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阪和銀行処理のための新銀行設立に当たって社団法人新金融安定化基金の資金を活用すること

1997年1月14日
(議決日 1996年12月13日)
日本銀行政策委員会

日本銀行では、11月21日大蔵省より業務停止を命じられた阪和銀行について、「当行を整理・清算するための新銀行を設立した上で営業譲渡を行うこととし、その際、預金保険制度を活用して、預金者を保護しつつ整理・清算を円滑に進めることを基本とした処理を行う」との基本的な処理の方針を公表した(日本銀行政策委員会月報平成8年11月号参照。なお、本ホームページにも掲載)。

その後、以上のような基本的な考え方に沿って、阪和銀行問題への対応について関係者間での協議が進められてきたが、12月13日までに、その骨子について次のような合意が得られるに至った。

  1. (1)社団法人新金融安定化基金が発起人となり、その第一勘定(9月24日の本委員会の決定に基づき日本銀行が1,000億円の資金を拠出)から100億円の出資を行うことにより新銀行を設立し、阪和銀行の営業を譲り受ける。
  2. (2)預金保険機構は新銀行に対し、「破綻金融機関(阪和銀行)の資産の全額買い取りを含む資金援助」(預金保険法第59条1項・2項)を実施する。
  3. (3)預金保険機構は買い取った資産の管理・回収を整理回収銀行に委託する。
  4. (4)新銀行は、阪和銀行から引き継いだ預金の払戻しを進め、その事業の円滑な整理を図る。

このうち、社団法人新金融安定化基金からの出資については、12月12日に同基金から日本銀行に対し、出資の是非に関する協議が行われた。この点について、本委員会は、12月13日、(1)本件処理方策における新銀行の位置付け、業務内容を前提とした場合、民間金融機関による新銀行への出資は到底困難であること、(3)社団法人新金融安定化基金は、わが国金融システムの安定化及び内外からの信頼性確保に資するため、金融機関の資本基盤の構築等を支援する事業を行うものであることを踏まえると、本件について基金を活用することが適当であること、(3)基金の活用は、日本銀行の資金供与に当たってのいわゆる4原則(システミック・リスク顕現化の惧れ、日本銀行資金供与の不可欠性、モラルハザードの防止、日本銀行の財務の健全性の確保)に照らしても妥当といえることから、同基金の協議に対し同意を行うことについて了承した。

なお、本件について、日本銀行では12月13日、以下の対外公表を行った。

  • 阪和銀行問題の対応策(骨子)