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わが国物価連動国債の商品性と役割について

〜米英における経験を踏まえて〜

2004年 4月26日
金融市場局
西岡慎一
馬場直彦

日本銀行から

 日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

以下には、(要旨)を掲載しています。全文は、こちら (rev04j01.pdf 140KB) から入手できます。

要旨

 物価連動国債は、元本とクーポンが物価水準に連動する商品である。そのため、将来の物価変動に対する備えとして、投資家には相応のニーズがあると予想される。一方、政府は、物価連動国債の発行を通じ、発行手段の多様化を図ることができる。また、名目固定利付国債利回りとの比較により、理論上、予想インフレ率を抽出できる。先行する海外の事例をみると、英国では、物価連動国債利回りから抽出される予想インフレ率が、サーベイ・データによる予想インフレ率に収斂しつつある。この背景には、英国における物価連動国債の発行開始が比較的古く、名目固定利付国債対比で一定の流動性が確保されていることがある。今後わが国においても、市場規模の拡大とともに流動性が高まっていけば、物価連動国債はこうした役割を果たしていくことが可能になる。