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ジョイント・フォーラムによる最終ペーパーの公表について

(日本銀行仮訳)

1999年12月15日
ジョイント・フォーラム
(バーゼル銀行監督委員会)
(証券監督者国際機構)
(保険監督者国際機構)

日本銀行から

 「リスクの集中に関する諸原則」はこちら(bis9912a1.pdf 56KB)から、「グループ内の取引とエクスポージャーに関する諸原則」はこちら(bis9912a2.pdf 51KB)から入手できます。

プレス・ステートメント

 本日、バーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)、証券監督者国際機構(IOSCO)および保険監督者国際機構(IAIS)は、ジョイント・フォーラムが作成したペーパーを公表する。公表されるペーパーは、銀行、証券および保険業の監督者が、規制上および監督上の手続を通じて、1)リスクの集中(risk concentrations <RCs>)、および、2)グループ内の取引とエクスポージャー(intra-group transactions and exposures <ITEs>;以下、内部取引等)の健全な管理および制御を確実にするための諸原則を概説したものである。

 本日公表するペーパーは、本年2月に公表した金融コングロマリットの監督に関する一連のペーパーの一部となるものである。リスクの集中および内部取引等に関する今回のペーパーは、ジョイント・フォーラムのマンデートとされている包括的な作業の一部を成すものであり、それらとの関係において理解されるべきである。これらのペーパーは、金融コングロマリットの出現と、銀行、証券および保険の各分野における企業活動の区分の不鮮明化に伴って発生する、監督上の重要な問題のいくつかに対処するための大きな一歩である。

 監督者の国際的コミュニティは、金融コングロマリットの出現がもたらす課題への対応を進めている。バーゼル委および、IOSCOとIAISの各々の専門委員会は、それぞれの組織の構成員に対し、本ペーパーに述べられている諸原則の実施を促している。

 ジョイント・フォーラムは、これらのペーパーを完成させるのに先立って、業界および、より多くの監督当局との間で、広く協議を行った。

 ジョイント・フォーラムに関する基礎情報および今回公表されたペーパーの概要は別添のとおりである。

 ジョイント・フォーラムのペーパーは、BIS(http://www.bis.org)(外部サイトへのリンク)、IAIS(http://www.iaisweb.org)(外部サイトへのリンク)およびIOSCO(http://www.iosco.org)(外部サイトへのリンク)のウェブサイトから入手可能である。

解説ノート

ジョイント・フォーラムに関する基礎情報

 ジョイント・フォーラムは、金融コングロマリットに関する監督上の諸問題を検討していた前身のグループである「三者会合」の作業を前進させるために、1996年の初めにバーゼル銀行監督委員会(バーゼル委)、証券監督者国際機構(IOSCO)および保険監督者国際機構(IAIS)の後援により設立された。ジョイント・フォーラムは、各監督分野を代表する、各同数の銀行、保険、証券の主要な監督者から構成されている。ジョイント・フォーラムには、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、英国および米国の13カ国が参加しており、また、オブザーバーとしてEU委員会が参加している。ジョイント・フォーラムの議長は、スウェーデン金融監督庁のMr Jarl Symreng保険部長(Head of the Insurance Department of the Finansinspektionen)である。

 金融コングロマリットの出現と広範化、および金融各分野における企業活動の区分の不鮮明化により、監督の手法およびアプローチをより効果的にするための協調の必要性が高まっている。バーゼル委、IOSCOおよびIAISは、ジョイント・フォーラムにおいて各監督分野からの代表が一堂に会することは、金融コングロマリットに起因する監督上の課題に対処するために必要な協調精神を築く上で大きな意義を有するものであると考えている。

