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株式等振替制度の下におけるDVP決済(証券資金同時受渡)の実現について

2009年1月5日
日本銀行

 本日、「社債、株式等の振替に関する法律」1が施行され、株式、新株予約権付社債等(以下、「株式等」という)の完全ペーパーレス(無券面化)が実現しました。新しい法的枠組の下、(株)証券保管振替機構(以下「保振機構」という。)では、本日、「株式等振替制度」の運用を開始しました。同制度において、取引所に上場されている株式等2に関する決済は、無券面化の下での振替口座簿上の振替に統一されました3

 これに合わせて、日本銀行では、日銀ネットと保振機構の株式等振替システムのリンクをはじめとする所要の措置を講じ、本日、株式等の発行・償還時におけるグロス=グロス型のDVP決済(RTGS決済4)の取扱いを開始しました。

 日本銀行としては、株式等の完全ペーパーレス化と発行・償還時におけるDVP決済の実現により、証券決済の効率性・安全性が向上し、ひいては関連市場の整備・拡大に繋がるものと期待しています。日本銀行では、今後とも、関係各方面と協力しつつ、わが国証券決済システムの一層の改善に積極的に貢献していく考えです。

以上

  1. 同法は、「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律」の全面施行により、「社債等の振替に関する法律」(2003年1月施行)が改正されたもの。同改正により、適用対象となる証券が株式等に拡大される等の見直しが行われるとともに、法律の名称も「社債、株式等の振替に関する法律」に改められた。
  2. 外貨建てCB(転換社債型新株予約権付社債)など一部の証券を除く。
  3. 株式等の決済については、これまで、(1)券面の受渡しを通じて行う方式と、(2)「株券等の保管及び振替に関する法律」(1984年11月施行)に基づき、保振機構が運営する「株券等保管振替制度」の下、券面が保振機構に寄託された後、同機構における振替口座簿上の振替を通じて行う方式(「不動化によるペーパーレス化」)の2つの方式により行われていた。
  4. Real Time Gross Settlement(リアル・タイム・グロス・セトルメント)の略。グロス=グロス型のDVP決済とは、証券の振替と資金の振替を1件毎に紐付けて即時にグロスベースで決済する方法をいう。