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支店長会議総裁開会挨拶要旨(2020年7月)

2020年7月9日
日本銀行

  1. (1)令和2年7月豪雨により、広範な地域で甚大な被害が生じている。犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様に対して、心よりお見舞いを申し上げたい。日本銀行は、災害の実体経済への影響を注視するとともに、金融機能の維持と資金決済の円滑の確保に努めていく。
  2. (2)わが国の景気は、内外における新型コロナウイルス感染症の影響により、きわめて厳しい状態にある。先行きについては、経済活動が徐々に再開していくとみられるが、当面、内外における感染症の影響から、厳しい状態が続くと考えられる。その後、感染症の影響が収束していけば、ペントアップ需要(抑制されていた需要)の顕在化や挽回生産が予想されることに加え、緩和的な金融環境や政府の経済対策にも支えられて、わが国経済は改善していくとみられる。
  3. (3)物価面をみると、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、0%程度となっている。先行きについては、当面、新型コロナウイルス感染症や原油価格下落などの影響を受けてマイナスで推移するとみられる。その後は、景気が改善していくもとで、プラスに転じたあと、徐々に上昇率を高めていくと考えられる。
  4. (4)わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。金融環境は、全体として緩和した状態にあるが、企業の資金繰りが悪化するなど企業金融面で緩和度合いが低下している。
  5. (5)金融政策運営については、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。マネタリーベースについては、消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、拡大方針を継続する。引き続き、(1)新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム、(2)国債買入れやドルオペなどによる円貨および外貨の上限を設けない潤沢な供給、(3)ETFおよびJ-REITの積極的な買入れにより、企業等の資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めていく。当面、新型コロナウイルス感染症の影響を注視し、必要があれば、躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。政策金利については、現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移することを想定している。