金融市場レポート
2005年前半の動き
2005年 7月28日
日本銀行金融市場局
以下には、「『金融市場レポート』の公表開始について」および「2005年前半の金融市場の動き(サマリー)」を掲載しています。全文は以下のとおりPDFファイルで入手できます。
内容 | ファイル |
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『金融市場レポート』の公表開始について 2005年前半の金融市場の動き(サマリー) |
mkr0507a.pdf(31KB) |
1.短期金融市場 2.国債市場(長期金利) |
mkr0507b.pdf(366KB) |
3.株式市場 | mkr0507c.pdf(302KB) |
4.クレジット市場 | mkr0507d.pdf(338KB) |
5.為替市場 6.おわりに |
mkr0507e.pdf(284KB) |
『金融市場レポート』の公表開始について
日本銀行は、このたび『金融市場レポート』の公表を開始することとしました。本レポートは、わが国金融市場の動向を半期毎(1-6・7-12月)にレビューし、中期的にみた相場の趨勢、それを規定している諸要因、需給動向、市場の構造的な変化などを中心に整理するものです。
金融経済環境が大きく変化する中で、本レポートの作成・公表を通じ、金融市場の発するシグナルを的確に把握し、その結果をタイムリーに発表することで、内外市場関係者等との問題意識の共有を一段と進めたいと考えています。
レポートの作成は、金融市場局が担当します。
2005年前半の金融市場の動き(サマリー)
本年前半の金融市場は、わが国景気の踊り場状態が続くもとで、基本的には、先行きの回復ペースに対する慎重な見方を反映した相場動向となった。長期金利は幾分低下したほか、株価はいったん上昇したものの下落に転じ、上昇力に乏しい展開が続いた。短期金融市場では、量的緩和政策の下、極めて緩和的な環境が維持されたほか、クレジット市場でも、欧米市場のスプレッド拡大の影響も限定的なものに止まり、引き続き良好な調達環境が続いた。この間、為替市場では、米国の相対的な景況感の強さなどを背景にドル高方向の動きとなった。
先行きについても、引き続き景気の踊り場脱却を睨みつつ、原油高や海外経済の動向を含めて、景気や物価などのファンダメンタルズに対する見方が市場動向を左右する状況が続くとみられる。
中期的にみると、わが国金融市場の基調を形成する要素として、(1)企業部門の高水準のキャッシュフローと有利子負債返済傾向、(2)国内投資家による株式保有の削減と海外投資家による株式取得増加、(3)内外金利差を前提とした対外債券投資の増加と低水準の対内債券投資、(4)金利水準の低さに対応した利回り追及の動き、が挙げられる。本年前半においても、総じてみればこうした基調的な動きに変化はなかったと考えられるが、これらの要素が幾分変化していることを示唆する動きも窺われた。
今後、世界的な長期金利低下の行方、それが国際的な資本フローや内外金融市場の価格形成に及ぼす影響について、引き続き注視していく必要がある。