金融政策決定会合議事要旨
(2000年 9月14日開催分)*
- 本議事要旨は、日本銀行法第20条第1項に定める「議事の概要を記載した書類」として、2000年10月13日開催の政策委員会・金融政策決定会合で承認されたものである。
2000年10月18日
日本銀行
(開催要領)
- 1.開催日時
- 2000年9月14日(9:01〜12:21、13:13〜14:38)
- 2.場所
- 日本銀行本店
- 3.出席委員
-
- 議長 速水 優(総裁)(注)
- 藤原作弥(副総裁)
- 山口 泰( 副総裁 )
- 武富 将(審議委員)
- 三木利夫( 審議委員 )
- 中原伸之( 審議委員 )
- 篠塚英子( 審議委員 )
- 植田和男( 審議委員 )
- 田谷禎三( 審議委員 )
- (注)速水委員は、月例経済報告等に関する関係閣僚会議に出席のため、9:01〜10:20の間、会議を欠席した。この間、藤原委員が、日本銀行法第16条第5項の規定に基づき、議長の職務を代理した。
- 4.政府からの出席者
-
- 大蔵省 村田吉隆 総括政務次官( 9:01〜14:38)
- 経済企画庁 小野晋也 総括政務次官( 9:01〜12:21)
小峰隆夫 調査局長 (13:17〜14:38)
(執行部からの報告者)
- 理事増渕 稔
- 理事永田俊一
- 金融市場局長山下 泉
- 調査統計局長村山昇作
- 企画室審議役白川方明
- 国際局参事役沼波 正
- 企画室企画第1課長雨宮正佳
- 調査統計局企画役吉田知生
(事務局)
- 政策委員会室長横田 格
- 政策委員会室審議役村山俊晴
- 国際局国際調査課長桜庭千尋( 9:01〜 9:44)
- 政策委員会室調査役飛田正太郎
- 企画室調査役栗原達司
- 企画室調査役内田眞一
I.金融経済情勢等に関する執行部からの報告の概要
1.最近の金融市場調節の運営実績
金融市場調節については、前回の会合(8月11日)で決定された金融市場調節方針1にしたがって運営した。この結果、オーバーナイト金利は、概ね0.25%で安定的に推移している。
まず、金融市場調節方針の変更直後の8月14日と15日のオーバーナイト金利は、誘導目標の0.25%を下回った。金融機関は8月11日の利上げを見越して準備預金の積みを大幅に進捗させていたため、この両日は資金需要が乏しかった。一方、日本銀行の金融市場調節では、ゼロ金利政策の方針のもとで、8月11日まで大量に資金を供給してきたため、市場には一日で吸収しきれないような規模の資金が残っていた。この結果、14日、15日(7月準備預金積み最終日)の市場では、需給が大幅に緩んだ状態が続くことになった。なお、米国でも、利上げ後に市場金利が誘導目標水準に達するまでに数日間を要する傾向があることが確認されている。
新積み期入りとなった8月16日以降は、当初、金融機関が流動性の確保を重視して資金を積極的に調達したため、オーバーナイト金利は0.25%を上回る局面もあったが、日本銀行が資金を潤沢に供給したことを受けて、市場は徐々に落ち着きを取り戻した。オーバーナイト金利は、8月18日以降、概ね0.25%で安定的な動きを続けている。
なお、日銀当座預金残高は、準備預金制度非適用先の当座預金と超過準備のいずれも、ゼロ金利政策時と比べて大幅に減少した。また、コール市場残高は、普通預金からのシフトバックを中心に、18兆円から25兆円程度まで回復している。
- 「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて0.25%前後で推移するよう促す。」
2.金融・為替市場動向
(1)国内金融資本市場
ゼロ金利政策解除直後の金融資本市場の動きは、きわめて落ち着いており、市場関係者が政策変更を冷静に受け止めたことが確認された。8月後半には日経平均が17千円台に乗せ、長期金利は9月上旬に2%直前まで上昇したほか、円相場も幾分円高方向での動きとなった。もっとも、その後は、株価、長期金利、円相場はいずれも軟化した。
株式市場では8月下旬にいったん、日経平均が17千円台を回復したあと、米国NASDAQ指数の下落や日本企業の中間期末を控えた持ち合い解消売りの圧力などから軟化を続け、最近では、前回会合時並みの16千円台前半で推移している。ただし、市場のセンチメントは、堅調な企業業績見通しや、米国経済のソフト・ランディング期待の強まりなどを受けて、さほど弱気化していない。
長期金利は、8月後半以降ジリ高傾向となり、9月上旬には2%直前まで上昇した。8月末に株価が軟化に転じたあとも、長期金利が上昇を続けたことには、財政政策運営に対する懸念も影響しているものとみられる。その後は、幾分弱めの経済指標の発表などを受けて反落し、最近では1.8%台後半での推移となっている。
短期金融市場のターム物金利では、年末越えの4か月物金利が、RTGS(資金の即時グロス決済、2001年1月4日開始予定)を控えた資金調達意欲の強まりから、幾分強含んでいる。
(2)為替市場
