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日本銀行による金融機関保有株式買入れ上限の引上げについて

2003年 3月25日
日本銀行

 日本銀行は、本日開催した政策委員会・通常会合において、金融機関保有株式の買入れ上限の引上げを決定し、日本銀行法第43条の定めに基き、財務大臣および金融庁長官に認可を申請しました。

 今回の決定は、このところ株式市場における価格変動が一段と増大していることを踏まえ、米国等による対イラク武力行使が開始されたことを機に、金融機関に対して株価変動リスクの早期軽減に向けた努力をさらに強く促すことが適当との判断に基づくものです。

 具体的には、買入総額の上限を2兆円から3兆円に、買入対象先毎の累計買入限度額を5,000億円から7,500億円にそれぞれ引上げることとしたものです。

 なお、本措置は、認可を取得次第ただちに実施することとします。

 本措置実施に当たって、日本銀行は、自己資本の充実など財務の健全性の確保に一段と努めていく方針です。

 日本銀行としては、金融機関が本措置を活用しつつ、過大な株式保有の構造を早期に改善していくことを強く期待しています。

以上

本件照会先

信用機構室信用機構課

和田( 03-3277-1130 )

考査局金融課

内田( 03-3277-1271 )


別紙

株式買入等基本要領の一部改正等に関する件

(案件)

  1. 金融機関に対して株価変動リスク軽減に向けた努力をさらに強く促すため、金融機関からの株式の買入総額を3兆円に、買入対象先毎の累計買入限度額を7,500億円にそれぞれ引上げることとし、これに伴い、次の(1)および(2)の規程を別紙1および別紙2のとおり一部改正すること。
    1. (1)「株式買入等基本要領」
      (平成14年10月11日付政委第122号別紙1)…………………別紙1
    2. (2)「株式買入等のために設定する金銭の信託の受託者選定基本要領」
      (平成14年10月11日付政委第122号別紙2)…………………別紙2
  2. 1.の実施に関し、日本銀行法(平成9年法律第89号)第43条第1項ただし書きおよび同法第61条の2の規定に基づき、別紙3および別紙4のとおり財務大臣および金融庁長官に認可を申請すること。
  3. 改正後の1.(1)および(2)の規程は、2.の認可を受けた日から実施すること。
  4. 1.の実施に伴い、「日本銀行業務方法書」(平成10年3月24日付政第29号別紙3)を別紙5のとおり一部変更すること。
  5. 改正後の1.(1)および(2)の規程の実施に必要な細目は、総裁が決定する扱いとすること。

以上


別紙1

「株式買入等基本要領」中一部改正

 8.(1)および(2) を横線のとおり改める。

  1. (1)株式の買入の総額は32兆円を限度とする。
  2. (2)買入対象先別の買入限度額は、買入申込日の直前期末(中間期末を含む。)における銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成13年法律第131号)第3条第1項に規定する株式等の保有額から基本的項目の額(銀行法第14条の2の規定に基づき自己資本比率の基準を定める件(平成5年大蔵省告示第55号)に定める基本的項目の額をいう。)を控除した額または累計7千5百億円5千億円のいずれか低い額とする。

別紙2

「株式買入等のために設定する金銭の信託の受託者選定基本要領」中一部改正

 2.(2)ニ.を横線のとおり改める。

ニ.選定時の直近期末(中間期末を含む。)において、金銭または有価証券の信託にかかる信託財産として所有する株式の金額(再信託契約または共同受託契約に基づくものを含む。)が、本行が保有しうる株式の総額(兆円)を十分に上回る水準であること


別紙3

財務大臣宛認可申請書

政第47号
平成15年3月25日

財務大臣  塩川 正十郎 殿

日本銀行総裁  福井 俊彦

株式買入等実施要綱の一部変更に関する件

 最近の金融情勢に鑑み、金融機関に対して株価変動リスク軽減に向けた努力をさらに強く促し、金融機関の経営ひいては金融システム全体への信認を確保することにより、金融機関間の資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資する観点から、平成14年10月11日付財理第3853号・金総第1741号認可に基づいて行う株式の買入れ等の要綱を別紙のとおり一部変更することと致したく、政策委員会の議決を経て、日本銀行法第43条第1項ただし書の規定に基づき、認可申請致します。

以上


別紙

「株式買入等実施要綱」中一部変更

 6.(1)を横線のとおり改める。

(1)株式の買入れの総額は兆円を限度とする。


別紙4

金融庁長官宛認可申請書

政第48号
平成15年3月25日

金融庁長官 高木 祥吉 殿

日本銀行総裁  福井 俊彦

株式買入等実施要綱の一部変更に関する件

 最近の金融情勢に鑑み、金融機関に対して株価変動リスク軽減に向けた努力をさらに強く促し、金融機関の経営ひいては金融システム全体への信認を確保することにより、金融機関間の資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資する観点から、平成14年10月11日付財理第3853号・金総第1741号認可に基づいて行う株式の買入れ等の要綱を別紙のとおり一部変更することと致したく、政策委員会の議決を経て、日本銀行法第43条第1項ただし書及び同法第61条の2の規定に基づき、認可申請致します。

以上


別紙

「株式買入等実施要綱」中一部変更

 6.(1)を横線のとおり改める。

(1)株式の買入れの総額は兆円を限度とする。


別紙5

「日本銀行業務方法書」中一部変更

 第四十九条の三第六号イ及びロを横線のとおり改める。

  1. イ 株式の買入れの総額は兆円を限度とする。
  2. ロ 買入れの相手方別の買入限度額は、買入申込日の直前期末(中間期末を含む。)における銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律(平成十三年法律第百三十一号)第三条第一項に規定する株式等の保有額から基本的項目の額(銀行法第十四条の二の規定に基づき自己資本比率の基準を定める件(平成五年大蔵省告示第五十五号)に定める基本的項目の額をいう。)を控除した額又は累計七千五百億円五千億円のいずれか低い額とする。

(附則)

この業務方法書の一部変更は、「株式買入等基本要領の一部改正等に関する件」(平成15年3月25日付政委第41号)別紙1の株式買入等基本要領の一部改正を実施する日から実施する。