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質問お札は誰が発行しているのですか?

教えて!にちぎん

回答

日本銀行は、日本銀行法第46条に基づき、銀行券(お札)を独占的に発行することになっています。

日本銀行が銀行券を発行するようになるまでの歴史

(1)政府紙幣および国立銀行券の発行

江戸時代には、金貨、銀貨、銭貨、そして地方で多くの藩が発行していた藩札など、様々なお金が現金として使われていました。また、これらを交換する際の相場は、日々変動していました。

明治維新後、新政府は近代化政策の一環として、通貨制度に関する様々な改革を行いました。まず、1868年(明治元年)に、自ら紙幣(政府紙幣)を発行しました。

1871年(明治4年)には、新貨条例という法律を作り、初めて「円」というお金の単位を導入しました。

また、1872年(明治5年)には、国立銀行という制度を作りました。国立銀行は民間の銀行ですが、国から紙幣を発行する権限を与えられ、それぞれの国立銀行が銀行券(国立銀行券)を発行することになりました。1879年(明治12年)までに153の国立銀行が設立され、それぞれの銀行が国立銀行券を発行しました。

(2)西南戦争の勃発とインフレーションの発生

1877年(明治10年)に西南戦争が起こると、政府は戦費調達のために、自ら政府紙幣を増発したり、国立銀行から国立銀行券を借りて支払いに充当したりしました。この結果、わが国は激しいインフレーションに見舞われました。

このインフレーションを克服する手段の一つとして、紙幣の濫発を防止して通貨価値の安定を図るためには、紙幣の一元的な発行制度を確立することが重要であるという認識が高まりました。

(3)日本銀行の創設と日本銀行券の発行

1882年(明治15年)、日本における唯一の中央銀行として、日本銀行が創設され、銀行券の発行権限も日本銀行に集中されることになりました。そして、1884年(明治17年)5月に、兌換銀行券条例が布告され、翌1885年5月には、最初の日本銀行券として、旧十円券が発行されました。

それ以来、今日に至るまで、日本銀行はわが国において銀行券を独占的に発行しています。

参考