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実質輸出入の動きをみる上での統計上の留意点

2008年8月27日
調査統計局
飯島浩太、長田充弘

要旨

日本銀行が作成・公表している実質輸出入は、価格変動の影響を除いた実質的な価値ベースでの輸出入の動きを表す統計であり、輸出入の動きを、実質GDPと整合的に捉えるのに適している。しかし、実質輸出入は、基礎となるデータの性格上、大きく円高が進む局面では実勢よりも強めに、逆に円安が進む局面では実勢よりも弱めに計算されるという特性があり、この点が、例えば2008年前半において、為替相場が大きく動く中で、実質輸出入の振れが大きくなった一因にもなっている。実質輸出入を利用する場合には、このような統計上の特性に留意する必要がある。

日本銀行から

日銀レビュー・シリーズは、最近の金融経済の話題を、金融経済に関心を有する幅広い読者層を対象として、平易かつ簡潔に解説するものです。
ただし、レポートで示された意見や解釈に当たる部分は、執筆者に属し、必ずしも日本銀行の見解を示すものではありません。

内容に関するご質問は、日本銀行調査統計局 飯島浩太(E-mail: kouta.iijima@boj.or.jp)までお知らせ下さい。