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金融機関の決済リスク管理について

2000年 2月 1日
日本銀行考査局

日本銀行から

 以下には、要旨を掲載しています。全文(本文、図表)は、こちら(set0002a.pdf 87KB)から入手できます。なお、本稿は日本銀行調査月報 2月号に掲載する予定です。

要旨

 金融機関間の円滑な決済を実現することは、金融システムの安定にとって極めて重要である。そのためには、金融界全体として決済システムの仕組みや市場慣行の改善に取組むだけでなく、個々の金融機関としても、決済リスクを適切に管理していく必要がある。

 決済リスクは「決済が予定通りできなくなることに伴う損害の可能性」のことであり、信用リスク、流動性リスク、オペレーショナルリスク、リーガル(法的)リスクなどの側面を有している。また、こうしたリスクは、金融機関が参加する決済システムの特性によって、その態様が異なることがある。

 このように決済リスクの態様には様々なものがあるが、金融機関は、決済リスクについて適切に認識し、測定・モニタリングし、コントロールするとともに、決済リスクの各種の側面や、参加する決済システムに応じたリスク管理策を講ずることが望まれる。こうした決済リスクの的確な管理は、金融機関間の決済に関する業務を収益機会として捉えるうえでも有意義と考えられる。

 日本銀行は、こうした点を踏まえて、本年度から金融機関の決済業務のリスク管理状況チェックのウェイトを高めた考査を実施しており、今後も適切な対応に努めていきたい。

以上