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「金融政策の多角的レビュー」に関するワークショップ
第2回「過去25年間の経済・物価情勢と金融政策」の模様

2024年6月27日
日本銀行

要旨

2024年5月21日、「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップ「過去25年間の経済・物価情勢と金融政策」が日本銀行本店にて開催され、経済学者や金融・経済分野の専門家らを交えて、活発な議論が行われた。

第1セッションでは、1990年代後半以降のわが国経済・物価情勢を振り返るとともに、最近の環境変化についても報告された。そのうえで、「量的・質的金融緩和」の経済・物価への影響や、なぜ賃金・物価が上がりにくいことを前提とした慣行や考え方がノルムとして社会に定着したのか、また、こうしたノルムは変化していると評価すべきか、といった点が議論となった。

第2セッションでは、金利が実効下限制約に直面するもとでの非伝統的金融政策の「期待に働きかける経路」の有効性や、緩やかな物価上昇がもたらす経済的な意味について報告された。そのうえで、インフレ予想の形成メカニズムや、金融政策の期待に働きかける効果の評価、緩やかな物価上昇のメリットに関する理論的整理が現実に適合するのか、といった点が議論となった。

第3セッションのパネルディスカッションでは、まず、上述のノルムが形成された背景や、その最近の変化について議論された。ノルムの形成の背景としては、1990年代後半以降、雇用維持が優先され賃金が抑制されたことや、厳しい価格競争が継続したことなどが指摘された。そのうえで、このところ人手不足の強まりなどを背景にノルムは変化しつつあるとの見方が示された一方、労働市場の構造等に大きな変化はなく、最近の賃金・物価の上昇は、外的なショックによる一時期なものであるとの指摘もあった。また、過去25年間の金融政策から得られる教訓についてもパネリストによる総括が行われた。非伝統的な金融政策運営については、金利の実効下限制約のもとでも需給ギャップの押し上げなどの効果があったと評価する見方があった一方、期待への働きかけの難しさや長期にわたる緩和の生産性等への副作用を指摘する声もあった。

  • 本稿で示されたワークショップ内での報告・発言内容は発言者個人に属しており、必ずしも発言者の所属する組織の見解を示すものではない。

日本銀行から

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