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【挨拶】 AIを活用した金融の高度化に関するワークショップ(第4回「コンプライアンス」)

2019年5月13日
日本銀行金融機構局
金融高度化センター

開会挨拶

本日は、AIWS・第4回会合にようこそお越し下さいました。金融高度化センター長の菅野でございます。会合の開催にあたりまして、一言ご挨拶を申し上げます。

今回も初めに、ご報告です。先般の金融ジャーナル2月号に続きまして、「金融財政事情」4月15日号に、AIWSでのご議論も踏まえて、「金融分野におけるAI活用の方向性と可能性 [PDF 862KB]」と題する寄稿をいたしました。是非、ご一読をいただければ幸いです。

さて、本日のテーマは、「コンプライアンス」です。コンプライアンスという言葉はたいへん多義的であり、また、実務に落としてみれば、多面的で広範なものになります。
そのうえ、近年は、単に法令に書かれたことを形式的に守ることだけでなく、顧客や社会からの信頼を維持し、強化するために、それぞれのビジネス・モデルに即して、より好ましい業務運営のあり方を自ら考え、規律していく姿勢が求められるようにもなっています。しかも、カバーすべき領域は拡大し、その目線も切り上がってきています。
こうしたコンプライアンス対応を適切に遂行するため、金融機関の負担と緊張感は着実に高まっており、これにどう対応するかは、すべての金融機関に共通する課題、悩みとなっているように思われます。
そうしたなかで、今回は、(1)アンチ・マネーローンダリング、テロ資金供与対策、(2)不正送金の防止、(3)適合性等の確認の3つに焦点を当てて、議論を行いたいと思います。

本日は、これらの業務でITやAIを活用されている好事例をご紹介いただく、お三方のプレゼンターをお招きしました。

おひとり目は、三井住友銀行 総務部AML金融犯罪対応室の津田様です。津田様からは、AIを活用したアンチ・マネーローンダリング業務の高度化について、ご紹介をいただきます。

おふたり目は、住信SBIネット銀行 金融犯罪対策部の山浦様です。山浦様からは、インターネットバンキングの振込モニタリングへのAI活用について、その導入の経緯も含めて、ご説明いただきます。

3人目は、横浜銀行 デジタル戦略部の新川様です。新川様からは、金融商品の勧誘・販売における適合性の確認等にAIを活用する事例を、ご紹介いただきます。

また、お三方のプレゼンテーションの後の自由討議では、亀有信用金庫 事務部の田中様より、マネーローンダリングや振り込め詐欺の防止のために、自前で開発された、不正取引検知システムについて、簡単にお話していただきます。

ラウンドテーブルの皆様には、本日のワークショップが実り多く、有意義なものとなりますよう、自由闊達なご議論をお願いいたします。