銀としての物価見通しの通り推移しているもとでは、米国リスクが下がることは、今後の利上げ判断の大きな材料になると、そういうふうにお考えでしょうか。

(答)
大きな材料といいますか、そこが例えば8月くらいの程度のリスクのままですと、なかなか次のステップは難しいかなということではあると思います。ただ、そこはかなり大きく低下したからといって、それで直ちに、ちょっと繰り返しになりますが、次の判断に進めるというわけでもなくて、基本的には私どもの経済・物価見通しが実現していくということについて、どれくらいの自信を持てるかということをいろんなデータから判断していくということに尽きるかと思います。

(問)
今回、展望レポートの中で物価の見通しについては大方前回と変わってないと思うんですけれども、先日の衆院選で自公が過半数割れして政治の先行きに不透明感がある中で、今後の物価についてどの程度影響を与える可能性があるのか、場合によっては、この見通しの実現時期が後ずれする可能性もあるのか。このリスクについて総裁の認識をお聞かせください。

(答)
足元の政治情勢が物価見通しに直接は影響しないと考えています。ただし、何か政策的に大きな動きが打ち出されてきたときには、それが影響する可能性がありますので、それは考慮して見通しを適宜修正していくということにはなると思います。

(問)
先ほど来からの繰り返しで恐縮なんですけども、時間的余裕があるという言葉をですね、今回使わなかったとおっしゃった理由に米国経済のある種のリスクが低減したということの趣旨をおっしゃっているんですけども、なかなかちょっと理解しにくいとか、市場も理解しにくいかなと思うんですが、この時間的余裕があるという表現、今回なくしたことは端的に大雑把に言うと、これは次の利上げに向けてのステップが以前よりも高まったという理解でいいんでしょうか。

(答)
先ほど来申し上げてきたような意味で米国経済に関するある種のリスクに特に注目するということは、将来復活する可能性はゼロではないとは思いますけれども、いったんやめて、普通の金融政策決定のやり方に戻るということでございます。毎回毎回データと情報を点検して判断していくということでございます。

(問)
金利が上がってくるってことが前提として、企業とか家計とかっていうのは金利が出てくる世界に対して備えってのができてきてるかと思うんですけど、政府の部分ということを考えるとどうなのか、先ほどからも政治の影響っていうのが出てきますけど、だんだんと財政拡張的な政策が打ち出されていくと、今後日銀としてはどういうふうになっていくのかということを、お考えをお聞かせ頂けますでしょうか。

(答)
私ども、財政政策については、政府、国会においてお決めになるものですので、コメントを差し控えるということでずっときております。ただし、そういう中でも、中長期的な財政の維持可能性についてきちんと配慮して頂くことは重要であるということはいつも申し上げています。

(問)
人件費上昇分のサービス価格への転嫁状況について伺いたいんですけれども、先ほどお話ありました10月の都区部CPIみますと、例えば一般サービス価格が1.1%上昇ということで前月から比べると0.1%ポイント伸び率縮小するなどしてまして、個別にサービス価格みても、9月と10月であまりこの伸び率が変わっていない項目っていうのも多い印象を受けまして、この人件費の転嫁の動きっていうのが鈍ってるっていう指摘も聞くんですけれども、この見極めのときに表面的な上昇率が示すものよりも、実際にはやはりサービス価格への人件費の転嫁っていうのは着実に進んでるっていうことでいいんでしょうか。

(答)
一つありますのは、昨年10月に上がったものの裏が出ているという項目が若干あって、それが前年比伸び率を今回少し下げてる部分がある。ところがそれ以外のところをみていますと、ある程度着実に上がってきているというふうにみております。ただ、ものすごい加速感が付いて上がってきているというわけでも必ずしもないという辺りかなと思います。

(問)
先ほどもちょっと関連の質問があったんですが、衆院選を経てですね、政権の枠組みはですね、今後の政府の政策がどうなるかという見通しが不透明な状況が当面続きそうになっています。こうした中でですね、こうした政局の不安定化そのものが、今後の日銀の政策判断にどのような影響を及ぼすのか、あるいはそういうものは影響を及ぼさないのか、その辺り総裁としてどういうふうにお考えになっているか伺えますでしょうか。

(答)
これについては私ども金融政策としましては、何回も申し上げましたが経済・物価見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き金融緩和度合いを調整していくという基本的な姿勢を繰り返しご説明し、それを堅持していくということが大事かなというふうに思っております。

(問)
総裁が学者時代ですね、ご著書で出口論についてこう書かれてます。着手してから比較的速やかにはっきりとプラスの金利に持っていくのが自然と思われると。これと比べるとですね、現実は非常に利上げのペースが遅過ぎるというふうに思うんですが、現実と理論と変わったんでしょうか。先ほどからアメリカ経済のダウンサイドリスクとかですね、大統領選後のリスクとかおっしゃってるわけですけど、もしそういうことをおっしゃるんであれば、昨年やってればもっとずっと楽に利上げできていたのに、なぜ昨年やらなかったのか、昨年手付かずだったということについて、反省のようなものはないでしょうか。

(答)
2%の持続的・安定的なインフレ率を達成するという目標から照らしますと、昨年中に本格的な出口に向かうというオプションはやはりなかったのではないかなと今でも考えております。そのうえで今年になって、大規模緩和の終了を3月にしたわけですけれども、その後もある意味では、基調的インフレ率の上昇はゆっくりですので、利上げのペースも結果的にゆっくりでございます。それはある種の理論的な立場からすると、ちょっと変わった現象というふうにみられるかもしれませんが、そういうふうに進めてきたことによって、今年の8月のような波乱は一応ありましたけれども、概ね全体としては、私どもの出口に進む動きの中で、大きな波乱はなしに来れた面があるかなというふうには思っております。

