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バーゼル銀行監督委員会による議事要旨及び「2023年の銀行を巡る混乱に関する報告書」の公表について

2023年10月10日
日本銀行

バーゼル銀行監督委員会(以下、「バーゼル委」)は、10月4日、5日に会合を開催し、同会合の議事要旨を公表しました。

  • バーゼル委は、2023年の銀行を巡る混乱に関する報告書を公表。
  • 気候関連金融リスクおよび銀行の暗号資産エクスポージャーに関する開示の枠組みについて市中協議を行うことに合意。
  • グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の2023年選定結果を承認。

併せてバーゼル委は、「2023年の銀行を巡る混乱に関する報告書」(原題:Report on the 2023 banking turmoil)を公表しました。

2023年3月に始まった銀行セクターを巡る混乱は、その規模と範囲において、世界金融危機以降で最も深刻なシステム全体に亘る銀行へのストレスとなり、一部の法域では、影響を緩和するために広範な公的支援措置が実施されました。これを受け、バーゼル委は、銀行セクターを巡る混乱から生じる規制・監督上の含意についてストックテイク作業を実施しました。

本報告書は、こうした作業の成果として、銀行セクターを巡る混乱の原因、規制・監督上の対応、及び得られた初期的な教訓についての評価を示しています。なお、本報告書では、こうした取組みについて、バーゼル枠組みの見直しを示唆するものではない旨明記しています。

バーゼル委は、今後、本報告書の調査結果を踏まえ、以下の一連のフォローアップの取組みを進めることとしています。

  • 監督の実効性を強化し、グローバルなレベルで追加的なガイダンスに値する可能性のある論点を特定するための作業を優先する。
  • 流動性リスクや銀行勘定の金利リスクなど、バーゼル枠組みの特定の要素が最近の混乱の間に意図したとおりに機能したか否かを評価するために、実証的根拠に基づく追加的なフォローアップの分析作業に取り組む。その上で、政策オプションを探求する必要性について中期的に評価する。

なお、これらの取組みは、2023年9月にバーゼル委の上位機関である中央銀行・銀行監督当局長官グループが再確認したとおり、バーゼルIII枠組みのすべての要素を完全かつ整合的な形で、かつ可能な限り早期に実施することを優先する方針に沿って進められるものです。

詳細につきましては、以下をご覧ください。