総裁記者会見 2025年3月19日(水)午後3時30分から約65分
2025年3月21日
日本銀行
(問)
本日の金融政策決定会合の内容について、総裁、ご説明をお願い致します。
(答)
今日の会合では、無担保コールレート・オーバーナイト物を0.5%[程度]で推移するよう促すという調節方針を維持することを全員一致で決定しました。
次に、経済・物価動向ですが、わが国の景気の現状については、一部に弱めの動きもみられるが、緩やかに回復していると判断しました。先行きですが、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると考えられます。物価ですが、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続くもとで、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小もあって、足元は3%台前半となっています。先行きの消費者物価については、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、その基調的な上昇率は、人手不足感が高まるもと、マクロ的な需給ギャップの改善に加え、賃金と物価の好循環が引き続き強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想されます。展望レポートの見通し期間後半には、物価安定の目標と概ね整合的な水準で推移すると考えています。リスク要因ですが、各国の通商政策等の動きや、その影響を受けた海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金・価格設定行動など、わが国経済・物価を巡る不確実性は引き続き高く、金融・為替市場の動向やそのわが国経済・物価への影響を十分注視する必要があります。特にこのところ、企業の賃金・価格設定行動が積極化するもとで、過去と比べると、為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている面があると考えています。
今後の金融政策運営ですが、先行きの経済・物価・金融情勢次第ですが、現在の実質金利がきわめて低い水準にあることを踏まえますと、以上のような経済・物価見通しが実現していくとすれば、それに応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになると考えています。日本銀行は、2%の物価安定の目標のもとで、その持続的・安定的な実現という観点から、経済・物価・金融情勢に応じて適切に金融政策を運営していく方針です。
(問)
今春闘の賃上げの受け止めについて伺います。3月12日の集中回答日などを経て、大企業を中心に大幅な賃上げを行う発表が相次ぎ、具体的な水準も出てきましたが、この水準が今後の金融政策運営にどのような影響を与えるものとお考えでしょうか、お聞かせください。
(答)
先週ですか、明らかになりました連合の第一次集計結果では、春季労使交渉における賃上げ率は5.46%と、昨年に引き続き高水準となりました。また、集計結果では、大企業だけでなく、相対的に規模が小さい企業でも、高めの賃上げ率が実現しており、賃上げの動きが広がってきていることも窺われます。今回公表された結果は、1月会合時点での見通しに概ね沿ったものと評価しています。もちろん、中小企業の中には、これから本格的な賃上げ交渉を行う先も少なくなく、今後とも賃金動向については丁寧に確認していく必要があります。また、言うまでもないことですが、金融政策運営においては賃金動向に限らず、幅広く経済・物価・金融情勢を点検し、わが国の経済・物価の見通しやリスク、見通し実現の確度に及ぼす影響を見極めていくことが重要と考えています。
(問)
足元の物価動向についてお伺い致します。直近で公表されている1月の消費者物価指数であったり、2月の企業物価指数は高い伸びが続いている状況ですが、1月の展望レポートで示した物価見通しや基調的物価の想定の範囲の動きととらえているのでしょうか、総裁の見解をお聞かせください。
(答)
ご指摘頂いた通り、1月の例えば生鮮食品を除く消費者物価の前年比は3.2%と伸び率をやや高めています。また、国内企業物価の前年比も4%程度の伸びとなっています。こうしたことが国民生活にマイナスの影響を与えていることは十分に認識しております。こうした物価動向、特に最近の消費者物価の前年比には、政府によるエネルギー負担緩和策の縮小に加え、米価格の上昇が影響しています。米を含む食料品などの価格上昇は、それ自体は天候要因等を背景とするものだとしましても、家計のマインドや予想物価上昇率の変化を介して基調的な物価上昇率に二次的な影響を及ぼし得る点は認識しておく必要があると考えています。そのうえでですが、現時点では、こうした点を踏まえても、基調的な物価上昇率については、徐々に高まってきていますが、なお2%を下回っているという認識に変わりはありません。日本銀行としては引き続き、各種の物価指標のほか、物価変動の背後にあるマクロ的な需給ギャップや、予想物価上昇率、賃金上昇率など、経済・物価に関する様々な情報を丁寧にみたうえで、物価情勢を評価してまいりたいと考えています。
