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2008年度の金融市場調節

2009年6月9日
日本銀行金融市場局

概観

 日本銀行は、2008年度中、無担保コールレート(オーバーナイト物)(以下「無担O/Nコールレート」)を操作目標とする枠組みのもとで金融市場調節を行った。無担O/Nコールレートの誘導目標については、2008年10月31日の政策委員会・金融政策決定会合(以下「決定会合」)において「0.5%前後」から「0.3%前後」に、さらに12月18、19日の決定会合において「0.1%前後」に引下げた。補完貸付に適用される基準貸付利率についても、10月31日の決定会合において0.75%から0.5%に、さらに12月18、19日の決定会合において0.3%に引下げた。この間、11月16日から時限措置として補完当座預金制度を実施し、日銀当座預金等のうち所要準備額を超える金額について0.1%で付利を行った。

 2008年度の金融市場調節は、9月中旬のリーマン・ブラザーズの破綻を契機に、国際金融市場において緊張が著しく高まり、わが国においても年末、年度末にかけて金融市場、企業金融の双方で逼迫感が大きく強まったことから、金融市場の安定確保と企業金融円滑化の支援に最大限配慮した運営とした。

 すなわち、政策金利を引下げるとともに、金融市場調節においては、海外の中央銀行と密接に連絡をとって海外市場の動向を把握しつつ、わが国短期金融市場のモニタリングを一層強化し、機動的かつきめ細かなオペレーション(以下「オペ」)を実施した。また、米ドル資金供給オペ、企業金融支援特別オペ、CP等買入オペ、社債買入オペといった新しいオペ手段や補完当座預金制度を導入したほか適格担保を拡充し、これらを駆使して年末・年度末越え資金を積極的に供給することにより、金融市場の安定確保と企業金融円滑化の支援に努めた。

 こうした金融市場調節運営のもと、無担O/Nコールレートは、2008年度を通じて誘導目標水準前後で概ね安定して推移したほか、年末以降、企業や金融機関の調達環境にも改善がみられた。もっとも、全体としてみれば、金融市場は緊張した状況が続いたほか、企業金融面でも厳しい状況が続いた。

 本稿では、金融市場調節運営の前提となる日銀当座預金増減要因の動向を説明した後、金融市場動向および金融市場調節運営について述べる。また、オペ手段別の動向や、金融市場調節運営に関連する主な変更についても説明する。

日本銀行から

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