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流動性供給方法の改善策および公定歩合の引き下げについて

2001年 2月 9日
日本銀行

  1. 日本銀行は、本日開催された政策委員会・金融政策決定会合において、金融市場に対する流動性供給方法の改善策を講ずるとともに、公定歩合を0.15%引き下げ、年0.35%とすることを決定した。
  1. (1)流動性供給方法の改善策
    1. (i)公定歩合により受動的に実行する貸出制度の新設
      現在の金融市場調節の枠組みでは、金融市場への流動性供給は専ら日本銀行がオファーするオペを通じて行われているが、今回、これに加えて、日本銀行が予め明確に定めた条件に基づき、取引先からの借入申込みを受けて受動的に貸出を実行する制度(いわゆる「ロンバート型貸出」制度)を新設することとし、3月実施に向けて具体的準備を進める。
    2. (ii)短期国債買い切りオペの積極活用
      市場に返済圧力がかからない形で短期の流動性供給を行う観点から、短期国債買い切りオペを積極的に活用する。
    3. (iii)手形オペ(全店買入)導入の具体化
      比較的長めの短期資金を地方所在の金融機関を含めて幅広く安定的に供給していく体制を整備する観点から、既に導入方針を決定している手形オペ(全店買入)について、本年7月までに実施に移すべくさらに準備作業を急ぐこととし、3月中にオペ対象先選定手続を開始する。
  2. (2)公定歩合の引き下げ
    公定歩合を0.15%引き下げ、年0.35%とし、2月13日より実施する。上記(i)の新たな貸出制度は短期市場金利の安定化効果を持つと期待されるが、公定歩合の引き下げは、その効果を一層高めると考えられる。
  1. 今回の措置は、最近における内外経済情勢や金融資本市場の動向を踏まえ、金融市場調節の柔軟性を高めるとともに、幅広く安定的に資金供給を行い、金融面から景気回復を支援する力を強化する観点から、実施することとしたものである。また、日々の金融市場調節面でも、期末に向けて潤沢に流動性を供給していく方針である。
  2. 日本銀行としては、こうした施策を進めることにより、金融市場の円滑な機能の維持と安定性の確保に万全を期し、引き続き、金融面から景気回復を支援していく方針である。

以上


ロンバート型貸出の骨子
目的 金融調節の一層の円滑化の観点から、日本銀行が予め明確に定めた条件に基づき、取引先からの借入申込みを受けて受動的に実行する貸付けを導入し、金融市場の円滑な機能の維持と安定性の確保を図ること
貸付先 信用力が十分な取引先(銀行等のほか、証券会社、短資業者、証券金融会社を含む)
貸付店 業務局または支店
貸付金利 基準貸付利率(公定歩合)
── ただし、一定の日数を超える頻繁な利用先には高レートを適用
貸付期間 オーバーナイト
—— 一定の日数まで基準貸付利率によるロール・オーバーを認める
担保 本行適格担保
実行方法 取引先からの申込みを受けて、受動的に貸付けを実行する
例外的取扱い 特に必要と認められる場合には、日本銀行は貸付けの拒絶や貸付金額の制限などを行うことができる