(問)
今回の声明文でですね、リスク要因について、各国の通商政策等の動きやその影響を受けた海外経済、物価動向と通商政策について指摘されてますけども、これはトランプ米政権の高関税政策を念頭に置いたものだということだと思いますけども、既にトランプ米政権ですね、3月12日にですね、アルミと鉄鋼の関税発動しまして、今後の4月に入ればですね、相互関税というものとですね、あと自動車への追加関税、これ両方日本経済への影響大きいかと思いますが、そういったものが発動される可能性が出ています。関税を巡るですね、不確実性が今後一段と高まっていく可能性が出ていますが、そうした場合はですね、日銀は利上げを急がずに慎重に見極めるというスタンスをとるのでしょうか、というのがまず一点です。
あと、足元の金融政策運営とちょっと離れるんですけども、ちょうど1年前のですね、この日3月19日にマイナス金利政策をはじめとしてですね、大規模金融緩和を解除しました。その後、昨年7月と今年1月と追加利上げを2回して、国債の買入れの減額っていうのも着手しましたけども、国債市場の機能度の回復をはじめですね、ここまでの金融政策の正常化の取り組みを振り返ってどう評価しているのかというのと保有国債のサイズをですね、適正に戻していくっていうのは、時間を要するかと思いますけども、またETFの処分というのは今後大きな課題ですけども、今後も続く正常化のプロセスについて、どういうことについて考慮して取り組んでいくのか伺えないでしょうか。
(答)
一点目は特に米国の通商政策と私どもの政策というご質問だったと思いますが、ご案内のように、ここひと月くらいですか、割と急速にアメリカの関税政策、関税の及ぶ範囲とか、決定のスピードのようなものが急速に広がったり、上昇していると感じていますし、それにもかかわらず、まだおっしゃったように、4月にならないと分からない、あるいはその後もいろいろ不確実性が続くということで不確定なところは非常に大きいというふうに思っています。いずれにせよ、こうしたまず通商政策がどういう姿になるかということを見極め、それから、それがまず、アメリカ経済、世界経済に及ぼす影響、そしてそれを通じて、あるいはより直接に貿易のルートを通じて日本経済に及ぼす影響もありますが、これらを見極めたうえで、わが国の、通常の言い方になって恐縮ですが、インフレ・経済見通しにどういう影響を及ぼすかということを精査して、政策を決めていくというスタンスに変わりはございません。
それから、二点目は、ちょっと幅広いご質問で、バランスシート縮小政策のこれまでと今後ということでしょうか。
(問)
異次元緩和と呼ばれた大規模緩和を解除してちょうど1年になりますけども、この間2回の利上げと国債購入減額計画も着手しましたけども、金融政策の正常化は着実に進んでいると評価されてるのか。これまでの振り返りを伺いたいっていうのと、あと、その後伺ったのが、バランスシートの縮小政策とか、あとETFの処分とか、今後も正常化の取り組みが続くと思いますが、どういった点について留意して取り組むのかっていうことを伺えるでしょうか。
(答)
政策全般としましては、ここ1年間いろいろなことがありましたが、まとめて申し上げれば、少しずつ基調的物価上昇率が2%に収束するという確度が高まるもとで、それに応じた適切な緩和度合いの調整を進めることができたというふうに考えていますし、国債買入れの減額も予定通り進んでいるというところだと思います。今後につきましては、国債買入れ減額については、これも予定されてる通りですが、6月に中間評価を行う予定ですので、そこで市場の機能度の回復度合いを含めて、これまでの経験を振り返り、適切な評価をして、基本線は去年進めた計画に沿っていくということですけれども、必要があれば修正をしたうえで、先に進みたいと考えています。ETFについては、もう少し時間を頂いて適切な処分の方法を引き続き考えたいと思っております。
(問)
一点目は春闘を含めて国内の賃金・物価情勢は順調な動きを続ける一方で、海外経済は先行き不透明感が増している状況ということだと現状は思います。こうした内外情勢を踏まえて、現状は国内要因による物価上振れリスクと、海外要因による下振れリスクのどちらをより重視する、もしくは懸念する局面とお考えでしょうか。1月の展望レポートで示した消費者物価の上振れリスク、これについて現状は低下しているのかそれともリスクは変わらないとお考えなのか、総裁のお考えをお願いします、ということが一点目です。
二点目は、基調的な物価上昇率についてお伺いします。見通し期間後半にはですね、物価目標の2%程度と整合的な数字になるという認識を示しておられると思いますが、一方で、基調的な物価上昇率を具体的に示すということについてはなかなか難しいというお立場だと思います。現状のままですと、2%に達したときに、基調的な物価上昇率は2%に達しましたと宣言しても、なかなか恣意的と受け止められる可能性もあると思うんですけども、そのうえで総裁は今、基調的な物価上昇率が大体どのくらいなのか、2%に達してないということですけど、大体のイメージを教えて頂きたいということと、今後、より基調的な物価上昇率を精緻化といいますか収斂させていく、そういうお考えはあるのか、その点についてお伺いします。
