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サイバーセキュリティの確保に向けた金融機関の取り組みと課題― アンケート(2019年9月)調査結果 ―

2020年1月31日
日本銀行金融機構局

要旨

金融機関によるデジタル技術を活用した新しい顧客サービスや業務改革等が進むにつれ、サイバーセキュリティの確保、すなわち外部などからの攻撃に対するコンピュータシステム・機器・通信ネットワークの安全性や信頼性の確保および情報資産の安全管理が一段と重要性を増している。

日本銀行は、今般、当座預金取引先金融機関等のうち402先を対象に、サイバー攻撃の脅威に対する認識、サイバーセキュリティ確保に向けた経営トップの関与、リスク管理体制、サイバーセキュリティ対策の実施状況などについて調査するため、アンケートを実施した。この結果、同様のアンケート調査を実施した2017年4月時点と比べ、多くの金融機関がサイバーセキュリティの確保を経営上の重要課題と捉え、体制整備や技術対策などの取り組みを進めていることが確認できた。もっとも、サイバーセキュリティの企画に携わる要員が引き続き不足していることや、グループベースでの取り組みには改善の余地があること、コンティンジェンシープランに基づいた訓練の実施など、サイバーセキュリティ対策の実効性向上への取り組みや新たなデジタル技術の導入に対応したサイバーセキュリティ上の体制整備については、十分に進んでいない先も少なくないことが明らかとなった。

デジタライゼーションの動きが急速に拡がる一方、サイバー攻撃の脅威は引き続き高く、金融機関が経営トップの適切な認識・関与のもとで、サイバーセキュリティ対策の強化に向けた取り組みを続けていくことが重要である。日本銀行としては、金融機関が自らのサイバーセキュリティに関する体制面や技術面での取り組みを進めていくうえで、本アンケート結果が活用されることを期待するとともに、考査・モニタリング、各種セミナー等を通じて、そうした取り組みを後押ししていく方針である。

日本銀行から

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照会先

金融機構局考査企画課

E-mail : csrbcm@boj.or.jp