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わが国金融機関における内部監査の現状および改善の方向性

(「リスクベース監査」に向けて)

2002年 6月17日
日本銀行

日本銀行から

 以下には、冒頭部分(はじめに)を掲載しています。全文は、こちら(fsk0206a.pdf 109KB)から入手できます。

はじめに

 わが国の金融機関では、内部管理体制の適切性をチェックする「内部監査」機能の充実が、重要な課題となっている。こうした背景としては、自由化・国際化、技術革新、あるいは、経営の合理化・効率化などの事情から業務内容や管理体制が変化し、これに伴ってリスクの状況(リスク・プロファイル)が複雑化していることを指摘できる。限られた経営資源を有効に活用しつつ、こうした変化に迅速に対応して、適切な管理体制を維持していくためには、リスクの的確な把握に基いてリスク管理体制を評価する「内部監査」機能の確立が求められている。

 以下では、わが国金融機関が内部監査の高度化に取組む際のいくつかのポイントを提示する。もとより金融機関が内部監査の充実に向けて克服すべき課題は少なくないが、本稿では、それらを包括的に論ずるのではなく、むしろ、主要行に対するアンケート結果や考査・モニタリングを通じて、とくに目立った留意事項を整理している。

 本稿は、全金融機関に求めるミニマム・スタンダードを示すものではない。金融機関においては、以下のポイントを参考としつつ、自らの責任でそれぞれのリスク・プロファイルを踏まえた体制を構築していくことが期待される。なお、本稿は、こうした位置づけを踏まえて、今後、考査、モニタリング等の場において、金融機関との議論を深めていく際のひとつの材料として用いることを想定している。

 なお、日本銀行考査局では、わが国金融機関の内部監査体制の整備状況について、13年度下期に主要行を対象としたアンケート調査を実施した。結果の要旨を本稿に付したので、合わせて参考にされたい。