(答)
前半ですけれども、当然のことながら、国内の物価・賃金のある種好循環の継続の状況と、ここにきて重要性を増している海外発の様々な不確実性の両方をみて、両方を今後の経済・物価見通しに、あるいはそのリスクに的確に反映させて政策を決めていくということだと思います。どちらの側面を重視しているのかというご質問だったと思いますが、特に後者の海外発の不確実性のところは、先ほども申し上げましたが、ここにきて急速に高まっているという側面と、まだ今後明らかになる政策内容によってどういうことになるかという部分がかなり大きく振れるということですので、定量的にうまく把握できるという段階では必ずしもないように思います。ただし、4月の初めにはある程度のところが出てくるかもしれないという状況ですので、次回の決定会合ないし展望レポートがありますが、そういう中ではある程度消化できるかなと思っています。それと、回り続けている賃金・物価の好循環、これは先ほど、概ねオントラックと申し上げましたけれども、特に先週の春闘の一次集計は、オントラックの中でもやや強めであったとみていますし、今日の決定会合でも一部の委員からは、物価の上振れリスクについても引き続き注意したいという発言もあったりしましたので、それも意識しながら次回会合以降、両方の側面を的確に見極めて判断を続けていきたいと思っています。
それから、基調的物価上昇率について依然としてよく分からないなということでございますけれども、これは私どもも、ここはもう少し明確に示せればいいなという問題意識は当然ずっと持っておりまして、様々な指標を繰り返しみたり、あるいは新しい指標を開発してこれまでのものと比べたりしております。ただ残念ながら、これを出せば皆さんにご納得頂けるとか、われわれ自身もそれだけで政策を決められるというような、非常に素晴らしいものが見つかったという段階では必ずしもないというところでございます。そのうえで引き続き努力を続けて、もう少し絞ることができれば、それは適宜公表していくことを検討したいとは思いますが、まだその少し手前の段階にあるかなと感じています。あとは、私がどれくらいとみているかということでしたでしょうか。1%以上、2%は下回るという中にはいるというふうに思っております。
(問)
トランプ大統領が日本に対して円安誘導を批判するような発言をしました。為替操作があれば関税で対抗するというようなことも言っています。これ日銀が金利を上げて円を強くしないと関税をかけるぞと言っているようにも聞こえるんですが、植田総裁はこの発言に対してどう受け止めてですね、もし名指しされた場合とかにですね、どう対応なさるおつもりなのかというのを教えて頂きたいのが一点です。
また先ほど不確実性についてのお話ありましたけれども、これやはり1月に利上げをしたときよりも、利上げをするにはなかなか難しい状況になってきているとみていらっしゃるのかどうか、こちらもお願い致します。
(答)
トランプ大統領の発言そのものに対してはノーコメントでございます。いずれにせよ、いつもの言い方で申し訳ありませんが、私どもの経済・物価見通しにのっとって政策を実行していくということでございます。
それから、1月と比べてということですが、申し上げてますように世界経済を巡る不確実性は増しているというふうに思っています。ただ、国内の賃金・物価の循環も順調に進んでいると思いますので、先ほどのご質問と重なりますけれども、両方合わせて今後の見通しをより的確に作っていき、それに応じて政策をしていくということでございます。
(問)
大きく二点お聞きします。まず一点目が中立金利についてなんですけれども、金融政策の正常化に踏み出して1年経ってこの間もいろいろと伺いましたが、この中立金利の総裁のご認識と到達時点の関係で、ちょっとおっしゃっていることがよく分からない部分がありまして、具体的には中立金利の水準は絞りきれないんだけれども、その近辺に到達する時期はある程度明言されているということで、到達時期は展望レポートの見通し期間の後半で、遅くとも26年度後半とのイメージかと思うんですけれども、仮に日銀が公表する推計値の上限辺りに実際の中立金利が振り返った場合にあった場合に、今の利上げペースですとか上げ幅だと、間に合わない感じもするんですが、この日銀の見通し通りに経済・物価が推移していく中で、中立金利に近づく手応えがあまりない場合は、利上げのペースですとかを上げていく考えがあるのか、伺えればと思います。あと関連してなんですけれども、総裁が以前審議委員でいらっしゃったときに中立金利の水準感についてより踏み込んでおっしゃってる記録があるんですけれども、具体的にはインフレ率に潜在成長率を足し合わせた水準で、2%の物価目標と整合的であれば今で言うと2.5%前後かと思うんですが、今申し上げた中立金利の感覚っていうのは、今の経済・物価情勢では通用しないものなのか、伺えればと思います。
