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当面の金融政策運営について

2019年4月25日
日本銀行

  1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、強力な金融緩和を粘り強く続けていく政策運営方針をより明確に示すため、以下のとおり決定した。
    1. (1)政策金利のフォワードガイダンスの明確化(注1)

      日本銀行は、海外経済の動向や消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、少なくとも2020年春頃まで、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している。

    2. (2)強力な金融緩和の継続に資する措置の実施

      適格担保の拡充など別紙の諸措置を実施する。

  2. 金融市場調節方針および資産買入れ方針については、以下のとおり決定した。
    1. (1)長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)(賛成7反対2)(注2)

      次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針は、以下のとおりとする。

      短期金利:
      日本銀行当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用する。
      長期金利:
      10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。その際、金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとし1、買入れ額については、保有残高の増加額年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買入れを実施する。
    2. (2)資産買入れ方針(全員一致)

      長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。

      1. [1]ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。その際、資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買入れ額は上下に変動しうるものとする。
      2. [2]CP等、社債等について、それぞれ約2.2兆円、約3.2兆円の残高を維持する。
  3. わが国の景気は、当面、海外経済の減速の影響を受けるものの、先行き、基調としては緩やかな拡大を続けるとみられる。物価も、景気の拡大や労働需給の引き締まりに比べて弱めの動きが続いているものの、先行き、マクロ的な需給ギャップがプラスの状態を続けることなどから、2%に向けて徐々に上昇率を高めていくと考えられる。もっとも、海外経済の動向をはじめ経済・物価の先行きを巡る不確実性は大きい。また、「物価安定の目標」の実現には、なお時間がかかることが見込まれる。
  4. こうした認識のもと、日本銀行は、消費税率引き上げの影響に加え、海外経済の動向を含めた経済・物価の不確実性を点検しながら、強力な金融緩和を粘り強く続けていくとの方針をより明確に示すこととした。あわせて、円滑な資金供給および資産買入れの実施と市場機能の確保に資するよう、適格担保の拡充などの諸措置を講じることが適当と判断した。日本銀行としては、強力な金融緩和を継続し、需給ギャップがプラスの状態を続けることにより、経済や金融情勢の安定を確保しつつ、「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現することを目指していく考えである。
  5. 日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を継続する。消費者物価指数(除く生鮮食品)の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する。今後とも、金融政策運営の観点から重視すべきリスクの点検を行うとともに、経済・物価・金融情勢を踏まえ、「物価安定の目標」に向けたモメンタムを維持するため、必要な政策の調整を行う。

以上


(別紙)

強力な金融緩和の継続に資する諸措置2

  1. 日本銀行適格担保の拡充
    1. (1)企業債務に関する信用力要件を、以下の基本方針のとおり緩和する。
      1. [1]外部格付けを取得している企業の債務については、当該企業がBBB格相当以上の格付けを取得していること。
      2. [2]外部格付けを取得していない企業の債務については、金融機関の自己査定で当該企業が正常先に区分されていること。
    2. (2)地方公共団体に対する証書貸付債権等については、貸付条件の決定方法として入札等の実施を求めない。非公募地方債については、公募地方債との表面利率および発行価格較差要件を求めない。
    3. (3)セカンダリー市場で取得した政府向け証書貸付債権等を適格担保として受入れ得ることとする。
  2. 成長基盤強化支援資金供給の利便性向上・利用促進
    1. (1)「成長基盤強化を支援するための資金供給」(円貨)の利用先に本資金供給の実績を踏まえた利用枠を付与し、その範囲内で資金供給を受けられることとする。
    2. (2)「成長基盤強化を支援するための資金供給」および「貸出増加を支援するための資金供給」について、新規貸付の実行日の期限を2021年6月まで延長する。
  3. 国債補完供給(SLF)の要件緩和

    最低品貸料の引き下げ、銘柄別の売却上限額の撤廃等の要件緩和を行う。

  4. ETF貸付制度の導入

    日本銀行が保有するETFを市場参加者に一時的に貸し付けることを可能とする制度の導入を検討する。

以上


  1. (注1)原田委員は、フォワードガイダンスを見直すにあたっては、物価目標との関係がより明確となるガイダンスとすることが適当であるとして反対した。片岡委員は、2%の物価目標の早期達成のためには、財政・金融政策の更なる連携が重要であり、日本銀行としては、中長期の予想物価上昇率に関する現状評価が下方修正された場合には追加緩和手段を講じるとのコミットメントが必要であるとして反対した。 本文に戻る
  2. (注2)賛成:黒田委員、雨宮委員、若田部委員、布野委員、櫻井委員、政井委員、鈴木委員。反対:原田委員、片岡委員。原田委員は、長期金利が上下にある程度変動しうるものとすることは、政策委員会の決定すべき金融市場調節方針として曖昧すぎるとして反対した。片岡委員は、先行きの経済・物価情勢に対する不確実性がさらに強まる中、金融緩和を強化することが望ましいとして反対した。 本文に戻る

  1. 金利が急速に上昇する場合には、迅速かつ適切に国債買入れを実施する。 本文に戻る
  2. 上記1.から3.までの措置については、実務上の準備が整い次第速やかに実施する。ただし、1.(1)、(2)および2.の措置については、次回以降の金融政策決定会合における基本要領等の所要の改正が必要となる。 本文に戻る

(参考)

開催時間
4月24日(水) 14:00~15:58
4月25日(木) 9:00~12:20
出席委員
議長 黒田 東彦(総裁)
雨宮 正佳(副総裁)
若田部昌澄( 副総裁 )
原田 泰 (審議委員)
布野 幸利( 審議委員 )
櫻井 眞 ( 審議委員 )
政井 貴子( 審議委員 )
鈴木 人司( 審議委員 )
片岡 剛士( 審議委員 )

上記のほか、

4月24日
財務省  茶谷 栄治 大臣官房総括審議官(14:00~15:58)
内閣府  中村 昭裕 内閣府審議官(14:00~15:58)
4月25日
財務省  うえの 賢一郎 財務副大臣(9:00~11:55、11:59~12:20)
内閣府  田中 良生 内閣府副大臣(9:00~11:55、11:59~12:20)

が出席。

公表日時
当面の金融政策運営について――4月25日(木)12:27
経済・物価情勢の展望(基本的見解)――4月25日(木)12:27
経済・物価情勢の展望(背景説明を含む全文)――4月26日(金)14:00予定
主な意見――5月10日(金)8:50予定
議事要旨――6月25日(火)8:50予定

以上