円の対ドル相場は、前回会合以降、幾分上昇した。日本の景気に対する見方の強まりや、米国経済の減速を示唆する指標の発表、さらにはユーロ急落の動きも加わって、9月7日には対ドルで一時104円台まで上昇した。その後は、日本の弱めの経済指標の発表や、一部格付機関による本邦国債の格下げ発表などから、円相場は幾分反落している。もっとも、市場のセンチメントは、依然として円について強気なようである。
円の対ユーロ相場は急伸し、既往最高値を大きく更新した。欧州当局者の発言や、本邦機関投資家による中間期末を控えたユーロ建債の処分売りを巡る思惑などが、ユーロ売りの材料となった。
3.海外金融経済情勢
米国経済についてはソフト・ランディングへの期待が強まっており、海外経済全体としては拡大基調が続いている。原油価格上昇については、物価への影響が出始めている国があり、各国とも、今後実体経済にどのような影響が出てくるのかを注目している。
米国では、内需主導の高成長を続けているが、耐久財消費、住宅着工、雇用統計など、景気減速を示す指標が増えており、物価動向も落ち着いている。8月22日のFOMCでは金利据え置きが決定され、その際の公表文に「需要が潜在成長率に向かって減速しつつあることが確認された」との認識が示されたため、追加利上げ観測が後退し、長期金利は幾分低下した。ただし、FOMCは同時に、「需給ギャップを巡るリスクはなお懸念され、引き続きインフレ・リスクを注視している」ことも併せて表明し、慎重な姿勢を崩していない。
ユーロエリアでは、内外需とも拡大を続けている。景況判断指数は引き続き高水準で推移しており、失業率も9.1%と92年以来の低水準にある。物価は、原油高やユーロ安の影響もあって、引き続きジリ高傾向を辿っており、7月の消費者物価上昇率は前年比+2.4%と、ECBの物価安定の定義の範囲を上回っている。こうした状況のもとで、ECBは8月31日に0.25%の利上げを決定した。
東アジア諸国では、輸出の好調や、既往の景気浮揚策の効果浸透などから、個人消費、設備投資の持ち直しが続いている。多くの国では、本年第2四半期のGDPの伸びが幾分鈍化したが、回復基調は維持されている。物価面では、需給の引き締まりに原油高も加わって、消費者物価の上昇率は緩やかながら上昇している。
4.国内金融経済情勢
(1)実体経済
この1か月間、大きく振れた指標が幾つかみられたが、「わが国の景気は、企業収益が改善する中で、設備投資の増加が続くなど、緩やかに回復している」という判断を動かす必要はないと考えられる。
最終需要をみると、公共投資は補正予算の執行一巡に伴い、減少に向かい始めている。純輸出は緩やかな増加傾向を辿っている。民間需要面では、設備投資が増加を続けている一方、個人消費はなお回復感に乏しい展開が続いている。こうした下で、生産は増加を続けている。
このように、企業部門を起点とする所得と支出の前向きの循環は、前進を続けている。4〜6月期の法人季報では、企業収益の改善傾向が確認された。設備投資は一服したが、先行指標の動きも勘案すれば、基調としては増勢が維持されているとみられる。また、6〜7月の毎勤統計で、両月をあわせてみれば、企業の賞与削減の動きが一巡したことが確認され、家計の所得環境は引き続き厳しい状況にあるとはいえ、先行き緩やかながら改善に向かう下地は整ったとみられる。
物価面では大きな変化はない。国内卸売物価は横這いの一方、消費者物価は幾分弱含みの推移が続いている。この間、企業向けサービス価格は、小幅の下落を続けている。
先行きの景気も、以下の3つの理由から緩やかに回復する可能性が高い。第1に、世界的な情報関連需要の拡大を背景とする輸出、企業収益、設備投資の連鎖が当面は続くとみられる。第2に、企業の人件費抑制スタンスに大きな変化はないが、それでも、家計所得が、今後、生産の増加につれて緩やかに改善する下地は整っている。第3に、補正予算が編成されれば、これまで下期以降に顕現化するとみていたフィスカル・ドラッグの影響がその分弱まる。
物価の先行きについては、全体として、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退している。最近の原油価格上昇の影響は物価の上昇方向に作用するとみられるが、技術進歩、流通合理化、および規制緩和の影響が低下方向に働くとみられる。こうした事情のもとで、各種物価指数は、全体としてみれば、横這いないしやや弱含みで推移すると予想される。
(2)金融環境
ゼロ金利政策解除後のデータはまだ十分には揃っていないが、各種の情報を総合すると、これまでのところ、金融機関の貸出姿勢や企業金融の緩和傾向に大きな変化は生じていないとみられる。
民間銀行貸出は、基調的には弱めの動きが続いているが、このところ、前年比マイナス幅の拡大傾向には、歯止めがかかりつつある。ヒアリングによれば、IT関連等に新規資金需要の動きがみられるとの指摘もあるが、これらが貸出全体を大きく持ち上げるまでにはまだ至っていない。資本市場では、CPの発行残高が、前月に比べて減少した。社債は、月々の振れはあるが、均してみれば毎月5,000〜6,000億円程度の発行ペースを維持している。
