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金融経済月報(基本的見解1)(1999年 1月)2

  1. 本「基本的見解」は、1月19日に開催された政策委員会・金融政策決定会合において、金融政策判断の基礎となる経済及び金融の情勢に関する基本的見解として決定されたものである。
  2. 本稿は、1月19日に開催された政策委員会・金融政策決定会合の時点で利用可能であった情報をもとに記述されている。

1999年 1月21日
日本銀行

日本銀行から

 以下には、基本的見解の部分を掲載しています。図表を含む全文は、こちら(gp9901.pdf 438KB)から入手できます。


 最近のわが国の経済情勢をみると、公共投資増加などから、悪化テンポが徐々に和らいでいる。

 最終需要面をみると、設備投資が大幅に減少しているほか、住宅投資も低迷を続けている。個人消費は、総じてみれば、低調な動きにとどまっている。もっとも、純輸出(輸出−輸入)が緩やかながらも増加基調にあるほか、公共投資も増勢に転じている。こうした最終需要の動向や、在庫調整の進捗を背景に、生産の減少テンポは緩やかなものとなっている。

 一方、企業収益は悪化を続けている。また、失業率が再び既往最高水準を更新し、有効求人倍率も既往最低水準を更新し続けているほか、冬季賞与もかなりの減少となるなど、家計の雇用・所得環境は厳しさを増している。企業金融面に関しては、政府・日本銀行の各種措置を背景に改善の動きがみられるが、年度末にかけての企業の資金繰りに対する不安感は、なお払拭し切れていない模様である。以上のことから、企業・消費者心理は引き続き慎重なものとなっており、民間需要が回復に向かう動きは依然みられていない。

 今後の経済情勢については、政府の経済対策の実施に伴い、来年度上期にかけて、公共投資の増加が経済を下支えしていくとみられる。また、日本銀行による金融面からの措置や、政府の貸し渋り対策も、引き続き効果を発揮していくものと考えられる。しかし、上記のように企業収益や家計所得が悪化の方向にあることに加え、民間銀行の慎重な融資姿勢のもとで、企業金融面における制約要因もなお暫くの間は作用し続けるとみられることなどを考えると、民間需要が速やかに自律的な回復に向かうことは展望し難い。また、昨秋以降の円高進行の影響や海外情勢の不透明感にも、留意が必要である。これらを踏まえると、景気回復を確実なものとするためには、金融システムの早期建て直しを含め、企業や家計が経済の先行きに対して自信を取り戻し得るよう、さらに環境を整えていくことが重要である。

 物価面をみると、大幅な需給ギャップなどを背景に、国内卸売物価が下落傾向を続け、企業向けサービス価格も軟化している。消費者物価については、生鮮食品の値上がりから、前年比でみて上昇に転じているが、それを除いてみれば、基調として軟調に推移している。今後は、公共投資の増加などから経済情勢の悪化テンポは引き続き和らいでいくものとみられるが、民需が低迷を続けるもとで、当面、需給ギャップの明確な縮小は見込み難い。また、賃金の軟化が続いていることや、昨秋以降の円高進行も、物価の低下要因として作用し続けるとみられる。これらを踏まえると、物価は、先行き、下落テンポを幾分速める可能性がある。

 金融面をみると、ジャパン・プレミアムやユーロ円金利(各3か月物)は、取引が年度末越えとなったことに伴い幾分強含んだものの、昨年中の期末越え取引に比べれば総じて低めの水準で推移している。

 一方、長期国債の流通利回りは、12月中旬以降年初にかけて上昇テンポが速まった。その背景として市場では、国債の大量発行等に伴う需給悪化を懸念する見方が多い。この間、株価は、円高の進行や長期金利の上昇を受けて、軟調な展開となった。その後、いずれの相場も反転してきているが、今後、これらがどのような水準に落ち着き、実体経済にどのような影響を及ぼしていくかについて、注目していく必要がある。

 金融の量的側面に関連して企業の資金需要面をみると、大企業を中心に手許資金を厚めに確保しようとする動きが依然続く一方、実体経済活動に伴う資金需要は引き続き低迷しているように窺われる。この間、民間金融機関は、企業業績の悪化を受けて慎重な融資姿勢を維持している。ただ、信用保証制度の活用には民間金融機関も積極的に取り組んできており、こうした政府による政策面からの措置や、日本銀行によるオペ・貸出面の措置の効果などもあって、企業金融は一頃に比べ逼迫感が幾分和らいできているようにみられる。

 もっとも、格付けが低めの企業を中心に、企業を巡る資金調達環境は依然厳しい状態にあることに変わりがない。

 こうした企業金融の動向が、企業活動や実体経済にどのような影響を及ぼしていくか、引き続き十分注意してみていく必要がある。

以上