「リスク計測手法のフロンティア」ワークショップを開催
2008年8月8日
日本銀行金融機構局
金融高度化センター
金融高度化センターでは、2008年7月25日、日本銀行本店において、「リスク計測手法のフロンティア」と題するワークショップを開催しました。
本ワークショップでは、日本銀行のスタッフおよび、みずほ第一フィナンシャルテクノロジーの方々が、リスク計測手法の先端分野にあると考えられる2つの研究の報告を行いました。また、それぞれの報告の理論的な意義や各種技術的な論点に関して、コメンテーターによるコメント、フロア参加者を交えた討論が行われました。なお、当日の参加者数は、約70名でした。
報告の内容と資料は、以下をご参照ください。
- 「分布展開法の市場リスク計測への応用」(PDF、865KB)
報告用資料 (PDF、723KB)
報告者:日本銀行 金融機構局 金融高度化センター 丸茂 幸平
コメンテーター:慶応義塾大学 小暮 厚之教授
当報告では、資産ポートフォリオの市場リスク計測手法が提案されました。現在のところ、最も一般的な市場リスク計測手法は、分散共分散法に代表されるように多変量正規分布を使うものか、ヒストリカル法のように経験分布を使うものですが、両者ともそれぞれ長所・短所を併せ持っています。ここでは、分布展開法という手法を用いて、既存の手法の短所を補い得る新しい手法が得られる可能性が示されました。
- "A Novel Methodology for Credit Portfolio Analysis: Numerical Approximation Approach"(外部サイトへのリンク)
報告用資料 (PDF、298KB)
報告者:みずほ第一フィナンシャルテクノロジー 高野 康 氏、羽柴 次郎 氏
コメンテーター:首都大学東京 室町 幸雄教授
当報告では、与信ポートフォリオの信用リスク計測を高速かつ高精度に行うための新しい手法が提案されました。与信ポートフォリオの信用リスク計測では、ポートフォリオの規模が大きい場合、計算負荷が大きいという問題があります。当報告では、損失額分布の積率母関数の計算方法と数値的なラプラス逆変換に工夫を施すことによって、この問題へ対処し得ることが示されました。
- (注)本資料の無断転載・複製を禁じます。
以上