8月のマネーサプライの前年比伸び率は+1.7%と、前月に比べて0.3%ポイント低下し、94年6月の+1.5%以来の低い伸びとなった。8月のマネタリーベースの伸びは、ゼロ金利政策の解除に伴って超過準備や準備預金制度非適用先の日銀当座預金が大幅に減少したことから、前年比伸び率は+4.6%と前月に比べ1.2%ポイントの大幅低下となった。
企業の資金調達コストは、市場金利上昇を背景に、長短プライムレートや社債、CP金利などで、わずかながら上昇している。
7月の企業倒産は増加した。業種別には、卸売・小売業や建設業の倒産が目立っている。
II.金融経済情勢に関する委員会の検討の概要
(1)景気の現状
景気の現状について、大方の委員は、この1か月間の動きをみたところ、一見弱めにみえる指標も出ているので慎重な点検が必要であるとしたうえで、「景気は、企業収益が改善する中で、設備投資の増加が続くなど、緩やかに回復している」という前回会合時の判断を変更する必要はないという認識を共有した。
まず、各委員の関心は、足許の民間需要の動向に向けられた。
設備投資の現状について、何人かの委員は、4〜6月期のGDP速報では設備投資が前期比減少となったが、これは一時的なものであるとの判断を示した。その根拠としてそれらの委員は、(1)4〜6月期の法人季報で企業収益の改善が続いていることが確認されたこと、(2)電機メーカーなどで今年度の設備投資の上方修正が続いていること、(3)先行指標も増加基調にあること、さらには(4)生産や第3次産業活動指数も増加していること、などを挙げて、企業部門全体としての改善傾向に変化はないとの認識を述べた。
ただし、このうちのひとりの委員は、過剰債務の処理、退職給付会計や時価会計の導入、国際競争による価格引き下げ圧力など、潜在的な減益要因が少なくなく、企業収益の実態にはまだ脆弱な面が残っていると発言した。
なお、これらとは別のひとりの委員は、(1)法人季報の設備投資の増加が、13業種のうち不動産、電機、サービス、および食料品の4業種に偏っており、業種的な広がりがみられないこと、(2)機械受注統計の業界見込みに対する実績達成率が低下していること、(3)中小企業や個人企業の設備投資の伸び率が低下していること、などを指摘して設備投資についてきわめて慎重な判断を述べた。
家計所得や個人消費については、何人かの委員から、ボーナス支給が6〜7月を均してみて前年を上回ったことを踏まえ、雇用者所得の緩やかな改善が始まっているのではないか、との見方が示された。
このうちのひとりの委員は、雇用所得環境の改善傾向を窺わせる材料として、最近の自営業者や家族従業者の減少が第1次オイルショック時に次いで大幅なものとなっているにもかかわらず、雇用者数の増加がそれをカバーしていることは注目に値すると指摘した。また、別のひとりの委員は、(1)「大蔵省景気予測調査」によれば、中堅・中小企業では雇用に不足感が出始めていること、(2)ある就職専門誌が掲載する求人広告件数に対する応募者数の比率が、このところ急速に高まっていること、(3)中小企業でボーナスを支給している事業所の割合が増加している模様であること、などを紹介した。
こうしたもとで、個人消費について、ひとりの委員は緩やかな回復に向かいつつあるのではないか、との見方を述べた。また、何人かの委員は、4〜6月期のGDP速報において個人消費が2四半期連続で増加したことについて、他の関連指標を踏まえると強すぎる感は否めないが、同時に、個々の販売統計では捉え切れていない個人消費の動きを示している面もあるので注目したいとの考えであった。さらに、もうひとりの委員は、価格引き下げ競争に巻き込まれていて回復感に乏しい生産の現場でも、個人消費が数量面で持ち直しているという手応えをつかんでおり、その意味では「消費は平時に戻った」と言えるが、雇用・所得の回復に時間がかかる中で個人消費にはなお注意を要することに変わりはないと述べた。
なお、これらとは別のひとりの委員は、(1)4〜6月期のGDP速報の個人消費は、介護保険サービスの導入、世帯数の増加、家賃の寄与によって実勢以上に押し上げられた面がある、(2)企業の人件費は法人季報でみて前年比5%程度減少しており、雇用所得環境が改善したとは言えない、(3)今後は公務員給与引き下げの影響が雇用所得面に現れる、などとして、家計部門についてもきわめて慎重な立場をとった。
4〜6月期のGDP速報の評価についても、何人かの委員が発言した。大方の委員は、内訳計数の前期比は振れが大きかったり、民間需要よりも公的需要の寄与が大きかったりしているが、1〜3月期の動きと合わせて均してみれば、公的需要主導から民間需要主導へしっかりとシフトしていることが確認できるとの評価を述べた。このうちの複数の委員は、この数字を前提とすると2000年度の経済成長率が2%前後になる可能性が高まっているとの見方を示した。
