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景気判断における検索データの利用可能性

2013年1月30日
日本銀行調査統計局
白木紀行※1
松村浩平※2
松本梓※3

要旨

景気判断を行うにあたっては、ほとんどの経済指標には、経済活動の時点から公表までにタイムラグがあるという問題がある。こうした点への対応策として、企業からの聞き取り調査などが補完的に利用されている。近年では、情報通信技術の発展によって、様々な種類の情報が短いラグで入手可能になったため、そうした様々な情報を用いて、足もとの未公表データを予測する「ナウキャスティング」と呼ばれる手法の開発が進められている。本稿では、ナウキャスティングについて簡単な解説を行うとともに、最近、注目を集めているインターネットの検索データを用いた手法について、その景気判断における利用可能性について考察する。東日本大震災前後のサービス消費(旅行)について分析を行った結果、旅行関連の検索データが旅行取扱額のナウキャスティングにおいて有益な情報を有していることがわかった。

  • ※1E-mail : noriyuki.shiraki@boj.or.jp
  • ※2E-mail : kouhei.matsumura@boj.or.jp、現・高松支店
  • ※3E-mail : azusa.matsumoto@boj.or.jp、現・広島支店

本稿の作成にあたっては、一上響、加藤涼、鎌田康一郎、桜健一、篠潤之介、須合智広、関根敏隆、中村康治、原尚子、平田渉、前田栄治、峯岸誠、武藤一郎、及び日本銀行のスタッフ各位から有益なコメントを頂いた。残された誤りは全て筆者に帰する。なお、本稿中の意見・解釈にあたる部分は筆者に属するものであり、日本銀行あるいは調査統計局の公式見解を示すものではない。

日本銀行から

本稿の内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行調査統計局までご相談ください。
転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

照会先

調査統計局経済調査課景気動向グループ

Tel : 03-3279-1111(代表)