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「実質輸出入の動向」の解説

2026年5月
日本銀行調査統計局

作成部署、作成周期、公表時期等

作成部署:調査統計局経済調査課

作成周期:月次

公表時期:貿易統計速報(月分)公表の翌営業日

公表方法:インターネット・ホームページ

データ始期:1975年1月(地域別・財別輸出は2000年1月)

1. 内容

(1)目的・機能

実質輸出入は、財務省「貿易統計」で公表されている財の名目輸出入金額を、日本銀行が作成・公表している「輸出入物価指数」で割ることにより算出したものである。

名目額を物価指数で割り、物価変動の影響を除去することで作成される実質輸出入は、実質的な価値ベースの輸出入の動きを表すこととなる。

(2)公表データ

以下の季節調整済値を月次で公表

  • 実質輸出(2020年=100、1975年以降)
  • 実質輸入(2020年=100、1975年以降)
  • 地域別実質輸出(2020年=100、2000年以降)
  • 財別実質輸出(2020年=100、2000年以降)

地域別実質輸出は米国、EU(注1)、中国、NIEs・ASEAN(注2)、その他地域について、財別実質輸出は中間財、自動車関連(注3)、情報関連(注4)、資本財(注5)、その他財についての値を公表。なお、その他財には、GDP統計上、財輸出に計上されない再輸出品が含まれるため、参考として、全体からその他財を除いた値も公表している。

  1. (注1)全期間において、英国を含まない。
  2. (注2)インド、バングラデシュなどを含む。
  3. (注3)自動車関連は、自動車、自動車の部分品、原動機など。
  4. (注4)情報関連は、電算機類、通信機、半導体等電子部品、音響・映像機器、科学光学機器など。
  5. (注5)資本財は、金属加工機械、建設用・鉱山用機械、重電機器、半導体等製造装置、船舶など。

(3)作成方法

実質輸出

名目輸出総額を、財務省「貿易統計」の概況品目分類に基づき、31品目について、それぞれの品目に対応するデフレーターで実質化した値を合計した後、季節調整を施し、2020暦年平均を100として指数化する。デフレーターとしては、原則として日本銀行調査統計局作成の輸出物価指数を使用している。

なお、データ制約等から、1999年以前については、名目輸出総額を、財務省「貿易統計」の分類を参考に8グループに分割し、それぞれのグループに対応するデフレーターで実質化したものを合計し、その系列の前月比を用いて遡及することにより作成している。

実質輸入

名目輸入総額を、財務省「貿易統計」の概況品目分類に基づき、28品目について、それぞれの品目に対応するデフレーターで実質化した値を合計した後、季節調整を施し、2020暦年平均を100として指数化する。デフレーターとしては、日本銀行調査統計局作成の輸入物価指数を使用している。

なお、データ制約等から、1999年以前については、名目輸入総額を、財務省「貿易統計」の分類を参考に8グループに分割し、それぞれのグループに対応するデフレーターで実質化したものを合計し、その系列の前月比を用いて遡及することにより作成している。

実質輸出入について、算出に利用している概況品目とデフレーターの一覧については、下記ページを参照。

(4)デフレーターの基準年

デフレーターの基準年は2020年(2020年価格)。

(5)実質輸出入の季節調整

季節調整には、X-12-ARIMAを使用。毎年4月頃、利用可能な全期間のデータを用いて季節調整替えを実施している。次回季節調整替えまでの間(原則1年間)は、予定季節要素を用いて季節調整値を算出している。

実質輸出入の現在の季節調整方法の詳細は以下のとおり。

  • ARIMAモデルのスペック : 輸出(1 1 2)(0 1 1)、輸入(0 1 1)(0 1 1)
  • ARIMAモデルによる先行き予測期間 : 48か月(なお、後戻り予測は行っていない)
  • regARIMAによる事前調整パートでは、曜日・閏年・祝日等調整を実施しているほか、outlierコマンドで異常値を調整している(レベルシフト、RAMP処理は行っていない)。なお、祝日等調整には通関日数をベースとしたユーザー定義変数を用いている。

(6)公表時期

原則として財務省「貿易統計(速報)」公表日の翌営業日16:00

ただし、日本銀行の業務の都合により遅くなる場合がある。

2. 参考資料

実質輸出入を実際に活用していく上でのポイントについては、以下の調査論文を参照。