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金融市場調節方針の変更について

2001年 8月14日
日本銀行

  1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において金融市場調節方針の変更を決定した。また、新たな調節方針のもとで、円滑な資金供給に資するため、長期国債の買い入れを増額することとした。
    1. (1)金融市場調節方針の変更(賛成多数)
      日本銀行当座預金残高を、これまでの5兆円程度から、6兆円程度に増額する(別添)
    2. (2)長期国債の買い入れ増額
      これまで月4千億円ペースで行ってきた長期国債の買い入れを、月6千億円ペースに増額する。
  2. 日本経済の状況をみると、輸出と生産の大幅な減少を主因に、景気調整が一段と深まっている。また、生産の減少が内需の減少を誘発しつつ、調整の広範化につながっていく可能性や、内外資本市場の動きが実体経済に及ぼす悪影響などに、一段と留意が必要な局面になっている。物価面では、今後、需要の弱さに起因する物価低下圧力がさらに強まるおそれがある。
  3. 日本銀行は、物価が継続的に下落することを防止し、持続的な経済成長の基盤を整備するという断固たる決意のもと、本年に入り、内外の中央銀行の歴史に例をみない思いきった金融緩和措置を講じてきた。この結果、金融市場には潤沢に資金が供給され、長短市場金利はきわめて低い水準に低下している。
    しかし、経済・物価情勢の厳しい展開と先行き見通しを踏まえると、この際、3月に決定した金融政策の枠組みのもとで、金融面から景気回復を支援する力をさらに強化することが必要かつ適当と判断した。
  4. 日本銀行は、今後とも、日本経済が安定的かつ持続的な成長軌道に復帰することを支援するために、中央銀行としてなしうる最大限の努力を続けていく方針である。
  5. しかし、世界経済の動向や日本経済が直面する課題の重さを踏まえると、経済再生の取り組みは決して容易なものではない。また、金融緩和の効果が十分発揮され、日本経済が安定的かつ持続的な成長軌道に復帰するためには、構造改革の進展が不可欠の条件である。
  6. この点、政府の強力なリーダーシップのもとで、具体的な改革への取り組みが開始されたことは、心強い進展である。今回の措置も含め、これまでの一連の金融緩和措置は、こうした各方面における改革努力を最大限支援する効果を併せもつものである。日本銀行としては、政府、民間の双方において、短期的な痛みを乗り越えて、構造改革への取り組みがたゆまず進められることを強く期待している。

以上


(別添)

平成13年8月14日
日本銀行

当面の金融政策運営について

 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成多数)。

 日本銀行当座預金残高が6兆円程度となるよう金融市場調節を行う。

 なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

以上

参考

開催時間
8月13日(月)14:00~16:19
8月14日(火) 9:01~13:04
出席委員
議長 速水 優  (総裁)
藤原 作弥 (副総裁)
山口 泰  (副総裁)
三木 利夫 (審議委員)
中原 伸之 (審議委員)
植田 和男 (審議委員)
田谷 禎三 (審議委員)
須田 美矢子(審議委員)
中原 眞  (審議委員)

上記のほか、

8月13日
岩田一政 内閣府政策統括官(経済財政−景気判断・政策分析担当)(14:00~)
藤井秀人 財務省大臣官房総括審議官(14:00~)
8月14日
竹中平蔵 経済財政政策担当大臣( 9:01~)
藤井秀人 財務省大臣官房総括審議官( 9:01~)

が出席。

金融経済月報の公表日時
2001年 8月15日(水)14:00
議事要旨の公表日時
2001年 9月25日(火)14:00

以上