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本日の金融政策決定会合について

2003年 3月25日
日本銀行

  1. わが国の景気は、海外経済や株価、不良債権処理の動向など、先行き不透明感が強い中で、国内最終需要に明確な回復の動きがみられず、横這いの動きを続けている。
  2. こうした状況のもとで、今般、イラクに対する武力行使が開始された。日本銀行としては、今回の事態が株式市場や為替市場などを通じて経済全体にどのような影響を及ぼしていくか注視するとともに、潤沢な流動性の供給などを通じて、金融市場の安定確保に万全を期す方針である(別添参照)。こうした方針のもと、補完貸付制度についても、当分の間、すべての営業日を通じて公定歩合による利用を可能とすることとした。
  3. 日本銀行としては、対イラク武力行使の影響も含め、現下の厳しい金融経済情勢を踏まえて、今後、金融政策運営の基本的な枠組みについてさらに検討を進めることとした。
  4. 議長は、上記の基本的な枠組みの検討を進めるに当たって、幅広い観点から金融政策の透明性向上と金融緩和の波及メカニズム強化に関する論点を、これまでの量的緩和政策の評価も踏まえつつ、次回の定例金融政策決定会合において報告するよう執行部に指示した。
    具体的な措置として、議長は、特に金融緩和の波及メカニズム強化の観点から、企業金融や金融調節の面においてどのような措置が考えられるか、準備が整い次第、金融政策決定会合において報告するよう執行部に指示した。

以上


(別添)

平成15年 3月25日
日本銀行

当面の金融政策運営について

 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。

 3月31日までは、日本銀行当座預金残高が15~20兆円程度となるよう金融市場調節を行う。4月1日以後は、日本郵政公社の発足に伴い、日本銀行当座預金残高が17~22兆円程度となるよう金融市場調節を行う。

 なお、当面、国際政治情勢など不確実性の高い状況が続くとみられることを踏まえ、金融市場の安定確保に万全を期すため、必要に応じ、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。

以上


(参考)

開催時間
3月25日(火)8:03~11:41
出席委員
議長 福井 俊彦 (総裁)
武藤 敏郎 (副総裁)
岩田 一政 (副総裁)
植田 和男 (審議委員)
田谷 禎三 (審議委員)
須田 美矢子(審議委員)
中原 眞  (審議委員)
春  英彦 (審議委員)
福間 年勝 (審議委員)

 上記のほか、
谷口隆義 財務副大臣(8:03~11:14、11:18~11:41)
小林勇造 内閣府審議官(8:03~11:14、11:18~11:41)
が出席。

議事要旨の公表日
5月6日(火)

以上