また、GDPデフレーターの大幅下落について、ひとりの委員は、(1)輸出デフレーターの大幅下落や公務員賞与の削減を受けた政府最終消費支出にかかるデフレーターの下落などが寄与している、(2)国内の需給状況をより反映した民需デフレーターや民間最終消費支出デフレーターの下落幅は昨年末頃と比べて若干小さくなっている、としたうえで、GDPデフレーターの下落幅が大きいことだけをもって、「需要の弱さに由来する物価低下圧力が大きく後退している」との判断を変える必要はない、との見解を述べた。
さらに、何人かの委員は、GDP統計の所得面に注目し、(1)雇用者所得の伸びがGDPの伸びを上回っており、ユニット・レーバー・コストは上昇している、(2)最近の企業収益動向からみて、ユニット・プロフィットも上昇している可能性が高い、ということを踏まえると、4〜6月期速報のGDPデフレーターが大幅マイナスとなったことは整合的ではない、との問題提起を行った。また、このうちのひとりの委員は、GDP統計において高めとなった雇用者所得の伸びに関し、最近のほかの指標から判断するともう少し緩やかな伸びに落ち着くのではないかとの見方を付け加えた。
これらとは別のひとりの委員は、設備投資や個人消費について慎重な見解を述べたほか、(1)景気動向指数からみた景気の量感はピークをつけた可能性がある、(2)生産動向は、電気機械、化学(除く医薬品)、紙パなどが堅調だが、それ以外の業種や全体では過去のピークを更新していない、(3)公共投資は今後も趨勢的な減少傾向を辿ると見込まれる、(4)世界経済に関するOECDの先行指標(コンポジット・リーディング・インディケーター)の動きも鈍っている、といったことを挙げて、きわめて慎重な景気認識を示した。
(2)金融面の動き
金融面については、ゼロ金利政策の解除を受けた金融資本市場の反応は総じて冷静であった、という認識がほぼ共有された。
まず、ゼロ金利政策解除後の金融資本市場の動向について、多くの委員が、ゼロ金利政策を解除した前後で大きな変化はなく、きわめて冷静な反応であったとの認識を明らかにした。また、金融環境についても、金融機関の貸出姿勢や企業金融が緩和された傾向には大きな変化はみられない、との見方が示された。
さらに、何人かの委員は、ゼロ金利政策の解除が実体経済動向に及ぼすインパクトについても、現段階での評価は時期尚早だが、金融資本市場の冷静な反応を踏まえると、少なくともこれまでのところでは大きな影響は出ていないとみられると発言した。
ゼロ金利政策解除の短期的な影響が一巡したとみられる8月後半以降の金融市況の動きについても、各委員からの発言があった。
何人かの委員は、8月下旬までの金融資本市場では、株価の上昇、長期金利の若干の上昇、および円相場の強含みという「日本買い」の現象がみられたあと、8月末から9月上旬にかけては、株価が軟化する一方で、長期金利や円相場がなお上昇するといったかたちで、市場によって動きが区々となったことに注目した。
8月末以降に株価が先行して下落したことについては、持ち合い解消売りの圧力が強まったことや、米国株式市場の軟化の影響などが、その要因として挙げられた。ひとりの委員は、株価についてはグローバライゼーションの流れの中で捉えるべきであり、国際的に割高なPERや持ち合い構造が修正される間は株価は下落圧力を受け続ける、と発言した。また、その委員は、米国株式市場について、チャート分析等によれば米国株価は9月から10月末にかけて大きく下落する危険性があるとも付け加えた。これとは別の複数の委員は、株価下落の主たる要因が持ち合い解消売りであるならば、それが一巡すれば市場は落ち着く筋合いにあるとの考えを述べた。
一方、長期金利や円相場がその間も上昇を続けたことについては、強気の景況感が維持されるもとで、国債増発に対する警戒感やユーロ安の影響などが加わったことが指摘された。
なお、ひとりの委員は、最近のユーロの下落について、今後、日本企業のユーロ向け輸出の競争力低下や、ユーロ圏の本邦現地企業の連結ベースでの収益悪化といった影響が出てくる可能性があるので、注意が必要であると発言した。
このほか、複数の委員は、マネーサプライや民間銀行貸出などの量的金融指標が弱い動きを続けていることに言及した。それらの委員は、こうした量的指標の低迷は、企業収益の好転によって既往債務を返済しようとする動きが続いていることや、金融システム不安の後退を反映したものであり、基本的に景気回復と両立しうるとの立場をとった。このうちのひとりの委員は、マネーサプライの伸びの低下には、法人預金の一部が普通預金から銀行CP等に流出するといったシフトが寄与しており、広義流動性の伸び率は安定的に推移していると指摘した。そのうえで、その委員は、引き続き様々な量的金融指標を丹念に点検し、金融システム不安の状況、設備投資と企業のキャッシュ・フローの関係、金融機関の貸出態度、個人・法人の債務の返済動向などと合わせて、総合的に解釈していく必要があると発言した。また、もうひとりの委員は、表面的なマネー関連指標の動きだけをもって、「金融が引き締まった」と誤解されることのないよう、十分に説明していくことが必要であるとの考えを付け加えた。
