金融市場調節方針の変更および公定歩合の引き下げ等について
2001年 9月18日
日本銀行
- 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下の措置を決定した。
- (1)金融市場調節方針の変更(賛成多数)
当面、日本銀行当座預金残高が6兆円を上回ることを目標として、潤沢な資金供給を行う。 - (2)公定歩合の引き下げ(賛成多数)
公定歩合を0.15%引き下げ0.10%とし、明日より実施する。 - (3)補完貸付制度の利用上限日数の引き上げ(全員一致)
補完貸付制度(いわゆるロンバート型貸付制度)の公定歩合による利用上限日数を、今積み期間(9月16日~10月15日)について、5営業日から10営業日に引き上げる。
- (1)金融市場調節方針の変更(賛成多数)
- 日本銀行は、さる9月11日の米国における同時多発テロ事件発生後の流動性需要の高まりを受けて、日本銀行当座預金残高を8兆円を上回る水準にまで大幅に拡大させるなど、資金決済の円滑と金融市場の安定の確保に向けて、万全の措置を講じてきた。
- 内外の金融市場をみると、主要中央銀行による潤沢な流動性供給や、市場参加者による適切な対応の結果、これまでのところ、取引や決済の混乱は回避し得ている。しかし、今回の事件が内外の金融資本市場やひいては実体経済活動にどのような影響を与えていくのか、引続き細心の注意をもって見守っていく必要がある。また、今後、万が一にも資金決済の円滑や金融市場の安定が損なわれるような事態になると、これまでの思い切った金融緩和措置の効果浸透に支障をきたすおそれがある。
- 日本銀行では、以上のような状況に鑑み、金融市場の安定を確保するとともに、金融緩和のより強力な効果浸透を図る観点から、今回の措置を実施することが適当と判断した。
- これまで繰り返し強調してきたとおり、金融緩和の効果が十分に発揮され、日本経済が安定的かつ持続的な成長軌道に復帰するためには、不良債権問題の解決をはじめ、金融システム面や経済・産業面での構造改革の進展が不可欠である。その意味から、今回の事件の影響や構造改革に伴う様々な痛みを乗り越えて、各方面における改革への取り組みが、たゆまず進められることが強く期待される。
- 日本銀行では、物価の継続的な下落を防止するとともに、不良債権処理に伴う問題への対応も含め、日本経済の安定的かつ持続的な成長の基盤を整備するため、今後とも中央銀行としてなし得る最大限の努力を続けていく方針である。
以上
参考
- 開催時間
- 9月18日(火)14:00~18:48
- 出席委員
- 議長 速水 優 (総裁)
藤原 作弥 (副総裁)
山口 泰 (副総裁)
三木 利夫 (審議委員)
中原 伸之 (審議委員)
植田 和男 (審議委員)
田谷 禎三 (審議委員)
須田 美矢子(審議委員)
中原 眞 (審議委員)
上記のほか、
竹中平蔵 経済財政政策担当大臣(14:00~)
村上誠一郎 財務副大臣(14:00~)
が出席。
- 金融経済月報の公表日時
- 2001年 9月20日(木)14:00
- 議事要旨の公表日時
- 2001年11月 1日(木)14:00
以上