ニュース
- 8/ 5(金)
消費活動指数
- 8/ 5(金)
(論文)気候変動関連の市場機能サーベイ(第1回)調査結果
- 8/ 1(月)
(論文)イールドカーブ・コントロールに関する特定期間選好仮説にもとづく考察
日本銀行は、物価の安定と金融システムの安定を目的とする、日本の中央銀行です。
ホーム > 調査・研究 > 日本銀行レポート・調査論文 > 調査論文 2011年 > (論文)低金利持続期待の変化と株価
:米国における緩和的金融環境下の株価動向に関する一考察
2011年5月25日
日本銀行金融市場局
2008年のリーマン・ショック後の世界的な金融市場の混乱と、その後の景気後退を受けて、主要先進国の中央銀行は、様々な政策手段を活用して、緩和的な金融環境の維持に努めてきた。こうした中、2009年下期には、低金利環境の持続を前提に、リスク性資産への投資を活発化させる動きが目立つようになったとの懸念も聞かれた。また、2010年下期にも、米国における一層の緩和期待の強まりが、株価やコモディティ価格を押し上げる要因になっているとみる向きが強まった。本稿では、どの時期に、低金利持続期待を強めるようなショックが株価を上昇(下落)させる傾向があったかについて、変数間の関係を規定する係数が時間の推移とともに変化するモデルを用いて明らかにする。
推定結果をみると、基本的には、低金利持続期待の強まりは、景気減速感の高まりに応じているケースが多く、株価を下落方向に推移させる傾向が強い。しかし、一方で、(1)2009年や2010年の下期には、低金利持続期待を強めるようなショックが株価を押し上げる要因となる局面が多かった(すなわち、流動性相場的な色彩が強かった可能性がある)こと、(2)投資家のリスク許容度の変化が両者の関係を大きく左右している可能性があること、などがわかった。
本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融市場局までご相談ください。
転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。
藤原 一平、高橋 耕史
Tel : 03-3277-1084