(3)景気の先行き
景気の先行きについても、「海外経済等の外部環境に大きな変化がなければ、設備投資を中心に緩やかな回復が続く」という前回会合時の判断が維持された。
会合では、主に民間需要の回復力とその持続性について、議論が行われたが、その前提として、まず、それらを支える外生需要を巡って、いくつかの意見が述べられた。
公共投資については、複数の委員が、平成11年度補正予算の効果は一巡しており、今後は、今年度の補正予算の内容と規模に注目していきたいと発言した。
住宅投資についても、ひとりの委員から、現状はマンション建築に支えられているが、今後の下支えとしては、住宅減税の延長が必要であるとの発言があった。一方、別の委員は、今後の住宅投資動向が住宅減税次第であることは事実としても、かりに住宅投資が減少しても、経済全体に対する影響は限定的である、との立場をとった。
輸出面では、ひとりの委員が、7月の輸出の減少は通関日数減少による一時的な振れの可能性が高く、海外経済が拡大基調を辿っていることを踏まえると、輸出の増勢は維持されているとの判断を述べた。一方、複数の委員は、いくつかの財ではアジアなどで現地在庫が積み上がっていることや、米国自動車販売の減速を見越して本邦自動車メーカーが減産計画を立てていることなどを挙げて、今後、輸出が一時的な踊り場を迎える可能性もあると指摘した。
民間需要の展望については、設備投資の裾野の広がりや、その持続力を軸に意見が交された。
まず、設備投資の裾野の広がりについては、何人かの委員が発言し、これまではIT関連産業が設備投資の増加を主導してきたが、ここにきて、業種や規模を問わず回復感が広がりつつある、との認識を明らかにした。
もっとも、これらの委員の中には、情報関連財の設備投資について、日本ばかりでなく、欧米、アジアなど世界規模でそのピッチが速まっているため、今後、世界的な供給過剰に陥るリスクがあることを念頭におく必要があるとの意見もあった。ひとりの委員は、米国NASDAQ市場は、こうした動きに敏感に反応するので、この面にも注意を払う必要があると発言した。ただ、別の委員は、現在の情報関連財の設備投資は、95〜96年の時のような汎用性の高いDRAM(Dynamic Random Access Memory)一辺倒ではなく、商品や販売先が多様化しているので、そのリスクを過度に深刻に受け止める必要もないとの見解を述べた。
次に、設備投資の持続性との関連で、企業の構造調整の進展度合が議論された。会合では、構造調整圧力が引き続き経済の重石となっているというのが、各委員の共通認識ではあったが、ひとりの委員は、企業の人件費削減による労働分配率の低下や販売管理費の削減などを踏まえて、企業経営のリストラがかなり進展している、との認識を述べた。別の委員も、企業部門の調整の度合いを、売上高営業利益率、労働分配率、損益分岐点比率の観点で確認すると、現状はいずれも、前回の景気のピークであった97年1〜3月期のレベルに比肩するところまで改善してきており、今後企業部門の好調が続けば、これらを上回ってさらに改善することが期待されると発言した。
なお、ほかのひとりの委員からは、構造調整の先送りは許されない状況にあるが、昨年来、航空宇宙、原子力、食品、および自動車などの各業界で事故が相次いでおり、構造調整を進める際にも基本技術と品質管理という原点に立ち返った製造業の基盤強化を欠いてはならないとの認識を述べた。
以上のような企業部門や設備投資の展望を踏まえ、何人かの委員は、今後の景気回復も、引き続き、企業先行・家計遅行のかたちをとりながら、緩やかなものとなる可能性が高いとの見解を述べた。
ひとりの委員は、雇用・所得環境の緩やかな改善が始まった可能性があるとは言っても、前年比1%前後の伸びとなっている雇用者所得の動きが、今年の冬季賞与や来年度のベアで大きく上方に屈折することは考えにくいとの展望を示したうえで、景気回復は緩やかなものになるとの認識を明らかにした。ただし、その委員は、今後、財政面からの景気サポートが減衰することを見込んだとしても、海外環境等に大きな変化がなければ、企業収益に支えられた設備投資の増加が続き、GDPギャップが縮小していくことは十分に可能であるとの考えであった。
会合では、最近の原油相場の上昇や、その影響についても議論が行われた。
まず、ひとりの委員から、原油相場の上昇は、世界的な経済ファンダメンタルズの改善だけではなく、市場の思惑などによって動きが増幅されている可能性があるとの見方が示された。その委員は、欧州では、物価全体が上昇傾向にあることもあって、原油価格上昇を深刻に受け止めていることも紹介した。しかし、この委員も含めた複数の委員は、現在は、エネルギー源の多様化や省エネが進んでいるため、原油価格の影響は過去に比べて小さくなっているとの認識を明らかにした。また、別の複数の委員からは、とりわけ日本について、現在は需給バランスにゆとりがあるため、原油価格上昇が輸入物価の上昇をもたらすようなことはあっても、それがコストアップ要因となって物価全体を押し上げるようなことにはならない、との判断が示された。