あと今回、金融機構局の出席、全会合で出席されるというふうに委員からもあったんですけれども、出席されたのかどうか、出席された場合はその全会合出る理由を教えて頂ければと思います。
(答)
中立金利ですけれども、依然として一応いろいろな推計をしていますが、なかなか絞りきれていないという点は変わっていません。そうした中で私どもの進め方としては、金利を何回か上げてきているわけですが、それによって経済・物価にどういう動きが出るかというのを確かめつつ、その反応をみながら、中立金利のあるべき場所もできれば絞りつつ、その後の適切な政策につなげていければな、というふうに考えております。それから、より具体的に中立金利を計算するときに、インフレ率+潜在成長率というような計算式はどうなのかというご質問だったと思いますが、これは名目の中立金利を普通計算するときに、インフレ率+実質の中立金利というふうにやるわけですが、それでその実質の中立金利に、推計値に幅があるということは、一つは潜在成長率の見方にも幅があるということでしょうし、また経済は潜在成長のパスに沿って推移するとしても、そのもとで金利がどういうレベルにあるかということについても、見方が少し分かれているということを反映しているかなというふうに思っています。
それから、決定会合への金融機構局の出席ですけれども、これは少なくとも二つ意味がありまして、一つは金利をここまで上げてきているわけですが、そうした中で一つみていかなくてはいけないのは、金融システムにどういう影響が出ているか出ていないかというところであるかと思います。そこについてよりきめ細かい分析や議論を行うために、[金融]機構局の幹部にも出席してもらうということですし、また金融政策というマクロの議論を彼らに聞いてもらうことによって、金融機関との考査あるいはオフサイトでのモニタリング等の場でより充実した活動をしてもらえるのではないか、という期待もございます。
(問)
一点、不確実性についてなんですけれども、アメリカとか海外経済の不確実性がやっぱり完全に晴れるということはこの先ないと思うんですが、不確実性が高いので待つということで、政策対応が後手に回るリスクというのもあると思います。先ほど国内と海外のバランスっていうのがありましたけれども、例えば海外の不確実性が高くても、国内経済への影響が限られると判断もしくは国内経済が堅調であれば、利上げを続けるという理解でよろしいでしょうかというのが一点です。
もう一つが声明文に通商政策等の動きについてリスク要因として今回書き込みましたけれども、もう少し具体的にどういった動きがあればどういうリスクが生じるのか、上振れ、下振れ双方あると思いますけれども、具体的に教えて頂ければと思います。
(答)
両方関連してると思いますけれども、後者からお答えしますと、例えば、関税がかかるというときに、直接それが貿易を通じて、経済、つまり生産量やインフレ、物価にどう影響があるかというメカニズムもありますし、関税がかかること、あるいはかかるかもしれないというようなことが、マインドやコンフィデンスに影響を与えて、それが市場に影響を与えたり、あるいはマインド、企業・家計のコンフィデンスを通じて直接支出に影響を与えるというルートもあるかなと思います。これらを総合してみていくということになるかと思います。その中で経済・物価が総合してどういう影響を受けるかということは、かなり先にならないと分からないと思います。政策がどう動くかとか、マインドの変化という辺りは、ある程度早めに分かる部分もありますので、それからその先の姿はどうなるかということは、ある程度見通しがつく面もあると思いますので、手遅れにならないように、そこは配慮して進めていきたいというふうに考えています。
(問)
一問目が長期金利の足元の上昇について、要因と受け止めを教えてください。例外的な状況では長期金利を抑えにいくということもおっしゃってますけども、今、日銀が普通の金融政策に戻った中で再び債券市場に介入していくっていうことも弊害もあると思います。その例外的にいくということの意味づけというかですね、その辺りの弊害も含めてどのように考えているかということを教えてください。
もう一個が物価についてなんですけども、先ほどからちょっと出てますけども、足元の米価格とか食料品の上昇が、現時点においては基調的な物価に与える影響はないというふうにお考えなのでしょうか。足元の物価高に金融政策で対応すべきではないと、むしろデメリットが大きいと判断されたということだと思うんですけども、その理由も教えて頂ければというふうに思います。
(答)
長期金利ですけれども、ごく短期の動向についてはコメントを差し控えたいと思いますけれども、ここ暫く上昇の傾向にあるという点については、国会でも申し上げたかと思いますけれども、例えば1月から最近にかけてのインフレ率に関するデータ、あるいはGDPデータ、あるいは直近の賃金に関する動き、これらのデータ、更に海外、例えばドイツの金利の上昇、こうした動きに反応しているというのが市場での見方というふうに理解しております。それも含めて、長期金利は市場で形成されるというものであると考えていますが、そうした通常の価格形成とは異なるかたちで急激に金利が急上昇するというような例外的なケースでは、市場における安定的な価格形成を促すという観点から、機動的なオペをやるということもあり得るということを去年の7月に決めたところでございます。現状はそうした状況ではないっていうふうに考えていますが、こうしたこともあり得るという観点から市場動向を注視していきたいというふうに思っております。