 ジョイント・フォーラムはそのマンデートを履行するため、過去に以下の作業を行ってきている。(a)同一分野内および異なる分野間での監督者間の情報交換を容易にするため、国内および国際的なレベルでの実用的な手段を追求し、(b)同一分野内および異なる分野間での監督者間の情報交換を妨げている法律その他の障害を調査し、(c)コーディネーターの責務を特定し、かつ明確にするための基準を設けることの利益および不利益を含め、監督上の協調を強化するための方法を検討し、(d)金融コングロマリットに属し、監督当局の規制下にある金融機関に対する、より効果的な監督のための諸原則を策定した。

 ジョイント・フォーラムは、組織および管理の面で複雑な構造を持ち、国境および金融分野の境界を跨いで広範な活動を行っている、多角化した金融会社に主な焦点を当ててきた。しかしながら、ジョイント・フォーラムは、ここで得られた教訓および作成されたガイダンスが、より小さなコングロマリットあるいは国内的に活動しているコングロマリットにも適用できるものと確信している。

リスクの集中に関する諸原則、および、グループ内の取引とエクスポージャー(内部取引等)に関する諸原則についてのペーパー

 リスクの集中に関する原則は、異なる業務分野の企業を系列化する際にグループ・レべルで生じうる新たなリスクと、コングロマリット内部に存在し、一見すると相互に無関係にみえるようなリスク要素のうちの、いくつかについて概説したものである。内部取引等に関する原則においては、内部取引等を利用することで生じうる利益は認めつつも、それらに伴う悪影響の伝播のリスク(contagion risk)に注意を払っている。従って、監督当局およびコングロマリットは、内部取引等の利用について適切なバランスを達成する必要がある。リスクの集中および内部取引等に関する原則は、監督当局に対し以下のことを促している。

  • コングロマリットに適切なリスク管理体制を持たせるような手段を講じること
  • 重大なリスクの集中と内部取引等を適時に監視すること
  • リスクの集中および内部取引等のパブリック・ディスクロージャーを促すこと
  • 他の監督当局と連繋をとること
  • 監督当局の規制下にある金融機関に対して悪影響を与える重大なリスクの集中および内部取引等について、効果的に対応すること

 両ペーパーは並列的な構造をとっているものの、その一方で、リスクの集中と内部取引等に関する相違点のいくつかを強調しているため、それぞれ独立したペーパーとして作成された。最も顕著な点は、内部取引等はコングロマリット内部における一連の二者間関係であるため、かなりの程度において、監督当局の規制下にある金融機関のレベルで監視が可能だということである。一方、リスクの集中は、コングロマリット全体にわたるリスク・エクスポージャーの複合と相互作用を反映するものであるため、リスクの集中に対してはグループ・レベルのアプローチが不可欠となる。

 両ペーパーにおいては、ジョイント・フォーラムに代表を出している国における監督上の実務と、主要な国際的金融コングロマリット10先が内部取引等とリスクの集中に関して行っている実務について、ジョイント・フォーラムが行った調査によって明らかになった点についても整理している。

市中協議手続

 1999年7月8日、バーゼル委、IOSCOおよびIAISは、業界および広範囲の監督者と一定期間の協議を行うため、これらのペーパーを公表した。コメントは、公式には、1999年9月30日に締め切られた。世界中の金融機関、政府・監督機関、その他の関係者より、約20のコメントが文書により寄せられた。これらのコメントは、全般的にはジョイント・フォーラムの作業を支持するものであり、多くの有益な助言により、ペーパーに修正、改善、明確化が施された。

継続作業

 ジョイント・フォーラムは最近、金融コングロマリットの監督に特に関わる問題に加え、業務分野間を跨る問題にも焦点を当てた新たなマンデートを親組織によって与えられた(訳注)。ジョイント・フォーラムはまた、従来のマンデートに基づき、コングロマリットの構造の透明性に関する作業を継続中である。

  • (訳注)ジョイント・フォーラムの新マンデートの詳細については、本年12月8日付のプレス・リリース 「ジョイント・フォーラムの新しいマンデートと新議長の任命について」("New mandate and appointment of Chairman of Joint Forum":BIS、IAIS、IOSCOの各ウェブサイトに掲載)を参照。