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国債決済期間短縮(T+1)化後の市場取引動向 ―レポ市場を中心に―

2019年5月30日
日本銀行金融市場局
藤本文*1
加藤達也*2
塩沢裕之*3

要旨

わが国では、市場取引の安全性、効率性および利便性の観点から、市場参加者、決済インフラ機関、政府および日本銀行等が、国債・レポ市場の整備に継続的に取り組んでいる。取組みのうち決済期間短縮化については、1997年に国債決済T+3化が実現したが、その後、更なる短縮化はなかなか実現しなかった。

2008年にリーマン・ブラザーズ証券が破綻し、レポ市場の機能が低下したことを受けて、市場参加者の間でも、決済期間の更なる短縮化等の必要性が認識された。具体的には、「国債の決済期間の短縮化に関する検討WG」において検討が進められ、2012年4月にT+2化、2018年5月にT+1化が実現した。

決済期間の短縮化は、(1)決済リスクの削減、および、(2)国債を用いた取引の利便性向上という2つの重要な意義を有している。このうち、本稿では、主として(2)の観点から、国債決済T+1化に向けたレポ取引の決済期間の短縮化、新現先取引の利用拡大および清算機関の参加者拡大といった市場整備面での取組みについてレビューし、T+1化後の取引状況等について整理した。

国債決済T+1化後、レポ取引の決済期間の短縮化、新現先取引の利用や清算機関の参加者の拡大は、それぞれ順調に進捗している。もっとも、(1)GCレポのT+0取引にも容易に対応可能な銘柄後決め取引には拡大余地があるほか、(2)取引形態も現担取引と新現先取引に二分化された状態が継続しているなど、引き続きいくつかの課題が残されている。

日本銀行としては、今後も、こうした課題について、各種会合やサーベイ等を通じて、市場参加者との対話を継続的に行っていきたいと考えている。

本稿の執筆に当たっては、日本銀行スタッフを含め、本件に携わった方々から有益な助言やコメントを頂いた。ただし、残された誤りは全て筆者らに帰する。なお、本稿の内容と意見は筆者ら個人に属するものであり、日本銀行の公式見解を示すものではない。

  1. *1日本銀行金融市場局(現・総務人事局) E-mail : aya.fujimoto@boj.or.jp
  2. *2日本銀行金融市場局 E-mail : tatsuya.katou@boj.or.jp
  3. *3日本銀行金融市場局 E-mail : hiroyuki.shiozawa@boj.or.jp

日本銀行から

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