それから、物価については、食品価格の上昇についてということだったと思いますが、これは普通は、抽象的に言えば一時的なサプライショックであるというふうにみるものだと思いますけれども、米価格の上昇、若干長引いてますし、インフレ期待、消費者マインドに対する影響等を通じて、何らかのかたちで基調的な物価に影響を与えるという可能性もゼロではないので、そこはみていきたいと思います。また、米や生鮮食品の価格上昇に金融政策でという部分もご質問にあったかと思いますが、そこは直接影響する手段を持っているわけではないので、無理にでもそうしたモノの価格を下げるということになれば、景気全体を冷やして、食品に対する需要を冷やして価格をというメカニズムが考えられるわけですが、それはあまりにコストが大きいということだと思います。
(問)
二問あるんですが、一問目は、民間予測では1から3月のGDPはマイナスか、せいぜい成長でも横ばいという見通しが民間では多いんですが、かつ生産・輸出もさえないと、関税政策を巡ってアメリカの経済の先行きを懸念してマーケットも動揺している中で、日本経済がオントラックと本当に言えるのか、景気側の加速感がみられない中で利上げを継続するということがあり得るのかというのが一点目です。
二点目は長期金利の上昇が日本経済に与える影響なんですが、政策金利、短期金利でみるとまだまだ実質金利マイナスですが、長期金利がかなりのペースで上昇した結果、長期でみた実質金利のマイナスは縮小していると思います。この緩和度合いの縮小をどう考え、これが短期政策金利を中心とした日銀の今後の金融政策の決定にどう影響を及ぼすのか、この点お願いします。
(答)
まず、第一四半期のGDPですけれども、例えば、日銀が発表している消費活動指数もちょっと弱いわけですけれども、ここには特殊要因、例えば中国の春節が今年、例年と違うところにきて、それでインバウンドが1月にたくさん旅行者が入ってきたと、その分を引き過ぎてる面があって、これは2月に回復するのではないかというようなテクニカルな話もみていたりしますので、ちょっとそうした統計から予想されるほど悲観的には今のところみていないということでございます。それから、いずれにせよ物価・経済見通し次第で今後の金融政策を考えていくということですので、どちらかと言えば物価見通しですけれども、経済が非常に悪いというときに無理して利上げをするということにはならないと思います。
それから長期の名目金利が上がってる中で、実質金利も少しずつマイナス幅を縮めている、ゼロに近づいているということをどう考えるかというご質問だったと思いますが、私どもの見方としては、経済活動に特に大きめの影響があるのは、短期から中期ゾーンの金利というふうにみております。ここはまだかなりのマイナスのところにあるということで、イールドカーブ全体としては経済活動をサポートするレベルにあるというふうにみております。
(問)
一つ目が米の価格の上昇なんですけれども、普段買うものが値上がりすることで消費を冷やす恐れもある一方で、先々の物価観を高める可能性も両面あるのかなと。経済・物価にとって上下両面あるのかなと思うんですけども、総裁、そのリスクは、米の価格に関しては、上方向、下方向どういうふうにお考えでしょうかというのが一つです。
それから、基調的物価を重要視してるというのはよく分かるんですけども、一方で米が上がったりしてる中で、CPIはもう3年近く2%をずっと超え続けていて、いわゆる後手に回ってしまってるという、ビハインド・ザ・カーブのリスクはない、今のところはないということをこれまでも説明されてたと思うんですが、そのお考えは変わりないでしょうか。
(答)
米の価格ですけれども、水準について、どういう姿になるかというのは難しいですけれども、インフレ率という意味では下がっていくのではないかというふうにみています。そのうえで、消費への影響ですけれども、確かに食料周り、あるいは非耐久財消費は弱めにはっきり推移していますけれども、そこの価格上昇が、その他の項目、サービスとか、耐久財消費に強いマイナスの影響が及んでいるという段階ではないようにみています。
それから、消費者物価総合でみれば、もう2%を長い期間超えているというのはおっしゃる通りで、これの国民生活へのマイナスの影響については、強く意識しております。ただ、私どもが目標としてますのが、2%の目標を持続的に実現しようということですので、その点からみますと、先ほど来出ていますように、基調的な物価の上昇率がまだ2[%]をちょっと下回っているとみられることとか、もう少しそれを分かりやすく申し上げれば、ちょっとあの不正確な表現にはなりますが、サービス価格の上昇はそれほど強いものではない、という辺り等から判断しまして、普通の意味でのビハインド・ザ・カーブになるっていうリスクはそれほど高くないのではないかというふうに今みております。
