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総裁談話・阪神銀行及びみどり銀行の合併について

1998年 5月15日
日本銀行

1.今般、阪神銀行はみどり銀行を吸収合併し、兵庫県内において確固たる経営基盤を確立することにより「県民銀行」としての性格を一層明確にした経営を展開することで、両行間の基本的な合意が得られた旨報告を受けたところである。

 ただし、両行は、この合併に当たり、みどり銀行が負う旧兵庫銀行に係る損失、不良資産等について、預金保険機構からみどり銀行に対し資金援助が行われることを前提としており、今後その要請を行いたいとしている。

2.みどり銀行は、旧兵庫銀行の経営破綻を受け、震災復興という特別な事情の下、復興需要への対応と同地域における信用秩序維持のため、全国の金融機関及び地元企業等からの出資協力を得て、平成7年10月に設立された銀行である。同行はこれまで、震災復興需要に支障が生じないよう金融機関としての使命を果たしてきたが、震災後の地元経済の落ち込みにより債権の劣化が進むなど経営状況が悪化していたところである。

 同行が今後とも地域において円滑な金融機能を発揮していくため、同じ地域に経営基盤をもつ阪神銀行と合併し新たに「県民銀行」として再出発することは、金融システムの安定化に資するとともに、震災復興需要に応え地元経済の健全な発展に貢献するという観点からも有意義なものであると考えられる。

3.なお、合併に関する具体的な内容については、今後関係者間で協議していくこととなるが、日本銀行としても両行の合意を尊重し、合併が円滑に進められ、新銀行の経営が適切に行われるよう、大蔵省、預金保険機構、地元地方公共団体等と連携・協力していく所存である。

4.両行の合併までの間、みどり銀行においては通常通りの営業が行われる。また、みどり銀行の預金はすべて合併後の銀行に引き継がれることにより、完全に保護されるので、預金者におかれては心配されることなく、良識ある行動をとられることを強く希望する。

5.なお、合併実施までの間、必要な場合には、日本銀行は日本銀行法第38条に基づく貸出を行い、みどり銀行の営業継続にかかる所要資金の確保に万全を期す考えである。

以上