(問)
今回の展望レポートの最後の部分の金融政策運営の文章に加わった、7月になかった新たな文章の部分ですけども、これは今のところ市場のファーストリアクションとしてはどちらかというと、物価目標実現の確度が下がる下振れリスクについて注意を喚起したって文章だという解釈をされているようですけども、逆にその確度が高まる上振れリスク、例えばアメリカの新政権の政策運営次第ではインフレ的あるいは金利に上げ圧力がかかって円安になって、結果的に日本の物価に上げ圧力が加わる、結果的に確度が高まるような上振れリスクもあり得ると思うんですが、そういったリスクも留意するという含意があってそれを加えているんでしょうか。その辺りはいかがでしょうか。

(答)
ちょっと難しいところですけれども、7月と比べますとおっしゃったような含意もあるかもしれませんが、むしろもっと直近の9月ぐらいに私どもが申し上げていたことからしますと、ここの米国をはじめとするというリスクをもっと強く申し上げていたわけで、それと比べて少しリスクの評価、弱めになってるけれどもちょっと残っているという感じを出せればなという文章でございます。

(問)
先ほど来、衆院選に絡んだご質問はいくつも出ているんですけども、ちょっと改めて伺いたいんですけれども、この状況ですとね、どなたが首相になっても、少数与党になるし、与野党は伯仲しますとね、次の選挙を見込んでばら撒き政策になってくるというのは、かなり必然的な要素が持ってると思いますね。それは例えば今大統領選でですね、トランプがチップ課税を廃止するといったならば、即座にハリスが追随したような動きが日本でも起こり得るような状況、これは出てくるんだろうと思うんですけれども、ということはですね、過剰な財政支出が起こる中で、日銀はどのような政策が採れるのか。それを政治的に求めているものを無にするようなことをしてでも経済的な安定を維持することができる体制に、今、日銀はあるのかどうか。経済判断については、植田さん、先ほどの質問にもありましたけれども、非常に慎重であるというのは市場の受け止め方だと思いますけれども、政治的な政策に対しても慎重な行動をとられるんでしょうか。

(答)
現下の政治情勢のもとで、どういう政策が出てくるかということについてはコメントは差し控えさせて頂きますけれども、何か具体的に大きな動きとなってきた場合には、先ほども申し上げましたが、それは私どもの見通しに反映させるということになってくるというふうに思います。

(問)
永田町の一部で積極財政と金融緩和による高圧経済、ハイプレッシャー・エコノミーを提唱する動きがありますけれども、市場でも関心を集めているかと思います。植田総裁、個々の主張にはコメントされないということかと思いますが、現状認識としてですね、今の政府・日銀が推し進めている経済政策・金融政策というのは、いわゆる高圧経済にあたるというご認識でしょうか。また、今の日本経済の状況に照らし合わせて、高圧経済と言われる政策を推し進めることのコストとベネフィットをどういうふうに整理してらっしゃるか、一般論でも結構なんですけども、お聞かせ頂けますでしょうか。

(答)
過去ちょっと長い期間を取ってみれば、拡張的な財政政策、緩和的な金融政策という組み合わせできた、ということは否定できないと思います。そのうえで、私どもとしては、繰り返し申し上げていますが、2%のインフレ目標を持続的・安定的に達成するという観点から、金融政策を運営してまいります。

(問)
度々で恐縮なんですけども、時間的余裕という考え方についてお伺いします。日銀は、見通し期間後半ですね、25年度の後半以降だと思うんですけれども、2%の物価安定目標が実現する可能性があるということで、金利を調整するということだと思うんですけれども。通常考えればですね、その目標の期間が近づけば、どんどん時間的な余裕がなくなってくると思うんですが、11月以降ですね、例えば大統領選を巡る、先ほど総裁が言及されたように、通常とは異なるリスクが、見通しの不透明感が出てきても、なお時間的余裕が、11月以降ですね、あると言える状況なのか、それとも、見通し期間が近づいてくるので、以前と違って時間的余裕がないのか、その点についての考え方を教えてください。

(答)
先ほど申し上げましたが、時間的余裕という表現は、今後使わないことになるかと思います。毎回の会合までに入ってきた情報やデータに基づいて判断していくということですし、その中で、見通し実現の確度が上がっていけば、適宜政策の調整につながっていくということになります。

(問)
春闘についてお伺いします。先頃、連合は基本構想として2025年の春闘で5%以上と、昨年と同じ水準の目標を示しました。昨年が5.1%の賃上げを実現したことと、足元の物価を考えると抑えた目標とも言えるかと思うんですけれども、中長期、巡航軌道として2%の物価目標が実現するという前提をもとに巡航軌道を描いているということです。政府・日銀が掲げる物価目標が、賃金の一つの、決める大きな要素である春闘でも前提とされたことについて総裁どう受け止めますか。

(答)
以前より私はあまり使ったことはないかとは思いますが、物価や賃金が上がらないというノルムが社会の中に形成されて、それがインフレ率が上がることを難しくしてきたということがあったかと思います。おっしゃったように春闘の中で、2%という私どもの目標が一つのメルクマールとして使われるということになれば、そうしたノルムみたいなものが変わりつつあるということとも言えまして、2%の[物価安定の]目標が持続的になるという状態に一歩近づくのかなというふうに判断致します。

(問)
日銀が保有するETFの処分についてお伺いします。総裁が3月に時間をかけて検討したいと話してから半年以上が経過しております。検討している段階だと思うんですけれども、何が課題となっているのか、いつまでに結論を出すのか、見通しについて教えてください。

(答)
これは申し訳ありません。現状まだ検討中でありまして、今後の取り扱いについて、もう少しお時間を頂きたいというふうに考えております。

以上