(問)
今後の利上げに関することですけれども、市場がですね、荒れている場合は利上げをしないという考え方が今後に関しても続いていくことになるのか、あるいは少々荒れていても、利上げをし得るということなのか、この点についてまず教えてください。
それから二点目ですけれども、最近も地域金融機関の再編に関する報道がありましたけれども、日本銀行が利上げを継続していく場合、地域金融機関の再編が促されるのではないかという見方が市中にはあるようです。この点について総裁はどんなふうに考えていらっしゃるのか、お考えをお知らせください。
(答)
市場の不安定性と金融政策というご質問だったと思いますが、確かに去年の8月、9月頃には米国の景気[後退]懸念から市場が大きく荒れたという中で、これが収まるまではということを申し上げました。ただ、それは例外的に荒れたという認識で、その後そういうことを私ども申し上げてはいないと思います。ですので、現在はそういう状況ではないと考えてますし、また一般論としては、そこは程度問題かなというふうに思います。
それから、地域銀行の統合の問題と金融政策の関係ですけれども、これはやはり地域銀行同士が合併等、統合の動きをするということは、各銀行の判断でなされることで、そこに金融政策で影響を与えようという意図を私どもは持ったりはしないということでございます。
(問)
消費のことで一点お伺いしたいんですけども、所得環境からみれば、確かに消費は下支えされるかと思うんですけれども、節約志向があったり、マインドのところも最近ですと数か月連続で悪化してます。日銀の方にお伺いすると、消費ってそんなに大きく伸びるものでもないし、大きく下がるものでもないっていう見方を現状持ってらっしゃると思うんですけども、その一つの見方として、潜在成長率が0.5%ということを前提にすれば、それぐらいの消費、四半期でみると0.1%ぐらいの消費で十分というか、現状には合ってるというような見方でよろしいのかどうかお伺いしたいんですけど、よろしくお願いします。
(答)
仮に潜在成長率を0.5[%]とみたとしますと、長期平均では消費の伸び率もその近辺に来るということだと思いますけれども、それはそれとしまして、短期、中期では、例えば今後予想されますように、賃金のしっかりした伸びが続いて、インフレ率も、特に短期的に上昇してるところは収まってくるという中で、実質賃金が回復してくるということであれば、もう少し強い伸びが出ても不思議はないというふうにはみております。
(問)
今後追加利上げをするうえで、もちろん前提として海外経済の不確実性がある程度晴れて見通せる状況になっていたとして、国内経済の条件といいますか、今、足元では春闘で高い賃上げが見通せていて物価も高い水準で推移していると思うんですけれども、他に注視しておきたい、確認しておきたいデータは何かございますか。
(答)
それは、これまでと基本的には同じかなと思っております。つまり、取りあえず春闘の一次集計は見通しの中の強めのところに落ち着き、先週発表の分は、であったわけですけれども、これが今後どれくらいの広がりをみせていくかというところが一点かなと思っています。それから、いつも申し上げていることですが、こうした賃金の強い姿が、価格にどれくらい転嫁されていくか、その際に今直前に出ました消費の動きの強さというようなことが関係してくるとは思いますけれども、そうしたところをまずみていくということになると思います。
(問)
今の質問に関連してなんですが、特に春闘の動きの波及という点について少しお伺いしたいんですけれども、今は大企業中心に出ておりまして、中小企業もある程度の集計が出てきていますが、中小についてはこれから更に、例えば春闘の枠組みでないところの賃上げですとか、零細企業なんかでもそういったことが言えるかと思います。それをある程度判断してみていく際に、例えば次回会合、4、5月の会合ぐらいまでみれば間に合うのか、もう少し先までみる必要があるのか、そういったどの程度の分析をしていくのかということについて教えてください。
(答)
これは去年も申し上げたと思いますが、中小企業を全部みようとすると、仮に毎勤統計に出るとしましても、だいぶ先までみないといけないということなんで、それはやはり程度問題かなと思います。ある程度みたところで賃金は大丈夫だと判断するのかどうかという問題もありますし、その他の物価や賃金に関する情報が強いかどうかということとの総体でもあるかなというふうに思います。
(問)
先ほど質問のあった米の価格上昇がインフレ期待に与える影響についてもう少し詳しく伺いたいんですけれども、やはり日本の食卓を代表する米などで全体的なインフレ期待を切り上げるんじゃないかという見方がある中で、総裁がおっしゃった通り、コストプッシュのインフレ率が下がっていたとしても、家計のマインドとか予想物価自体はある種上振れて、これが利上げのペースを早める要因になり得るリスクっていうのは、現状総裁、どれぐらいみていらっしゃるか、この点お願いします。
(答)
