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決算からみた銀行経営の現状と課題

2008年7月23日
金融機構局
須田侑子 豊蔵力 中野章洋 宮明靖夫

要旨

わが国の銀行は、1990年代後半以降最大の経営課題であった不良債権問題を概ね克服し、2005年度には、大手行、地域銀行ともに、当期純利益でみて過去最高益を更新するまで業績を改善させたほか、自己資本比率も着実に向上させてきた。もっとも、ここ数年の高収益の要因をみると、過去に積み立てた貸倒引当金が戻し入れられた結果として、信用コストが大幅かつ一時的に減少したとの要因が大きく寄与していた。実際、2007年度決算では、信用コストが平均的な水準へ回帰しつつあるなかで、基礎的な収益力の伸び悩みが鮮明となった。また、自己資本比率は、これまでの上昇トレンドが一服しているほか、優先出資証券や劣後債といった資本が占めるウエイトも依然として高く、自己資本の質の高さは十分とはいえない。このような点に鑑みると、銀行が基礎的な収益力を向上させ、自己資本の質を向上させていくことは、銀行経営にとって引き続き重要な課題である。同時に、このことは、金融システムの安定というマクロ的な観点からも重要と考えられる。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。
ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

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