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2007年7月23日
日本銀行金融市場局
日本銀行は、市場関係者の協力を得て、2007年5月時点における円建てオーバーナイト・インデックス・スワップ(Overnight Index Swap、以下OIS)の実情に関する調査(以下、「OIS市場調査」)を実施した1。本レポートは、その結果を取りまとめたものである。
OISは、変動金利と固定金利を交換する円-円金利スワップ(以下、金利スワップ)取引の一種であるが、変動金利としてオーバーナイト(翌日物)の金利を使用している点に特徴がある。わが国では、97年頃に取引が開始されたが、ゼロ金利政策や量的緩和政策の下で長期に亘り低迷していた。量的緩和政策の解除が展望され始めた06年初前後から、取引が急速に拡大してきている。
もっとも、金利スワップ市場全体と比較すると、OIS市場はまだ参加者が限定的である。特に、本邦金融機関の取引はごく一部に止まっており、少数の外資系金融機関への集中度が高い、このため、市場流動性は必ずしも高くないといった点が指摘されている。
日本銀行が今回のOIS市場調査に先立って本年4月に実施した市場参加者に対するサーベイによると、本邦に拠点を持つ金融機関のうち、OIS取引を行っている先は31先(うち本邦金融機関は9先)であった。もっとも、取引開始に向けて準備中であるか、関心があるとした金融機関は100先に及んでおり、これらの先では、取引を開始するにあたって、OIS市場に関する幅広い情報、特に取引高や市場構造など取引の実情に関する情報が有益と回答している。
日本銀行は、本年2月から、約半年間のプロジェクトとして短期金融市場の機能向上に取り組んでおり、短期金利デリバティブ取引の活性化も課題の1つと位置付けている。今回の調査が、OIS市場の現状に関する市場参加者の理解や取引していくうえでの検討に役立つことを期待している。
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