なお原油価格の先行きについて、ひとりの委員は、すでに産油国はかなりの増産をしており、その多くが消費国に入着すれば各国の在庫が補填されるほか、今後米国が戦略石油備蓄を取り崩せば年明けには原油の需給は供給超過に転ずる可能性があると指摘した。同時にその委員は、今後北半球では暖房用の需要が高まる中で、イラクの動きや先物市場の動向次第では、年末にかけて乱高下する可能性があるとの認識も付け加えた。
こうした議論のあと、各委員は、原油価格の動向やその影響について、注意深く見ていく必要があることを確認した。
III.当面の金融政策運営に関する委員会の検討の概要
以上のような金融経済情勢を踏まえて、当面の金融政策運営の基本的な考え方が検討された。
多くの委員の金融経済情勢に関する認識は、(1)景気の現状は、企業収益が改善する中で、設備投資の増加が続くなど、緩やかに回復している、(2)ゼロ金利政策解除後の金融資本市場の反応は冷静である、(3)先行き、海外経済等の外部環境に大きな変化がなければ、今後も設備投資を中心に緩やかな回復が続く可能性が高い、(4)需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退している、といったものであった。
ひとりの委員は、ゼロ金利政策の解除は、経済情勢の改善に応じて政策金利を微調整する措置として決定したものであるが、ここから先についても、(1)需給ギャップの縮小テンポの緩やかな状態が続くと見込まれること、(2)賃金の上昇が物価を押し上げるような情勢ではないこと、(3)来年後半の経済の見通しはまだ不透明であり、設備投資の持続性についてチェックをすることが欠かせない、といったことを挙げたうえで、当面は、需給ギャップの着実な改善とそれの持続を実現することが必要である、との見解を述べた。
また、別の委員は、(1)現在でもゼロ金利政策の解除はやや早すぎたと考えているが、(2)だからといって直ちにゼロ金利に戻るようでは、政策運営の信認が損なわれる、(3)したがって、この時点でゼロ金利に戻ったとしても、ターム物金利等の低下はほとんど期待できず、政策としての効果はきわめて限定的であるとして、あらためてゼロ金利に戻すことを求める考えは今回はない、との立場を明らかにした。
この結果、これらの委員も含めた大方の委員の共通認識としては、現在の金融緩和スタンスを維持し、物価の安定を確保するもとで、景気回復を支援していくことが適当である、という線で一致した。
先行きの金融政策運営の考え方についての発言もあった。
ひとりの委員からは、市場の関心は専ら次の利上げに移っており、日本銀行は、これまでの「デフレ懸念の払拭」に代わるようなフレームワークを示すべきであるといった声をよく聞くが、こうした見方はやや過大な期待であり、当面は、日本経済がどのような成長経路を辿り、物価がどのように推移するかを精査分析していくことが先決である、との認識が示された。また、その委員は、日本経済は改善しているとは言っても、バブル崩壊後の構造調整の重石を抱えており、そうしたもとで、先行きの政策運営に枠組みをはめるのは得策ではない、との見解も付け加えた。
別の委員も、先行きの政策運営に具体的なメルクマールを設定することには、慎重な考えであった。その委員は、市場が数値を用いた政策運営の尺度を求めることには無理もない面はあるが、(1)だからと言って中央銀行がそうした尺度を示しても、それによって透明性の確保が達成される訳ではない、(2)安易にそうした尺度を示すと却って経済の自律調整メカニズムを歪める惧れもあると発言した。そのうえで、その委員は、今後の政策運営の基本的な考え方としては、景気の回復が進めば、それに応じて金利を微調整していくということに尽きるのではないか、との見解を明らかにした。
こうした議論を踏まえて、もうひとりの委員は、先行きの政策運営については、(1)当面は、金融緩和スタンスを継続して景気回復を支援していくという方針のもとで、民間需要の自律回復力やその持続性、そのもとでの物価動向などを、注意深く見守っていく、(2)その際は、日本銀行の情勢判断や政策運営の考え方を国民や市場に対して丁寧に説明していくことが大切である、と総括した。
ほかのひとりの委員は、当面留意すべき事項として、(1)金利機能がフルに活かされるように、市場の活性化を図ることが大切であり、そのためには、債券市場や株式市場などの流動性を拡大することが必要である、(2)それによって、家計も今まで以上に直接金融市場にアクセスし、多様な金融資産選択を行い得るようになることが望まれる、(3)海外からの資金を受け入れることができるよう、市場の諸制度を整え、円の国際化につなげる必要がある、(4)郵便貯金を含めた金融再編や、RTGSなどによる決済制度の合理化も重要である、といった諸点を列挙した。
