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決済の分野における日本銀行の役割

決済手段・決済システムの提供とオーバーサイト

2002年 9月24日
日本銀行

日本銀行から

 以下には、冒頭部分(はじめに)を掲載しています。全文は、こちら(set0209a.pdf 98KB)から入手できます。

はじめに

 貨幣経済の下で日々行われる様々な経済取引の多くは、当事者同士が「お金」と「もの」や「サービス」とをやりとりすることを約束するものと捉えることができる。こうした経済取引に伴う「お金」の受払いのことを「決済」(または「資金決済」)という。また、株式や債券の売買などに伴う証券の受渡しのことも決済といい、資金決済と区別するために「証券決済」と呼ばれることが多い。

 日本銀行は、こうした決済の分野において、銀行券や当座預金といった安全な決済手段を自ら提供するとともに、資金や国債の決済システムも提供している。また、日本銀行以外の主体が提供する決済システムについても、その安全性と効率性に目配りし、必要があればその改善に向けた働きかけを行っている(こうした活動は「オーバーサイト」と呼ばれる)。決済の分野における日本銀行のこうした活動は、わが国の決済全体が安全かつ効率的に行われることを確保することを目的とするものである。

 本稿では、そもそも中央銀行が一般に決済の分野でどのような役割を果たしているかについて概観した後、日本銀行が決済の分野において果たしている具体的な役割について、その基本的な考え方や実際の活動状況などを説明する。