家計の予想物価上昇率は割としょっちゅう購入するモノ、特に食品あるいはエネルギーとか、これによって強く影響されるっていうのは、昔からいろんな国で報告されてまして、従って特に短期の家計の予想インフレ率は、食品が上がると割とすぐ上がるというパターンはあるかと思います。ただ、これは家計であっても中長期のインフレ予想とか、そういうものに広がりを持つことがあるとしますと、場合によってはちょっと遠い先の話かもしれませんが、耐久消費財の購入が早まるとか、幅広い影響を持つ可能性もありますし、そういう意味での広がりがあるかどうかという点は注視していきたいと思っています。
(問)
トランプ政権の関税政策の関連で伺います。先ほどの質疑で総裁は関税政策のマインドはある程度早めに分かるので、その先の姿も見通しがつくようになるといった趣旨の話をされたかと思うんですけれども、これはその4月2日にいったん概況が出て、企業や市場の初期反応みたいのがみえてくることで、それをもとにその先々の一定の推測もできるようになるのではないかという趣旨でおっしゃったのでしょうか。確認の意味でお願いします。
(答)
特に日本サイドの家計や企業のマインドということで言えば、4月初めにどういう政策が発表されるかということの影響は大きいと思いますけれども、アメリカとかでみますと、既に消費者マインドにある程度の影響が出始めてるというデータもありますので、4月時点で非連続的にこの話が変わるというわけでは必ずしもなく、日本については若干そういう面があると思いますが、世界、特にアメリカについては、既に若干出始めている面もありますので、これがどの程度今後深刻化するかというのは注意してみていきたいと思います。
(問)
米の価格上昇についてお伺いします。これまでのご回答ですと、家計のインフレ予想を通じて、いまだ2%に届いていない基調的物価に影響を与える可能性があるということですが、これは日銀にとってはプラスだということですか。
(答)
既に現状で見通し通りに推移すれば、見通し期間の後半には基調的物価も2%に大体到達するという見通しを置いていますので、ここから上振れ要因が基調的物価について出てくるということは、そこから上振れるということを意味しますから、それは緩和度合いの調整を早めるという方向に働く可能性があるということだと思います。
(問)
長期金利の上昇がもたらす6月の国債買入れ減額計画の中間評価への影響について伺いたいんですけれども、足元にかけて長期金利が上昇していますが、現状の国債買入れの計画ですと、2026年の1から3月期に月間3兆円切る水準まで買入れ額を減らしていく計画でして、例えば26年4月以降それよりも月間買入れ額を減らしていくと、より長期金利が上昇してしまうリスクがあるんじゃないかと。ある時点で減額ペースを緩める必要があるのではないかなっていう声も出ているようですが、植田総裁はこの点どのようにお考えでしょうか。
(答)
これは、6月ですので、今後検討を本格化させます。そこまでの市場動向あるいは市場の機能度等を改めて点検して、これまでの計画通り進めるのか、あるいは修正が必要なのかということを判断したいと思いますし、26年度以降の姿についてもある程度示すことができればというふうに考えております。
(問)
今回は政策変更もなかったのでですね、少しそもそも論になりますけれども、物価目標2%というのを日銀は従来主要国が大体そうだからというふうにご説明になっておられると思うんですけれども、米国は潜在成長率がですね、2%を軽く超えているし、それに対して日本はですね、0.5あるかないかというような状況で、これだけ経済に差があるのを主要先進国という括りでですね、同じ設定をするのが正しいことなのかどうか、妥当なのかどうかですね、ちょっと突拍子がないと思われるかもしれませんけども、目標が1%であったならば、政策変更はもっとスムーズにスピードアップしてできたはずで、現状0.5の政策金利はですね、今だったら1%ぐらいにはもう軽くなってたと思うんですね、そうしたらば、円相場は130円台をつけていても全くおかしくないのでトランプからいちゃもんをつけられる理由はないわけですよね。目標が間違っていて、政策変更が遅れているということはないのかどうか、そもそも物価目標というものを取り入れ続けることがですね、導入の際には非常に日銀は本当は抵抗してたと思いますけれども、このことも含めて総裁のご意見を伺えますか。
(答)
2%の目標ですけれども、私としては、経緯、理由は別として、現在それの持続的達成を目標としてる中では、それをまず達成することが中長期的な日本銀行のクレディビリティを確保するために重要だというふうに思っております。そのうえで、将来どこかの時点で目標を再検討するということもなきにしもあらず、と考えていますが、その場合に潜在成長率の違いがどっちに働くかというと、潜在成長率が低い国の方が、インフレ目標が高くないといけない、という議論もありますので、そこは、話はなかなか一筋縄ではいかないというふうに思います。
(問)
米国のですね、関税政策がどの程度、日本経済・物価にですね、下押し圧力になるかっていうのは、不確実かと思うんですけども、それを踏まえても、次の想定される政策金利の0.75%というのは、実質金利を踏まえれば、その関税の影響というのをカバーできるだけ緩和的であると総裁はお考えでしょうか。