以上の議論のあと、議長より、今春以降続けてきた「物価の安定」の総括的検討については、現在、執行部で取りまとめ作業を急いでいるところであるが、本件の早期公表に対する各方面からの期待の強さも踏まえ、10月の決定会合で委員会の了承を得たいとの考えが示された。各委員はこれに賛意を示し、その方針を定例記者会見で対外的に明らかにするところとなった。
以上とは別のひとりの委員は、まず、ゼロ金利政策の解除について、(1)構造的なデフレ圧力より循環的な回復力の強さに焦点を当てたものであり、金融政策の対象が、オールド・ジャパンからITに代表されるニュー・ジャパンに切り替えられたことになる、(2)雇用所得動向に必ずしも明確な回復が確認できないもとで、設備投資の緩やかな回復だけで政策変更を行った、(3)市場心理に関する判断を明確にしないまま解除の決断に至った、と述べた。
そのうえで、その委員は、CPI上昇率に目標値を設けたうえで、マネタリーベース・ターゲティングに移行し、また、その実現のために日銀当座預金残高を増やすことを主張した。
その理由として、この委員は、(1)ゼロ金利政策解除後は弱目の指標が多く、8月に比べても状況が好転したとはとても言えない、(2)4〜6月期のGDPは公的需要がサポートしているにすぎない、(3)各需要コンポーネントは、大方の期待とは異なり、今後次第に弱まっていく公算が高い、(4)GDPデフレーターや消費者物価の前年比マイナス幅は大きく、物価の状況も全く改善していない、(5)マネタリーベースの縮小テンポが急激であり、為替、長期金利、株価への悪影響が懸念される、(6)日本銀行の政策目標は不透明であり、世界の流れに逆行している、といったことを挙げたうえで、こうした状況のもとでは、量的緩和を行って、潜在成長率である1.5〜2.0%まで景気を加速させ、これを一定期間維持する必要があるとの見解を述べた。
IV.政府からの出席者の発言
会合の中では、大蔵省からの出席者からは、以下のような趣旨の発言があった。
- わが国経済は、4〜6月期のgdp統計が2四半期連続のプラス成長となるなど緩やかな改善が続いているが、雇用情勢は依然として厳しく、個人消費も概ね横這い状態となっている。設備投資は足許持ち直しの動きが続いているが、業種や規模によるばらつきがある。企業収益の大幅な改善が、雇用・所得環境の改善や個人消費の増加に繋がっていくのかどうか、まだ確信を持てる状況にはない。物価面でも、gdpデフレーターや消費者物価指数の前年比マイナスが続いている。このように、民需はまだ力強さを欠く状況にあると思われる。
- 政府としては、引き続き、経済動向を注視しつつ、景気を民需中心の本格的回復軌道に乗せていくよう、全力を尽くしてまいりたい。他方、わが国の財政運営は一段と厳しさを増しており、今後は公需から民需への円滑なバトンタッチを行うとの観点に配慮しつつ、予算内容の効率化を進めることにより、公債発行額をできる限り圧縮していくことが必要と考えている。補正予算については、財政首脳会議の場等において議論されているが、いずれにせよ、こうした認識の下、財源は専ら国債に頼ればよいという考え方は再考しなければならないと考えている。
- 日本銀行におかれては、政府による諸施策の実施と合わせ、わが国経済を民需中心の本格的な回復軌道に乗せていくよう、経済動向を注視しつつ、豊富で弾力的な資金供給を行うなど、適切かつ機動的な金融政策運営を行って頂きたい。
経済企画庁からの出席者より、以下のような趣旨の発言があった。
- 景気は厳しい状況をなお脱していないが、緩やかな改善が続いているという判断である。各種の政策効果やアジア経済の回復などの影響に加えて、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが続いている。4〜6月期のgdpは2四半期連続のプラス成長となったが、いくつか懸念材料がある。具体的には、(1)雇用情勢が依然厳しい、(2)猛暑の効果はあったが、消費全体の停滞感は強い、(3)原油価格の上昇が米国やアジアに与える影響が懸念される、(4)物価は弱く、地価の下落も続いている、(5)株価が下落している、(6)倒産件数、負債金額が増加している、(7)金利の上昇や円高の傾向がみられる、といったことである。
- 今後の経済を展望すると、少なくとも年内は企業部門を中心に緩やかな回復が続くと思われるが、家計部門に波及するにはなお時間がかかるため、今後も下方リスクが多いことに留意した用心深い政策運営が必要である。
- 日本銀行におかれては、今後とも、金融為替市場の動向も注意しつつ豊富でかつ状況に応じて弾力的な資金供給を行うなど、引き続き景気回復に寄与するような金融政策を運営して頂きたい。
V.採決
多くの委員の認識をあらためて総括すると、(1)景気の現状は、企業収益が改善する中で、設備投資の増加が続くなど、緩やかに回復している、(2)ゼロ金利政策解除後の金融資本市場の反応は冷静である、(3)先行き、海外経済等の外部環境に大きな変化がなければ、今後も設備投資を中心に緩やかな回復が続く可能性が高い、(4)需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退している、といったものであった。
