「決済の未来フォーラム デジタル通貨分科会:ポストコロナのデジタル決済」参加者の募集について
2020年7月2日
日本銀行決済機構局
日本銀行では、7月30日、「決済の未来フォーラム デジタル通貨分科会:ポストコロナのデジタル決済」を開催いたします。
新型コロナウイルスの感染拡大は、個人の決済手段の選択に大きな影響を及ぼしています。世界的にATMからの現金引出しが減少しており、これには外出自粛や在宅勤務に伴い個人消費支出が減少したことが大きく影響していますが、消費者が現金を介する感染リスクを懸念し、キャッシュレス決済やコンタクトレス決済へと決済手段をシフトさせている側面もあります。現金による感染リスクに関して科学的根拠はこれまでのところ確認されていませんが、新型コロナウイルスが消費者の決済手段の選択に及ぼす影響は、一時的ではなく、感染終息後も持続的に作用するという指摘やそれを裏付けるアンケート調査もみられます。
デジタル決済の普及・拡大は、決済の利便性や効率性の改善に資する一方、決済の安全性や強靭性の確保が重要な課題となります。デジタル決済は、多くの場合オンライン利用が前提であり、自然災害の多いわが国では、通信・電力途絶時における決済の脆弱性が従来から課題とされてきたほか、サイバーリスクへの対応も重要です。コロナ禍でデジタル決済が停電やサイバー攻撃等で利用不能となった場合には、経済活動はさらに大混乱となったと思われます。また、スマートフォンなどの端末を持たないユーザーはデジタル決済を利用できません。子供や高齢者でも簡単に操作できる、安価な端末も提供されていることが望ましいと考えられます。わが国では、現金流通高のGDP比が2割を超えており、国民の中銀マネーへのアクセスが困難になるような状況ではありませんが、将来、現金決済からデジタル決済へと消費者の選択が大きくシフトしていけば、現金流通のチャネル自体が次第に縮小していくことも考えられます。そうしたシナリオを想定した場合、デジタル決済へのユニバーサル・アクセスの確保が社会的に重要になってきます。
このような点を踏まえると、「誰もがいつでも何処でも、安全確実に利用できる」という現金と同等の機能をデジタル決済においても確保することが重要であり、新型コロナの感染拡大は、社会に対してよりスピード感を持ってこの問題へ対応するよう促しているといえます。中銀デジタル通貨について検討する際にも、ユニバーサル・アクセスや(オフライン決済を含む)強靭性、安全性の確保は重要な視点です。
この分科会では、上記の問題意識のもと、コロナ前後のリテール決済の動向について概観した後、デジタル決済の改善に向けた技術的課題について整理します。また、ポストコロナのデジタル決済の将来像について、有識者間の意見交換を通して、理解を深めていきたいと考えています。
つきましては、デジタル決済事業に関わる企業等に所属しておられる方々で、上記を議論するラウンドテーブルへの参加や、ライブ配信による視聴を希望される方を募集いたします。フォーラムへのご参加を希望される方は、下記の要領に沿ってご応募くださいますようお願い申し上げます。なお、システムの制約上、応募者多数の場合は、必ずしもご希望に添えない場合がありえます点、予めご了承ください。
1.日時およびプログラム
日時
7月30日(木) 14:00-17:00(予定)
プログラム(仮)
- 開会挨拶
- プレゼンテーション
- (1)ポストコロナのリテール決済:顧客行動の変化と事業者の課題
<スピーカー>- 一般社団法人キャッシュレス推進協議会 事務局長 福田好郎 氏
- 一般社団法人Fintech協会 代表理事会長 丸山弘毅 氏
- 株式会社三井住友銀行 常務執行役員 デジタルソリューション本部長 渋谷愛郎 氏
- (2)デジタル決済の強靭性とユニバーサル・アクセスに関する技術的課題
<スピーカー>- 日本銀行決済機構局
(参考資料)決済システムレポート別冊「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」 - 東日本旅客鉄道株式会社 MaaS・Suica推進本部 決済事業部門 次長 祖山智幸 氏
- アイデミア・ジャパン株式会社 代表取締役 根津伸欣 氏
- 日本銀行決済機構局
- (1)ポストコロナのリテール決済:顧客行動の変化と事業者の課題
- ディスカッション
上記スピーカーとラウンドテーブル参加者 - ラップアップ
上記プログラムの内容は変更される可能性があります。
2.募集人数
ラウンドテーブル:若干名
ラウンドテーブルで、積極的な発言を希望される方を対象とさせていただきます。ただし、応募者多数の場合は、必ずしもご希望に添えない場合がありえます点、予めご了承ください。
ライブ配信:最大200名
デジタル決済事業に関わる企業等に所属しておられる方を対象とさせていただきます。
3.開催方法
本イベントはリモートで開催する予定です。ただし、状況次第で、スピーカーとラウンドテーブル参加者には、弊行本店にお集まりいただく可能性もございます。
4.応募方法
応募締切は、7月12日(日)です。
下記URLからお申込みください(外部サイトにジャンプします)。
https://fofa.jp/fpf0730/a.p/101/(参加申込みいただいた方には、登録完了をお知らせするメールが自動的に送信されます。メールが届かない場合には、post.fintech@boj.or.jpまでご連絡ください)
参加方法は後日、ご連絡いたします。
5.照会先
決済機構局
Tel : 03-3277-3640
E-mail:post.fintech@boj.or.jp