(答)
それはもう関税政策がどのようなものであって、日本への直接の影響、先ほど申し上げましたが、あと世界経済を通じての影響、これらがどういう大きさ、程度になるかということ次第かなと思います。そこにはかなり不確実性があると言わざるを得ないと思います。
(問)
日銀が出口戦略を進めるほど、財政は健全化が必要になるというそういう関係にあると思うんですが、今、日銀は利上げを進め、保有国債の減額を進めて、スローペースながらも出口戦略を進めているわけですけれども、それに対して国会の方は、減税とか歳出削減のような議論が中心で、全く財政健全化について真剣に取り組んでいる様子はないわけですね。これ金融政策と財政政策があまりにも今アンバランスな状態にあると思うんですが、これについて、総裁はどうお考えなのか。普段ですと、財政は埒外だとおっしゃるかもしれませんが、そろそろ注文をつけてもいいんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
(答)
財政政策の短期的な動向についてのコメントは差し控えたいと思いますが、いつも申し上げていることですが、中長期的な観点から、政府・国会におかれては、財政の持続可能性を担保する方向の努力を続けて頂くことが重要と考えています。
(問)
海外の不確実性が高まってきていて、国内っていうのはオントラックできてると。その中で1月の利上げのときは、物価基調はですね、2%に収束していく確度が高まったので利上げしたということですけども、今月、これまで、前回会合から確度は高まっているとお考えになっているかどうか、まず一点。
あと、総裁、先週国会でですね長期金利について伺われてですね、経済・物価の見方を反映しているというお考えを発言され、そこに日銀として大きな齟齬はないというお考えを話されましたけれども、今マーケットは一部には次の会合でも利上げがあるんじゃないかという見方ありますけれども、大まかに言うと大体半年に1回ぐらいの見方で経済・物価をみてですね、それぐらいのペースで日銀利上げしていくんじゃないかという見方が大勢です。そこについて総裁、何かご見解をお願い致します。
(答)
現時点で、見通し達成の確度については1月から変化があるかというご質問ですが、これは賃金・物価の方はオントラックでございますが、やや賃金は強めくらいですが、何度か今日申し上げましたように、アメリカや海外の貿易政策、その他の政策の不確実性が高い中で、簡単に判断ができない状態にあるということですので、これも出ましたが、4月初めにかけてもう少し明らかになった時点で再度見通し等を検討し直したいというふうに思っております。
それから今後の利上げペースについては、これはもう今後のデータ・情報次第であるというふうに申し上げるしかないというふうに思います。
(問)
2%物価目標が持続的・安定的に実現したときの実質金利のイメージについてお聞きしたいんですが、政策金利ベースの実質金利は仮に自然利子率がマイナスであれば、引き続きマイナスなんでしょうけど。先ほど総裁がおっしゃった実体経済による影響が強い短期から中期ゾーンの利回りについては、さすがに2%物価目標が持続的・安定的に実現したときはプラスになるというようなイメージを持っておられるのか、あるいは場合によってはマイナスのままということもあり得るのか、その辺りについてのご見解をお聞かせください。
(答)
これは普通、自然利子率とか中立金利というときに、ごく短期の金利のところで考えてると思いますので、もう少し長めの金利、中期ゾーンくらいの金利についてどうかという場合には、タームプレミアムをどうみるかということになるかと思います。ここについて今、自信を持って、例えば3から5年で何bpsぐらいだということを申し上げる準備ができていませんけれども、そこの値次第で短期よりは少し上に来るということだと思います。
(問)
何点か質問出てたんですけれども、国債の買入れの減額のことでもう一点ちょっとお伺いしたいんですけれども、26年3月末までで月3兆円程度まで今後減らしていくっていうのが基本的な計画だと思うんですけれども、3兆円という水準があるべき国債の買入れのボリュームとして今後も適切だと考えるのかどうか、より少ない買入れ額の方、3兆円より少ない買入れ額の方が金融政策上は適切な姿と考えるのかどうか、その辺りのお考えを教えてください。
(答)
これはあの3兆円はフローの購入額ですが、そこについて幾らが適切かというのは非常に難しいと思います。と申し上げますのも、結局、満期が来る国債との関連でストックがだんだん変化していくわけですが、そのストックの残高として特に日銀のバランスシートの大きさであったり、当座預金の残高であったり、どの辺が適当かという議論は日銀だけでなく海外の中央銀行でもここのところずっと行われていまして、必ずしも確定的な答えがなくて苦労している、苦労されているというのが現状ですので、それも参考にしながら私どもも適切なフローに直してどれくらいか、あるいはどれくらいの期間で適切なストックに到達すべきなのかということは検討していきたいと思っています。
以上