こうした認識を踏まえ、会合では、物価の安定を確保するもとで、景気回復を支援していくとの観点から、現在の金融緩和スタンスを継続することが適当である、という意見が大勢を占めた。
ただし、ひとりの委員からは、CPI上昇率およびマネタリーベースの伸び率に目標値を設定して、量的緩和に踏み切ることが適当であるとの考えが示された。
この結果、次の2つの議案が採決に付されることとなった。
中原委員からは、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針について、「中期的な物価安定目標として2002年10〜12月期平均のCPI(除く生鮮)の前年同期比が0.5〜2.0%となることを企図して、次回決定会合までの当座預金残高を平残ベースで7兆円程度にまで引上げ、その後も継続的に増額していくことにより、2001年1〜3月期のマネタリーベース(平残)が前年同期比で15%程度に上昇するよう量的緩和(マネタリーベースの拡大)を図る。なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記マネタリーベースの目標等にかかわらず、それに対応して十分な資金供給を行う。」との議案が提出された。
採決の結果、反対多数で否決された(賛成1、反対8)。
議長からは、会合における多数意見をとりまとめるかたちで、以下の議案が提出された。
議案(議長案)
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を下記のとおりとし、別添1のとおり公表すること。
記
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて0.25%前後で推移するよう促す。
採決の結果
- 賛成:速水委員、藤原委員、山口委員、武富委員、三木委員、篠塚委員、植田委員、田谷委員
- 反対:中原委員
中原委員は、(1)マネーサプライやマネタリーベースなどの量的指標の収縮が目立っており、金融資本市場に及ぼす悪影響が懸念される、(2)需給ギャップがなお残り、物価動向に改善の展望が見出せないうえに、世界経済に不安材料もあるもとでは、できるだけ早期に、より積極的な成長を目指すような政策運営に転換する必要がある、(3)オーバーナイト金利0.25%の政策の目標がわかりにくく、政策のアカウンタビリティを高める必要がある、といったことを理由に挙げて、上記採決において反対した。
VI.金融経済月報「基本的見解」の検討
当月の金融経済月報に掲載する「基本的見解」が検討され、採決に付された。採決の結果、「基本的見解」が賛成多数で決定され、それを掲載した金融経済月報を9月18日に公表することとされた。
採決の結果
- 賛成:速水委員、藤原委員、山口委員、武富委員、三木委員、篠塚委員、植田委員、田谷委員
- 反対:中原委員
中原委員は、消費者物価が前年比マイナスで推移しているほか、GDPデフレーターの前年比マイナス幅が拡大している中で、需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力が「大きく」後退したとの判断について納得できないとして、上記採決において反対した。
VII.議事要旨の承認
前々回会合(7月17日)と前回会合(8月11日)の議事要旨が、各々全員一致で承認され、9月20日に公表することとされた。
VIII.先行き半年間の金融政策決定会合等の日程の承認
最後に、2000年10月〜2001年3月における金融政策決定会合等の日程が別添2のとおり承認され、即日対外公表することとされた。
以上
(別添1)
平成12年9月14日
日本銀行
当面の金融政策運営について
日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(賛成多数)。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて0.25%前後で推移するよう促す。
以上
(別添2)
平成12年9月14日
日本銀行
金融政策決定会合等の日程(平成12年10月〜13年3月)
会合開催 | 金融経済月報公表 | (議事要旨公表) | |
---|---|---|---|
12年10月 | 10月13日(金) 10月30日(月) |
10月16日(月) −− |
(11月22日(水)) (12月5日(火)) |
11月 | 11月17日(金) 11月30日(木) |
11月20日(月) −− |
(12月20日(水)) (1月24日(水)) |
12月 | 12月15日(金) |
12月18日(月) |
(1月24日(水)) |
13年1月 | 1月19日(金) | 1月22日(月) | (3月5日(月)) |
2月 | 2月9日(金) 2月28日(水) |
2月13日(火) −− |
(3月23日(金)) 未定 |
3月 | 3月19日(月) | 3月21日(水) | 未定 |
以上