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通貨危機/アジア通貨危機

教えて!にちぎん

通貨危機とは、債務返済能力への懸念等からある国の通貨の対外的価値が急激に下落することや、その結果経済活動に深刻な影響が及ぶ状況を指します。 通貨危機が起こる理由は様々ですが、1990年代には、為替レートを事実上米ドルに連動させていたメキシコ、タイ、インドネシア、韓国、ロシア、ブラジルなどの新興国で、資本移動の自由化とそれに伴う活発な資本取引のもとで生じた持続不可能な経常赤字などを契機に、危機が発生しました。
特に1997年に発生したアジア通貨危機は、(1)金融機関の資金調達に関する通貨と期間のミスマッチの存在、(2)企業の資金調達における銀行貸し出しへの過度の偏り、というアジアの構造的な脆弱性を浮き彫りにしました。
当時、アジアの金融機関は短期で外貨資金を調達し自国通貨に変換したうえで長期の貸出を行っており、こうした下で自国通貨が大幅に減価したことで外貨建て債務の返済負担が増加し、外国人投資家が再投資を見合わせたために、国内の企業部門、銀行部門の双方において倒産が続出することに繋がりました。