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金融機関における新型インフルエンザ対策の整備について

内外金融機関の取組事例の紹介

2008年3月17日
日本銀行金融機構局

はじめに

歴史的にみて、世界的規模で疫病が流行し、多数の死亡者が出た事例は少なくない。新型インフルエンザの世界的規模での流行(パンデミック)は、動物の中だけで流行していたウイルスが、何回かの突然変異を経て、人から人へと感染するウイルスとなるもので、専門家の間では「Ifの問題ではなくWhenの問題」、すなわち「いつかは必ず発生する事象(間もなくかも知れない)」とされている。

こうした新型インフルエンザへの対策の緊要性は、世界各国で強く認識されており、例えば米国では安全保障上の課題として国を挙げて取り組んでいる。わが国政府も、新型インフルエンザ対策行動計画(2005年)や「事業者・職場における新型インフルエンザ対策ガイドライン」(2007年)を公表し、関係省庁間等で総合対応訓練を実施するなど、準備を進めている。

日本銀行は、これまで、業務継続体制整備について、多くのペーパーを公表するとともに、考査やオフサイト・モニタリングなどを通じて、金融機関と議論を重ねてきた。また、近年では、新型インフルエンザについても、対策が進んでいる外資系金融機関や邦銀海外拠点を中心に取組事例を収集するとともに、海外当局の持つ情報やノウハウの入手に努めてきた。

本稿は、こうした情報収集の結果、実際にみられた取組事例を整理したものである。

新型インフルエンザへの対応は、現時点で決定的な対策が確立しているわけではない。また、金融機関の自助努力だけでは対応しきれない事項も少なくなく、政府の対策の進捗状況と平仄をあわせながら進めていく必要がある。

日本銀行金融機構局としては、本稿が、個々の金融機関における業務継続体制整備の参考に資するとともに、議論が活発化する手掛かりとなることを期待している。今後とも、金融機関における新型インフルエンザ対策のあり方について、関係者と議論を深めていきたい。

本件に関する照会先

日本銀行金融機構局

  • 大山陽久 電話:03-3277-2513
  • 齊藤 徹 電話:03-3277-1230

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融機構局までご相談ください。
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